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【公認心理師資格試験講座】心理学としての精神疾患の理解

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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そろそろ2019年度の公認心理師資格試験の勉強も始めないと!と思いつつもなかなか始められない人が多いと思います。

ちょっといい感じのテキストを見つけたので、まとめつつ内容を紹介させていただこうかと思います。

 

「公認心理師カリキュラム準拠 精神疾患とその治療」

三村將、幸田るみ子、成本迅編

(医歯薬出版株式会社)

https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=265850

今回は、序章Ⅱ.心理学としての精神疾患の理解、より。

伝統的精神医学について

クレペリンが、早発性痴呆(統合失調症)と躁うつ病(双極性障害)の2大精神病の概念を提唱する。

ヤスパースは、了解可能性を方法論が精神疾患分類(内因、外因、心因)の基準とした。

このクレペリンとヤスパースの系譜を受け継いだシュナイダーが、「心的あり方の異常変種(パーソナリティー障害、知的障害)」と「疾患の結果(精神病)」の二つに分けた。

さらに「疾患の結果」の一部ついては「身体学的なもの(器質性精神病や精神病等)」であり、また一部は「心理学、精神病理学的なもの(内因性精神病)」であるとした。

精神病の診断には「身体的事実」と「心理学的事実」の両方が求められることは「経験的二元論」と呼ばれている。

シュナイダーは「統合失調症や躁うつ病のような精神病は、生活発展の完結性と意味連続性を切断する」と、、、意味連続性はわかるけど、生活発展の完結性とはどういう意味なのだろう??考えてみよう。

伝統的精神医学は、精神疾患の概念に生物学的な原因を考えつつも、理解するためには心理学的な方法をとっていた。

フロイトの力動的心理学の出現

そんな伝統的精神医学の一方でフロイトは精神活動における無意識の役割を重要視した精神分析学を作り上げ、「全ての精神疾患は不安に対する防衛機制の障害」という考え方のもと、一元的に理解されるようになる。

これが力動的心理学と呼ばれる理論である。

精神病理に対する伝統的精神医学の二元論的な理解は、生物学的な原因を仮定し、さらに診断には心理学的方法(了解可能性、意味関連性)をとっていたが、一方でフロイトの力動的心理学は、不安に対する防衛機制の障害として精神病理に対して一元的な理解をしている。

エンゲルの生物心理社会モデル

1977年にエンゲルが提唱したbio-psycho-socialモデルは、疾患の病態を生物的視点、心理的視点、社会的次元の階層モデルとしてとらえている。

これはそれまでの生物学?か心理学?という病態に対する理解の仕方を統合する者であった。

包括的に人の生活を支える生物心理社会モデルは、医師だけでなく看護やソーシャルワークといったコメディカルの専門領域からも広く受け入れられるようになっていった。

説明的多元主義(Explanatory pluralism)

今日、生物心理社会に変わるものとして、説明的多元主義が挙げられている。

多元主義とは、一元論に対する多元論、つまり「一つの病理や行動は、様々な見方からそれぞれに説明することが可能で、何か一つの心理があるわけではなく、その多様な在り方自体も認めて相補的に生かしていこう」という考え方なのではないかと理解した。

 

おまけ:シュナイダーの一級症状

シュナイダーさんが出てきたところで、シュナイダーの一級症状についても覚えておきましょう。

シュナイダーの一級症状(first rank symptom)

①思考化声(thought echo)

②対話形式の幻聴(auditory hallucination of dialogue)

③行為を評価する幻聴(Voice heard commenting on one’s actions)

④身体の被影響体験(Experience of influences playing on the body)

⑤思考奪取(thought withdrawal)

⑥思考伝播(thought broadcasting)

⑦妄想知覚(Delusional perception)

⑧させられ体験

ウィキペディアによるとですが、ナチスの優生学に嫌気がさして研究所をやめた、シュナイダーさんは、第二次世界大戦では軍医として従軍していたそうです。

彼は、診断は兆候や症状の内容ではなく、その形態に基づく診断をするべきだと。

例えば、「妄想は信念の内容ではなく、その信念の持ち方をもとに診断すべきだ」と主張していたとのことです。

珍しい妄想の内容に、あれやこれやと議論しながらいくらその妄想の記述を積み上げても何を本質的なことはわからないで右往左往している、当時の研究者たちの姿がなんとなくイメージできます。

これは、コンテンツではなくコンテクストを大切に見立てをしろということですよね。

そういえば「カウンセラーの聞く技術」の中で、東山先生は、普通の人は話の内容に関心を持つが、カウンセリングの場合は、話し手がなぜそのように考えるようになったのか、その考え方の方に関心を持つ、というようなことが書かれていたなと思いだします。

 

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