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「はじめてまなぶ行動療法」を読む 第2章その2 レスポンデント消去を学ぼう

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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はじめてまなぶ行動療法

三田村仰著「はじめてまなぶ行動療法」という本を知っていますか?金剛出版のHP

前回、アルバート坊やに爆音と同時に爆音とは関係ないネズミを爆音と同時に提示し続けたら、ネズミのことを怖がっちゃうようになって、それだけじゃなくてウサギやふわふわした毛皮も怖がるようになってしまった、という実験の話をしました。

「はじめてまなぶ行動療法」を読む 第2章その1 レスポンデント条件付けを学ぼう

これがレスポンデント強化なんでしょうね。

 

レスポンデント消去

じゃあどうやったらその怖さを消すことができるのか?というレスポンデント消去について読んでいきます。

ここで、アルバート坊やに変わって登場するのが2歳10ヶ月のピーター坊や。(アルバートはその後どうなったのかな?とか思いつつ)

ワトソンさんのお弟子さんのMCジョーンズさんがやったのは、ウサギを怖がるピーター坊やの遠くにウサギの入ったカゴを置き、ピーター坊やの怖さが少なくなるのに合わせて、ちょっとづつカゴをピーター坊やの近くに置いっていったこと。

最終的にピーター坊やはウサギを撫でれるようになったみたいです。

元々は怖い要素がない中性刺激のはずのウサギだから、爆音のような怖い刺激と同時ではなく、単独で提示し続ければ、だんだん平気になっていくということと考えていいかと思います。

良くいう「慣れ」というものだけど、乱暴に「嫌なことでもなんどもやらせればいい」というのとは違って、大事なのは、「怖かったはずのものがあるのに、そこで嫌な体験をしなかった」「意外と大丈夫だった」ということ。

それが新しい経験として本人の中に積み重なることで、大丈夫になっていくということかと思いました。

 

拮抗条件付け

MCジョーンズさんがやったもう一つの実験は、ウサギとおやつを同時にピーター坊やに提示するということ。

どういうことが起こるかというと、元々怖かったはずのウサギを見ると「おやつへの予感」を感じるようになってしまうという・・・。

ウサギと同時にキャンディーや友達やお気に入りの先生を登場させることによって、通常のレスポンデント消去よりも早く、ウサギへの恐怖反応は減っていき、さらにネズミや毛皮などへの恐怖もなくなり、2ヶ月後には恐怖を克服してしまったということでした。

コメント

この一連の実験は、今では倫理的な理由によってアウトなのは間違いないだろうけど、不安とは何か?っていうことについて、そして不安症の治療について多くの知見を与えてくれました。

人って不快な体験と一緒にある何かを無意識に結びつけてしまうもの、ということは、大した理由もなく何だか苦手な人とか苦手なものとかって、その相手に理由はなくて、自分の中の体験に理由があったりするもんですよね。

「理由なく嫌われても、それはあっちの都合だから気にすんな!」

ってことかもしれません。

 

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