天白こころとからだのケアセンター|トラウマ治療について
■ 「何年も前のことなのに、今も苦しい」
- 思い出すと体が固まる
- その場面が急に蘇ってくる
- 頭ではもう大丈夫なはずなのに、反応が止まらない
そういった状態は、意志の問題ではなく、トラウマの反応かもしれません。
■ 「話しても楽にならない」と感じている方へ
これまでに、
- カウンセリングを受けたけど変わらなかった
- 話は聞いてもらえたけど、反応が消えない
- むしろ思い出してつらくなった
そう感じたことがある方もいらっしゃると思います。
それは、あなたの問題ではなく、アプローチの方法が合っていなかった可能性があります。
■ トラウマ「身体」の関係
トラウマは、通常の記憶とは違い、身体の反応として保存されています。
そのため、
- 理解するだけでは変わらない
- 話すだけでは処理されない
ということが起こります。
通常のカウンセリングとして傾聴することがフラッシュバックを引き起こして、よりひどい状態になってしまうことも起こり得ます。
■ 当センターのトラウマ治療の特徴
天白こころとからだのケアセンターでは、
身体からトラウマを処理するアプローチ(ボトムアップ)を中心に行っています。
- 負担が比較的少ない
- 短時間でも変化が起こりやすい
- 「思い出し続ける」必要がない
■ トラウマ治療について
天白こころとからだのケアセンターでは、トラウマ治療を一つの特色としております。
現在、精神科クリニックでもトラウマ治療を行っているところはまだ少なく、臨床心理士や公認心理師であっても、トラウマ治療の技法を習得している人は非常に限られているのが現状です。
また、「トラウマ治療」と言いながらも、実際には投薬や通常の心理療法で何とかしようとされることも多いのではないかと思います。
しかし、トラウマ記憶は通常の記憶とはまったく違ったプロセスで、身体に刻み込まれているものです。
そのため、通常の傾聴によるカウンセリングだけでは、かえってフラッシュバックを引き起こしてしまったり、症状が増悪してしまったりすることもあります。
だからこそ、適切なトラウマ処理の技法を身につけている臨床心理士や医師が、適切に対応する必要があります。
ただ現状としては、そうした専門的な支援にアクセスすること自体が、まだなかなか難しい状況にあると感じています。
■ トラウマ治療にはさまざまな方法があります
トラウマ治療の技法として、認知行動療法の領域では、持続エクスポージャー療法(Prolonged Exposure)などの方法があります。
これは統計的に効果があるという研究が出ており、エビデンスのある方法です。
ただし、この方法はつらかった場面を長く思い出し続けなければならないため、クライアントさんへの負担が非常に大きく、中断率も高いとされています。
また、他にも認知行動療法の中には、認知再構成法のように認知に働きかける方法があります。
こうした認知に働きかけるやり方を「トップダウン」と分類すると、それに対して近年は、認知ではなく身体からトラウマを処理していこうとする“ボトムアップ”の流れがあります。
天白こころとからだのケアセンターでは、この身体から働きかけてトラウマを治療する方法を中心にとっています。
なぜこちらを採用しているかというと、クライアントさんの心身にかかる負担が比較的小さく、治療期間も短く済みやすいと感じているからです。
■ EMDRという方法について
トラウマ治療の中で有名な技法の一つに、EMDRがあります。
これは、眼球を左右に動かすことで、トラウマが処理されない原因となっている記憶の障壁を崩し、通常の記憶の流れに戻していく方法です。
私の感覚では、精神分析的な心理療法で半年ほどかけて少しずつ気づいていくようなことが、EMDRではたった30分ほどのセッションの中で一気に動くこともあり、自分でやっていても驚くことがあります。
ただ、EMDRは非常に優れた方法である一方で、いくつかの特徴もあります。
まず、1回のセッションに時間がかかることです。
最低でも90分ほどは必要になることが多いです。
また、処理が進むと結果としてすっきりするのですが、その過程では除反応と呼ばれる身体的・感情的な反応が大きく出ることがあります。
本来、トラウマ記憶を処理するためには、身体が反応しきる必要があります。
動物であれば、恐怖や危険のあとに体を震わせたりして自然に放電することができますが、人間はそれを途中で止めてしまいやすいところがあります。
泣くこと、震えること、身体が反応すること。
これらはすべて、苦しさや恐怖に対して身体が働き、処理しようとしている反応でもあります。
■ ボディコネクトセラピーについて
EMDRは非常に優れた方法ですが、当センターではもう一つ、ボディコネクトセラピーというやり方を重視しています。
これは、EMDRと、TFT(タッピングを用いたセルフケアにも使える技法)の要素を少し組み合わせたような方法です。
ボディコネクトセラピーでは、タッピングをしながら、眼球運動を半分ほど取り入れます。
そして、つらかった場面をイメージしてもらい、そのときに出てくる身体感覚に集中した状態で処理を行っていきます。
『体はトラウマを記録する』という言葉がありますが、トラウマは身体的なレベルから処理していくのが非常に有効だというのが、こうしたボトムアップの立場の主張ですし、私自身もそのように感じています。
このボディコネクトセラピーは、短い時間でも効果が出やすく、記憶の障壁を大きく崩しすぎないという特徴があります。
そのため、狙ったところだけを比較的安全に処理しやすいという感覚があります。
まるで玉ねぎの薄皮を一枚ずつ剥いでいくように、一つ一つ順番に進めていけるので、安全性が高く、クライアントさんへの負担も比較的少ない方法です。
実際に、「こんなやり方でいけるんですか」という反応をいただくこともあります。
■ 身体の反応は、処理の大事な一部です
ボディコネクトセラピーでも、うまく進むと除反応が出ることがあります。
たとえば、
- 体が少し震える
- 胸の苦しさが下に落ちていく感じがする
- 頭の痛みが変化する
- 歯がガタガタと震える
といったことです。
ただ、このプロセスを通らないと、トラウマ記憶がそのまま「閉じ込められた箱」の中に残り続けてしまい、通常の記憶の流れに乗っていきません。
トラウマ記憶の怖いところは、その記憶だけが単体で、いつまでも“近いまま”残っていることです。
昔のことなのに、まるで今起きているかのように迫ってくる。
それがフラッシュバックの苦しさです。
ですが、その記憶が通常の記憶の流れに入っていくと、少しずつ「昔のこと」として距離が開いていきます。
出来事そのものが消えるわけではありません。
記憶自体がなくなるわけでもありません。
ただ、その影響度がだんだん下がっていきます。
それまで目の前に迫ってきていたものが、少し離れて、たとえばテレビ画面の向こうに映っているような感じになっていく。
そうすると、「確かにそういうことはあったけれど、今は今だ」と感じられるようになっていきます。
そのためには、身体感覚が上がったり下がったり、ギュッとなったり緩んだりといった、体のモードの変化がとても大事になります。
■ 大きなトラウマだけが対象ではありません
このボディコネクトセラピーを中心に、トラウマケアを行っていこうと考えています。
ただ、ここで言うトラウマは、いわゆる大げさな「大きな出来事」だけを指しているわけではありません。
たとえば、
- 昔、親に言われた一言がずっと引っかかっている
- 友達に言われた何気ない言葉が忘れられない
- とんでもない失敗をして、それを思い出すと今でもしんどくなる
- それがきっかけで外に出づらくなった
- 人前で話せなくなった
こうしたことも、十分にその人の中でトラウマ的な体験になり得ます。
イップスの治療などもそうですが、うつ、不登校、ひきこもり、夫婦げんか、人間関係の行き詰まりなど、一見するとトラウマが中心テーマに見えない問題でも、振り返っていくと、その人の過去に何らかの未処理のトラウマがあり、それが現在の不適応な反応につながっていることはよくあります。
そのため、トラウマを主訴としていない方であっても、トラウマ処理を行うことで治療が大きく進むことがあります。
- 神経症的な苦しさ
- パニック障害的な症状
- 人前での強い緊張
- 何度も思い出してしまう反応
などが、トラウマ処理を通して軽くなっていくこともあります。
ですから、いわゆるビッグTトラウマだけでなく、スモールtトラウマについても、比較的気軽に処理していけるところが、この方法の良いところだと考えています。
オンラインでの対応も可能ですので、気になる方はご相談いただけたらと思います。
■ TFTというセルフケア技法について
もう一つ、当センターで大切にしている方法に、TFTがあります。
これは、ツボをタップしていくことで心身の反応を整えていく方法で、セルフケアとしても使いやすい技法です。
これがうまくはまると非常によく効きますし、本当に手軽に使える方法です。
トラウマに関する研修会などでも、私はこの方法を紹介することがあります。
また、トラウマ治療に関する研修会の依頼も受けています。
■ ホログラフィートーク(自我状態療法)について
もう一つ、私がよく使っている方法に、ホログラフィートークという自我状態療法があります。
「自我状態療法」と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、インナーチャイルドワークと聞くと、少しイメージしやすい方もいるかもしれません。
たとえば、
「自分の心の中にいる子どもの頃の自分を抱きしめてあげましょう」
というようなイメージです。
ホログラフィートークは、それをもう少し専門的に、臨床家や医療者が使える形に整えたような方法です。
背景には、構造的解離という考え方があります。
人は、幼い頃に抱えきれないつらい体験をしたとき、そのときの感情や状態を切り離して生き延びることがあります。
つまり、自分のメインの自我は先に進んでいくけれど、そのときに耐えきれなかった部分だけが切り離されたまま残る、ということです。
これは多重人格のような極端な場合だけではなく、健康な人の中にも、多かれ少なかれ起こっていることがあります。
たとえば、
幼い頃に一人きりにされてとても怖かった体験がある人が、大人になってからも一人になると強い不安に襲われる。
そのとき、自分では「なぜこんなに不安になるのかわからない」と感じていても、実際にはその中に切り離された感情のパーツが残っていて、「危ない」「やばい」と警報を鳴らしているわけです。
30歳でも40歳でも、そのときの6歳の自分が警報を鳴らせば、体も心もその影響を受けます。
ホログラフィートークでは、そうした切り離された感情のパーツに丁寧にアクセスし、断絶した過去の自分を、もう一度今の自分へと統合していくことを目指します。
この方法も、精神科クリニックで私はよく使っていますし、そこで医師や心理士も取り入れており、非常に効果の高い方法だと感じています。
■ 当センターでの基本的な考え方
もちろん、EMDRをご希望される方にはEMDRを用いることも可能です。
ただ、私自身の基本的な流れとしては、
- ボディコネクトセラピーで記憶の処理を行う
- 感情のパーツに関しては、自我状態療法としてホログラフィートークを使う
- セルフケアとして、TFTを練習していただく
という形を基本にしています。
■ バウンダリー(境界線)の回復も大切です
もう一つ、とても大事なことがあります。
トラウマを持っている方は、自分と他者との間の境界線(バウンダリー)がうまく機能していないことが少なくありません。
- 人に入り込まれた感じがしてしんどい
- 距離が近すぎて苦しい
- 逆に壁を作りすぎてしまう
- 適切な距離の取り方がわからない
といったことがよくあります。
そのため、当センターでは、こうしたバウンダリーに関するワークも取り入れていけたらと考えています。
■ 身体の安心を育てることも支援の一部です
私は合気道もやっており、マインドフルネス合気道という講座も行っています。
こうした体のワークを通して、
- 自分が安心できる身体感覚
- 落ち着いていられる自分の状態
- 過剰に反応しすぎない身体の使い方
を身につけていくことも、とても大切だと考えています。
トラウマ処理だけではなく、
自分の健康さを上げていくこと、
安心して落ち着いている自分に出会っていくこと、
そうしたことも同時にできたらと思っています。
■ トラウマ治療の流れについて
当センターでは、トラウマ治療に関して、段階的に進めるプログラムをご用意しています。
■ ① 事前オンライン面接(20分)
まずは、20分程度のオンライン面接を行います。
ここでは、
- 現在の困りごとの簡単な整理
- 当センターで行うトラウマ治療の説明
- 実際に進めていけそうかどうかの確認
を行います。
こちらから一方的にお引き受けするのではなく、
「この方法が役に立ちそうかどうか」
を一緒に判断させていただく時間になります。
■ ② トラウマ治療コース(基本6回)
トラウマ治療は、基本的に6回のコースで進めていきます。
- 月1回ペースで約半年
- 状況に応じて、毎週・隔週での実施も可能
- 必要に応じて延長も可能
無理のないペースで進めることも、集中して進めることも選択できます。
■ セッションの流れ
● 第1回:アセスメントと土台づくり
初回では、
- 現在の困りごとの整理
- これまでの経過の把握
- どのような方法が合っているかの検討
を行います。
そのうえで、面接の最後に、
- 呼吸法
- マインドフルネス
- 安心できる身体感覚を育てるワーク
を行い、安全に取り組むための土台を整えます。
● 第2回・第3回:トラウマ処理(ボディコネクトセラピー)
2回目・3回目は、
ボディコネクトセラピーによるトラウマ処理を中心に行います。
ここで、
- 具体的なトラウマ記憶の処理
- 身体感覚を通した反応の調整
を進めていきます。
この段階で、
「かなり楽になった」「これで十分」
と感じられる方は、ここで終了することも可能です。
● 第3回:バウンダリーワーク(身体アプローチ)
トラウマを抱える方に多い、
人との距離感(バウンダリー)の課題に対して、身体的なアプローチを行います。
ここでは、合気道的な要素を取り入れながら、
- 適切な距離感の体感
- 侵入されない感覚
- 自分の軸を保つ感覚
を身体レベルで学んでいきます。
● 第4回:マインドフルネスと身体の安定化
第4回では、
- マインドフルネスの実践
- 身体の安定感を高めるワーク
を中心に行います。
ここは、トラウマ処理を支える「回復の土台づくり」の段階です。
● 第5回:ホログラフィートーク(自我状態療法)
より深い部分にアプローチしたい方には、
ホログラフィートークを用いて、
- 過去の自分(感情のパーツ)へのアクセス
- 切り離された体験の統合
を行います。
ここでは、
「なぜ自分がこの反応をしてしまうのか」
という理解と変化が、より深く進んでいきます。
● 第6回:まとめと今後のセルフケア
最終回では、
- これまでの振り返り
- 今後の予防的ケア
- 再発予防のための心理教育
を行います。
また、
トラウマ的な体験があると、
- 思考がぐるぐる回る
- 同じことを繰り返し考えてしまう
といったことが起こりやすいため、
思考から距離を取る練習(言語的脱フュージョン的なアプローチ)も取り入れていきます。
■ セルフケアの習得(TFT)
コースの中で、
TFT(タッピング)によるセルフケア方法も練習していきます。
これにより、
- 日常の中で自分で調整できる力
- セッション外での回復力
を身につけていくことができます。
■ 動画・学習コンテンツについて
現在、トラウマに関する理解を深めるための動画も順次準備しています。
また、専門家向けに作成した、
- ボディコネクトセラピーの講義動画
- トラウマに関するプロトコル解説
なども、コースを受けられる方にはご案内できるようにしていく予定です。
単なる体験だけでなく、
「知識として理解すること」
も含めて、トラウマに向き合えるよう支援していきます。
■ 見学・体験・お申し込みについて
まずは無料のオンライン相談からご参加ください。
当センターでは、いきなり継続的なカウンセリングを始めるのではなく、
「今の状態に、どのような支援が合っていそうか」
を一緒に整理していく時間を大切にしています。
トラウマ治療だけではなく、
- 不登校
- 対人不安
- パニック
- ゲームやスマホへの没入
- 人との距離感の難しさ
- 見守り方についての相談
などについても、ご相談いただけます。
無理に治療を勧めることはありませんので、
「まずは話だけ聞いてみたい」という形でも大丈夫です。
オンラインでの対応も可能です。
ご希望の方は、下記フォームよりお申し込みください。
また、天白こころとからだのケアセンターでは、
不登校支援、トラウマケア、マインドフルネス合気道など、
「こころ」と「からだ」を切り離さない支援を大切にしています。 [oai_citation:0‡yurayura.org](https://yurayura.org/room/?utm_source=chatgpt.com)