かけい臨床心理相談室

スクールカウンセラーを10年以上やって感じた一番大切なこと その2

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臨床心理士  カウンセラーっぽくないカウンセラーと言われることが多い チェブラーシカに似ていると言われることがある 似ていないと言われることもある 時間空間的なおっちょこちょいである
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この二年間は、さらに一歩進んだスクールカウンセリングの取り組みとして、スクールソーシャルワーカーらと連携をとりながら、カウンセリング主体ではない、いじめや自殺の未然防止活動を主軸とした常勤のスクールカウンセラーとして、今までの非常勤体制では出来なかった、さまざまな活動に取り組むことが出来ました。

スクールカウンセリングを10年以上やって気づいた一番大切なこと

その活動の中で気づいたことの一つは、学校に行く行かないは別として、学校の先生との絆というか肯定的な関係性を作れるに越したことはないな、ということ。
別にそれは担任でなくてもいいし、養護教諭でもALTでも学年主任でも部活の顧問でも管理職の誰かであってもいいから。
  • 「学校にはあまりいけなかったけど、あの先生と会うとほっとする」
  • 「いつも顔を見ると笑顔を向けてくれる」
  • 「こっちが無視しても何か関心を向け続けてくれている」
と感じるような。
そんな関係性を子供達と教職員がもてるようにと考えています。

学校で排斥された体験を子供にさせてはいけない

それは、学校という子どもにとっての唯一に近い「社会」から邪魔者として排斥された経験をさせてはいけない、という「感覚」というか「確信」に近いものが僕の中にあって。
そこさえちゃんとしておけば、例えば不登校から長期引きこもりに移行するなんてことが起こりにくくなるんじゃないかなと思っているんです。
いろんな状況があるので「長期引きこもり自体が良くない」というつもりではないのですが。
周りの人も含め、なにより「本人」がとても苦しい思いをしながらも出口がわからずにのたうち回ることになるというのを、仲の良い元当事者からもよくよく聞いているので。
長期にならずに済むならそうしたい、その分水嶺が、この学校社会からの阻害体験がどんな質のものであったのか?そしてその質を決めるのは、学校の先生との「関係性」そのものなのでは?と考えています。

圧倒的な理解不足が傷つきを引き起こす

不登校を体験した方や、その保護者の方には「学校の先生の物言いや態度に、深く、深く傷つき、そのことがきっかけで大人や先生という人種が信じられなくなった」という体験を持つ方が本当に多く居ます。
ほんとうにどうしようもない人間はいるものですが、多くの子どもや保護者を傷つける言動は「悪意」ではなく「不登校になっている子どもや保護者の気持ちの理解の圧倒的な不足」からきているものなのです。
その不足を丁寧に補うことでガラリと先生方の対応が変わったり、もしくは少しずつ子どもと気持ちが通じてくることが良くあります。
だから僕らは「学校の先生が気持ちをわかってくれない」という訴えに共感するのを一生懸命やるのではなく。
学校の先生がその子の陥っている状況や気持ちに共感できるようにするためには「どうやって、どんな言葉で、何を伝えるのか?」ということを必死で考えて分かりやすく伝えることで、子どもにとってその先生が味方であると感じれるように働きかけることが必要だと考えています。

学校単位での未然防止活動

そしてもう一つは、不登校云々については、なる前に動いて可能性を下げていく関わりを、学校全体位、学年、クラス、個人のそれぞれのレベルに同時にやっていかなければならないということ。
学校に行けなくなってから動くのではなく、行けなくなる前から全体に対して様々な手を打っていく、ということがとても大事で、同じ不登校といっても、手を打ったけど学校に行けなくなってしまった場合と、手を打たずにスッと学校に来れなくなった場合では、その後の流れや学校との関係性は随分変わってきます。
なので何も起こっていない時ほど、全体への関わりを考えていく、そしてその関わりをするための下地を学校の中で作っていく、ということをいつも意識して積み重ねていこうと考えていました。
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