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共感が失敗するとき その1 わかったつもり

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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カウンセリングの現場でも、日常の会話でも、「共感」って実はなかなか難しいものです。

とくに初心者の方や支援に関心をもって学び始めた方にとって、「共感」はとても大切にされるスキル。でも、その「共感」が、時に相手を遠ざけてしまうこともあるのです。

今回から数回にわたって、そんな「共感の失敗」について書いてみようと思います。

「わかったつもり」で共感がずれる

こんなやりとり、聞いたことありませんか?

「……ほんとに職場の人間関係がしんどくて、もう限界なんです」
「あー、そういうことありますよね。私もわかります! 昔、似たような状況があって……」

この返し、日常会話としては問題ないかもしれません。

でも、もしこれが相談の場だったら、あるいは支援的な関係性の中だったら…… 相手は心の中で、こんなふうに思うかもしれません。

「……なんかちょっと違うんだよな」
「いや、そういう話じゃないんだけどな……」

似てるけど、同じじゃない

共感がずれるとき、多くは「自分の経験に引き寄せすぎてしまう」ことで起こります。

「わかります!」という気持ちは嘘ではない。 でも、その「わかる」は、自分の過去の経験であって、目の前の人が今感じている「わかってほしいこと」とは、ちょっと違っていたりする。

つまり、似ているようで違う話にすり替わってしまっているわけです。

このすり替えが起こると、相手の「話したい気持ち」はスッと引いていってしまいます。 「せっかく話し始めたのに、もうちょっと聞いてほしかったのに」という思いが、見えないところで萎んでいってしまうのです。

簡単に「わかってもらいたくない」気持ちもある

支援の現場では、ときにこんな複雑な気持ちに出会います。

  • 「わかってほしい」
  • 「でも、そんな簡単にわからないでほしい」

この矛盾したような願いのあいだを、私たちはていねいに歩く必要があります。 だからこそ、共感とは「相手の世界にとどまること」なんだと思うのです。

確認しながら、探索しながら共感する

「わかったつもり」の共感を避けるために、ひとつのコツがあります。

「似ているように思えたけど、○○さんにとってはどうですか?」
「ここまではこう理解できたのですが、この先は……?」

こんなふうに、自分の理解を“確認しながら”“探索しながら”言葉にすることです。

共感とは、相手の話の中に「こういう気持ちでしょう?」と勝手に踏み込むことではなく、 「こう受け取りましたが、違っていたら教えてください」と、扉の前でノックをするようなこと。

少しずつ、ていねいに、相手の語りのリズムに合わせながら言葉を重ねていく。 それが、伝わる共感につながっていくのだと思います。

次回は、「感情の反映がうまくいかないとき」について書いてみようと思います。


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