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【マンガで考える心理学】思春期の、死や見えないものへの恐怖や不安と、どう付き合っていくのか?【鬼灯の冷徹】

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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地獄の島耕作列伝 鬼灯の冷徹

以前、「鬼灯の冷徹」というモーニングで連載している漫画のアニメ版を見て、見事にハマってしまいました。

地獄の閻魔大王の第一補佐官の鬼灯という鬼神が主人公で、まあ地獄の獄吏の日常を描いた作品なのですが。

地獄もやはり管理社会というか、それぞれの部署でいろいろ厄介事が起こります。

例えば死後の桃太郎が英雄気取りで地獄の社会に馴染めず、桃太郎は桃源郷へ桃の生産者として就職。

お供達は戦後の人口爆発の煽りを受け人材不足の不喜処地獄の獄卒として就職、みたいな話や、烏天狗警察がカージャックされた朧車を追う、みたいな話やらなんやら。

モーニング特設サイトで第一話が読めます。

http://www.moae.jp/comic/hozuki?_ga=2.6820730.917854727.1518133588-1805984783.1518133588

著者インタビュー

モーニングで読んでる時もおもろいな~とは思っていたのですが、アニメもとても凝っていて、ついつい世界観にはまって続きを見てしまう感じでした。

思春期と、死を見つめる心の機能の関係

思春期って、死とか、霊とか、ゾンビとか、ちょっとグロテスクで恐ろしい物や眼に見えない怖いものにすごく関心を寄せることがあると思うんです。

そこに耽溺することで、心のなかで社会と程よい距離を取り、かつ自分の中の死の欲動というか、どうやって扱っていいかわからない怒りや恐怖と向き合ったり、イメージの中で安全に遊ぶことで適切に自分の中に取り入れていく、という過程を通過できると思うんです。

そこをちゃんと通って次へ進める、そんな時ってあるじゃないですかね。

チベット仏教圏のお寺に行くと、ほぼ必ず六道輪廻の図、地獄絵図がけっこう大きく、カラフルに描かれているんです。

ブータンに行った時のガイドのソナムさんは、地獄と輪廻図について「これは生きている我々の心のことを表しているんです」と。

車を買ったら次はもっといい車を、最終的には・・・ランクルが欲しい!(トヨタのランドクルーザー、ブータン人は不正地にグイグイ入れるランクルが大好き)そうしたらその人は生きていても地獄にいる・・・と話してくれました。

僕の感じ方ですが、あそこら辺の方たちって(チベット仏教だけではないかもしれませんが)常に心のなかに地獄があるんですよね。

いい意味で・・・

死後の世界が身近な暮らし

ブータンの各村の中心には必ずお寺があって、死後の世界が身近なんです。

(そういえばヨーロッパの街の中心には教会がありますね)

それは生活の中に、死や、死後の世界、自分の存在について考える機能が存在していたということだと思うんです。

学校で働いていると「お金稼いで社会に適応することが第一!」の世の中、それが出来ないと困る、不安!って価値観がますます強くなっている気がします。

(もちろん命の教育なんかもしていますが、実際にメインでやっていること、評価されることは勉強やスポーツで競い合っていくこと、社会で適応するための訓練みたいな・・・)

どっかで生と死のせめぎあいみたいなところ、をイメージの中でも実際でも潜ってくぐり抜けるという体験が大事なのではないかなと思っています。

マンガやホラー映画、ゲームなんていうメディアは、現代的な、そういうイメージを安全に体験するための装置なんじゃないかなって考えたりして。

(何年か周期でゲゲゲの鬼太郎や妖怪ブームが来るのもそういう機能が人間の中に備わっている証拠かと)

相談の中で出てくるホラーばなし

保護者との相談の中で子どもがそういった「ホラーや地獄、悪魔や吸血鬼の話やメディアにはまってしまって心配、なんとかやめさせたい」なんていう話をたまに聞きますが、じっくりと味わうことができたら、次の関心のステージへ移れるはずなんですよね。(他に足止めをかける要因がなければの話ですが)

 幽霊の話ばかりしている子に対して、あえて乗っかって一緒に幽霊の話をしたり、怪談話ばかりをしていると、そのうちに地獄に興味を持ったりして地獄話をしているうちに、今度は魔法の世界のハリーポッターを読み始めて、海外ファンタジーにはまってるうちにミステリーを読み始めたり、どんどん読書の幅が広がっていくみたいなことが起こります。

恐いこと、ドキドキすることを、信頼できる誰かと一緒に味わうことが出来ると、そのテーマを消化して次のテーマに移って行きやすいと思います。

特に不登校であったり、口には出せないけど不安やしんどさを抱えながらなんとか頑張っている時って、自分自身が暗闇の中にいるような気がしていたり、イメージの中で闇に潜り込むことで、ほのかな安心を得たり、葛藤と静かに向き合ったりしているものなんです。

そういう死や恐怖に関することを子どもが訴えてきた時に、つい「やめてよね!」とか「怖い」ってなりがち、それはもう当たり前の反応なのですが。

でももしもそんな時、その子の信頼できる大人がじっくりと一緒にその世界を味わえたら、一番成長促進的で、その子や親の将来に資するものが多いような気がします。

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