雨待風

かけい臨床心理相談室 カウンセリングルーム雨待風では、トラウマケア、家族療法を中心にカウンセリングを行っています。

不登校支援について

不登校支援では、基本的に以下の考え方からのカウンセリングやコンサルテーション、保護者面接を行っています。これはスクールカウンセリングに関する記事ですが、大筋は変わりません。

【不登校】不登校対応についての基本視点
僕が学校にいて、不登校対応をしている時に考えていることについて。 不登校対応についての基本的な考え まずはこの三点。 ・長期引きこもりの予防として考え行動 ・子どもや保護者自身 ...

家族関係の改善

かけい臨床心理相談室では、家族療法、システムズアプローチを使って、家族の関係に対して介入を行います。

家族の関係とはなかなか難しいもので、お互いの気持がわかっていると思っていても実は理解していなかったり、近いと思っていたら遠かったり、大事にしようと思っているのに傷つけてしまっていたり。

夫婦であれば育ってきた環境が違うわけで、親子であっても時代が違えば、価値観や物事の捉え方に差ができるのは当たり前のことで、お互いのことを想っているのになぜかすれ違ってしまうこと、ちょっとしたボタンのかけ違えで、楽しかったはずの食卓がギスギスとしたものになってしまい、そこから抜け出せずに苦しんでいる方がたくさんいらっしゃるかと思います。

家族療法やブリーフセラピーでは、「家族はもっと仲良くするべきだ」とか「子供のためにも夫婦が仲良くしなければいけない」なんてことはほぼほぼ言うことはありません。
なぜなら家族の関係の中でこんがらがっていることに、安易な「べき論」や「道徳」を投げかけたところで、屁の突っ張りにもならない(なんの役にも立たない)からです。
(でもこういうことを「いいことを言ってるんだぞ」って顔で語る人いますよね)

基本的には、相手とどんな関係を持ちたいのか、どんな未来を描きたいのかということについて「解決像」を丁寧に聞き取った上で、そこに一歩でも半歩でも近づけるかもしれない方法について、相談をしてきた方と一緒に考えます。

大事なことは、相談に来た方が「それできるな」「やってみたいな」と思えるような「小さな違い」を生活や関係の中に持ち込むことです。
相談に来た方が一人の場合もありますし、もし夫婦で相談に来られた場合なら、二人にピッタリの「何か」を提案することもあります。
その何かは、例えば家族と一緒にお寿司を食べに行くことかもしれませんし、車に乗る席を替えることかもしれません。靴下を隠すことかもしれませんし、毎食食卓にバナナを出すことかもしれません。

ひょっとしたら毎晩自作の歌を家族に聞かせることかもしれません。

一番いいのは相談に来た方が大笑いしながら「それいいですね!」というような「何か」が出てくることですが、そのためには相談に来た方や、その家族がハマってしまっている悪循環の仕組みを知ることが大切です。

そして次の回で、その「何か」はうまくいったのか?思ったほど効果はなかったのか?どハマリしたのか?そもそもやらずともなんか上手くいってしまったのか、何か新しい発見は合ったのか?という評価をした上で、また新たな「何か」を考えていく、ということをやっています。

家族のややこしい関係は、ただ話を聞いて共感をするだけでは、なかなか前に進まなかったりします。

ここに書いてあることを読んで、「面白いな」「やってみたいな」と思われた方は、きっとこのやり方があっていると思います。ぜひ一緒に現場を変化させていきましょう。