心理士の成長 ― 経験を「気づき」に変えるために
ただ経験するだけでは足りないことも
前回の記事では「経験の数は大事だ」というお話をしました。もちろん、数多くの臨床に関わることは、体力や耐久力のようなものを育ててくれます。しかし今回は、経験を積むだけでは成長につながらないという点について考えてみたいと思います。
経験を通して本当に伸びていくためには、その中から「気づき」を得て、それを積み上げていくことが必要です。知識の積み重ねも大切ですが、知識だけで気づきの伴わない臨床家はどこか虚しさを抱えてしまうでしょう。
経験を開いて振り返る
カウンセリングでも日常生活でも、私たちは日々「うまくいった体験」「うまくいかなかった体験」をします。そこで大事なのは、
- なぜうまくいったのか
- なぜうまくいかなかったのか
- 何が足りなかったのか
- 次はどうしたらもっと良くできるのか
といった視点で振り返ることです。
「たまたまうまくいった」という場面にも、実は必然的な要素が隠れていることがあります。人間は複雑な相互作用の中で動いていますから、一つの条件が正しくてもタイミングが悪ければ伝わらないこともあります。逆に、複合的な連鎖がうまく回ることで成果につながることもあります。
だからこそ、「たまたま」をそのままにせず、経験を切り開き、吟味し、整理していくことが重要です。
理論や他者の視点が必要になるとき
自分の経験を深めるためには、心理学の理論や方法論が大きな助けになります。理論を背景に持つことで、経験の意味を照らし出し、モヤモヤを言語化できるのです。
それでもどうしても理解が進まない時があります。その背景には、
- 視野が狭くなっている
- 思い込みやこだわりに囚われている
といった要因があるかもしれません。
そこで役立つのがスーパービジョンや事例検討です。他者の視点を借りることで、自分には見えていなかった盲点が照らし出され、新しい気づきが得られます。この鮮烈な体験こそ、臨床家の成長を大きく促してくれるのです。
経験を気づきに変える循環
漫然と経験を重ねるのではなく、振り返りや学びを通して気づきを得る。その積み重ねが、10年後・20年後に大きな差となって現れます。
- 経験をする
- 振り返って整理する
- 理論や知識で照らす
- 他者の視点を借りる
- 新しい気づきを得る
このサイクルを意識的に回していくことが、臨床家としての実力を深めていく道なのだと思います。
お知らせ
私が運営している かけい臨床心理相談室 では、スーパービジョンや研修を通じて、こうした「経験を気づきに変える」サポートを行っています。
また、臨床心理学超基礎講座の1DAYワークショップも開催予定です。スクールカウンセリングで使える「魔法の杖」となるような解決志向の手法についても扱いますので、ぜひチェックしてみてください。
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さらなる学びを希望される方へ
臨床心理学超基礎講座で扱ってきたテーマを、1日で体系的に学び直すワークショップを開催します。
基礎を点ではなく“流れ”としてつなげ、臨床の地図を体感的に描ける機会です。
目次
Toggle開催概要
- 日時:2025年10月5日(日)10:00〜16:00
- 形式:オンライン(Zoom開催)
- 対象:臨床心理士、公認心理師、スクールカウンセラー、教育・医療・福祉領域の専門家
プログラム内容
- 傾聴
- 見立て
- 治療構造
- 共感
- 助言・理解の伝え方
各テーマをつなぎ合わせることで、臨床に必要な“基礎の地図”を描けるようになります。
ワークショップのメリット
- 1日で基礎を体系的に整理できる
- 録画視聴で何度でも学び直せる
- 実際の参加者からは「自分のやり方が整理できた」「面接が安定しそう」といった声が届いています
学びの継続が実践を広げる
臨床の学びは、続けるほど深まり、深めるほど実践の幅が広がります。
録画で内容を丁寧に振り返るのも、ワークショップで体系的に再構成するのも、どちらも有効です。
あなたの臨床理解と実践がさらに豊かになることを願っています。
お申し込み
解決志向・超基礎講座のご案内

はじめに
「問題をどう分析するか」ではなく、
「どうすれば解決に近づけるか」に焦点を当てる。
そんな 解決志向ブリーフセラピー の考え方を、学校現場や臨床の実践に活かすための基礎講座を開講します。
講座の目的
- 問題の原因探しにとらわれず、解決像を描く方法を学ぶ
- 子ども・保護者・教職員と協働しやすい支援の組み立て方を知る
- 現実的かつ共有しやすい視点で、日常の実践に生かす
プログラム内容(全6回)
- 解決志向の基本理念
問題志向との違いを理解する - 解決像を描く
「どうなったらよいか」を丁寧に聴く - リソースに注目する
すでにある力や例外的な成功体験を見つける - 小さなステップをつくる
“スーパースモールステップ”で実行可能な課題を設定 - フィードバックと振り返り
介入の効果を見極め、柔軟に修正する - 学校現場・日常臨床での応用
コンサルテーションやケース会議で活かす方法
この講座で得られること
- 現場で実際に使える言葉が増える
- 支援の方向性が整理され、迷いが減る
- 「子どもや先生と一緒にやっていけそう」という実感が持てる
実際に受講された方からは、
「現場で使える言い回しがすぐに見つかった」
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といった声が多く届いています。
対象
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- 教育・福祉・医療領域で対人支援に関わる方
- 「解決志向に興味はあるけれど、基礎から学びたい」という方
開催形式
- Zoomによるオンライン講座
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- 録画視聴あり(復習・繰り返し学習が可能)
お申込み・詳細
まとめ
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