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【本を読む】ミルトン・エリクソン入門 第一章1-4 ユーティライゼーション

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
カケイ カズノリ
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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エリクソン臨床の特徴:基本原理その4 ユーティライゼーション

WHオハンロン著「ミルトン・エリクソン入門」(金剛出版)ではエリクソンのアプローチの基本原理として次の5つが挙げられています。

自然的、間接的及び指示的、反応性、ユーティライゼーション(利用)、現在及び未来志向

今回はこのうちのユーティライゼーション(Utilization Orientation)について解説いたします。

前回はこちら。

【本を読む】ミルトン・エリクソン入門 第一章1-3 反応性

 

ユーティライゼーション(Utilization Orientation)

彼は患者がいかなるものを示しても、それをすべて利用した。頑なな信念、行動、要求、特徴を利用し、それらが治療のじゃまにならないようにしただけでなく、それらが治療を促進するようにさえしつらえた。

出典:ミルトン・エリクソン入門 第一章 P20

症状をその人のために利用するという発想って、一体どういうことなのでしょうか。

 

ケース

エリクソンが症状を利用したこの本の中のケースについて、いくつか挙げてみます。

とにかく急いで牛乳を飲む

ある女性の家に、親戚縁者がしょっちゅうやってきて、長時間居座るために、ストレスで潰瘍をわずらっていた。

エリクソンは彼女に、お腹の痛みを利用することを提案した。

彼女はこのアイデアを気に入り、親戚縁者が家にやってくるたびに、コップ一杯の牛乳を飲み干して嘔吐する、というのを繰り返した。親戚縁者が家に来ることは減り、来る前に電話をかけてよこすようになった。彼女は彼らに家に来てほしくない時は、潰瘍が痛むといい、実際に家まで来た場合にも、彼らが長居が過ぎてくると彼女は胃をさすり始め、そうすると彼らは慌てて御暇するようになり、しばらくして潰瘍は治癒した。

 

このケースでは、彼女の症状を使って、彼女が状況をコントロール出来るようになっています。

きっとこの彼女は親戚縁者の行動に対して迷惑だと感じつつも、迷惑だと伝えることが出来ない関係性だったのでしょう。

 

君は大工の経験があるそうだね

自分のことをイエス・キリストであると主張する患者に対して「君は大工の経験があるそうだね」と、患者はそうであると答え、さらにエリクソンは「君は仲間たちの役に立ちたいんだよね」と。当然患者はそうであると答えるので、さらに「実は病院には本棚が足りなくて作らねばならないんだが、手伝ってくれるだろうか」と尋ねた。

患者は同意し、建設的な活動に参加し始めるようになった。

 

イエス・キリストは30代まで大工のお父さんのお手伝いをしていたそうですね。相手の持っている「前提」に逆らわない介入と言えると思います。

 

 

ペーシングとリーディング

目に見えたことをすべて事細かに話さないと気がすまない、という脅迫的な欲求を持っている女性からの相談があった。

すべてのエリクソンの行動に彼女はコメントを途切れることなくつけ始めたところ、エリクソンはメガネを拭いたり、机の上のものを動かしたりとするので、それに対してまた彼女はコメントを次々と入れていく。

エリクソンは動きと動きの間に間を入れると、彼女はコメントするためにエリクソンの動きを待つようになった。

セッションが進むにつれ、エリクソンの動きに合わせて彼女は話すようになり、だんだんエリクソンも口を挟めるようになり、トランス誘導にも入れるようになっていった。

 

反応性の扱い方、合わせて、そののち少しずつずらしていく、まさにペーシングとリーディングのお手本のような事例です。

 

まとめ

初めてエリクソンの事例に触れた方、普通の臨床的な対応と、エリクソンの臨床、ちょっと違いすぎて驚きますよね。

同じことはしなくてもいいと思いますし、絶対にできないのですが、ここで見るべきところは患者さんの中にある症状であったり、一般的には良くないもの、取り除きたいけど取り除けないでいるもの、であっても、その患者さんのために役立てることが出来る、という視点かと思います。

子供の頃読んでいたジャンプのバスタードというファンタジー漫画で印象的なシーンがあります。

ダイ・アモンというマッチョな吸血鬼に、主人公が自分に服従うさせる呪いをかけるシーンです。

吸血鬼は魔法に対する耐性が高いので、魔法や呪いのたぐいはなかなかかからないのですが、この主人公はそのダイ・アモンがコウモリに変身したときの羽、つまり対象の体の一部を触媒として使って服従の呪いをかけることに成功します。

主人公が吸血鬼に呪いをかける、ってどんな少年マンガや!って感じですが、その人の中にあるものを使うことで、その人に抵抗を起こさせない、というメタファーとしてこのシーンはすっと胸に入ってきたのを思い出します。

 

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