【不登校初期対応】学校を休んでいる子どもがゲームをやりたがった時
目次
Toggle不登校の子どもがゲームばかりするとき、親はどうしたらいいのか
■ 結論
- 不登校中のゲームは、まず「良い・悪い」だけで判断しないことが大切です。
- 子どもの楽しみを認めることと、何でも自由にさせることは同じではありません。
- ゲーム時間は、親子で納得できる形で区切り、うまくいかなければ再設定していくことが現実的です。
- 大切なのは、ゲームをめぐって対立することよりも、子どもを見守りながら関係と生活のバランスを整えていくことです。
不登校初期のゲーム対応では、「やめさせるか、許すか」だけで考えるのではなく、子どもが安心して過ごせる時間と、親子で話し合える関係をどう作るかが大切なのだと思います。
■ 不登校とゲームは、なかなか切り離せない
不登校とゲームは、なかなか切り離せない存在ですよね。
「子どもがやりたいことを認めてあげなきゃ」と思う一方で、「みんなが学校に行っているのに、ゲームなんかしていていいのだろうか」「ゲームをやる元気があるなら学校に行けばいいのに」と感じてしまうこともあると思います。
保護者の方の心の中には、いろいろな思いが渦巻くのではないでしょうか。
特によく聞かれるのが、不登校や登校しぶりが始まったタイミングで、子どもが学校を休んでいるのにゲームをずっとしたがる場合、どう考えればよいのかということです。
ここで大事なのは、ただ我慢して許すような「受け身の承認」ではなく、もう少し積極的に子どもの時間を支える「攻めの承認」なのではないかと思います。
■ 「受け身の承認」と「攻めの承認」
子どものゲームをやりたい気持ちを承認してあげてください、と言うと、とにかく全部OKにしなければならないと思う方もいるかもしれません。
けれど、本当は保護者としてゲームをたくさんさせたくないのに、無理して「いいよ」と言い続けると、どこかでしんどくなります。
最初は我慢していても、最終的にはイライラしてしまい、「いつまでやってるの!」となってしまうこともあると思います。
そうなると、保護者もしんどいですし、子どももしんどい。どちらにとっても苦しい形になってしまいます。
このように、保護者が譲歩する形だけで行う承認は、どこかで破綻しやすいのではないかと思います。
では、どうすればよいのでしょうか。
たとえば、こんな言い方はどうでしょう。
「ゲームやりたい? そうだよね。学校に行っていなくても、あなたが楽しいことをするのは大事だよね」
これは、単にゲームを許可しているだけではありません。
ゲームをやりたい気持ちと同時に、「学校を休んでいたとしても、あなたはあなたの時間を楽しむ権利がある」ということを認めている言葉です。
不登校の子どもは、学校に行けていないことへの罪悪感や焦りを抱えていることがあります。だからこそ、「学校に行っていない自分には、楽しむ資格がない」と感じてしまうこともあるかもしれません。
そのときに、保護者が「あなたが楽しんでいい」という前提に立つことは、子どもにとって大きな安心になるのではないかと思います。
■ ゲームを認めることと、無制限にすることは違う
大事なのは、ゲームをやりたい気持ちを認めることと、ゲームを無制限にすることは違う、ということです。
子どもがゲームを楽しむことは大事です。けれど、生活全体がゲームだけになってしまうと、保護者として心配になるのも自然なことです。
だからこそ、「ゲームをやる時間」と「ゲーム以外のことをする時間」を分けて考えることが大切なのではないかと思います。
たとえば、家庭によっては「1日2時間くらいが限度じゃない?」という話し合いになるかもしれません。
あるいは、「午前中は気持ちがしんどいだろうから、ゲームをしていてもいいよ」という形もあるかもしれません。
逆に、「学校に行っているはずの時間だけは、ゲームをやめておこうよ」という設定が自然に感じられる家庭もあると思います。
どれが正解というよりも、子ども自身が「なるほど、たしかに」と思えるところまで話をしていくことが大事です。
本当に納得できていないルールは、実際には長く続きにくいものです。
そして、うまくいかなかった場合には、「設定を間違えちゃったね」「もう一回考えようか」と再設定できるようにしておくと安全です。
ルールを守れなかったことを責めるよりも、親子で一緒に調整していく。そのくらいのほうが、現実的なのではないかと思います。
■ 「せっかく学校に行っていないんだから」という見方
ゲーム以外の時間に何をするかについて、子どもが「何をすればいいかわからない」と言うこともあると思います。
そのときは、一緒に考えてみたり、少し提案してみたりしてもよいかもしれません。
ここで大事なのは、「ただでさえ学校に行っていないんだから」という文脈ではなく、「せっかく学校に行っていないんだから」という文脈で考えることです。
「せっかく」に続く言葉は、恐怖や苦しみではなく、子どもにとって興味が持てることや、学校に行っていてはできなかった体験であってほしいと思います。
たとえば、虫取りをする。プラモデルを作る。新幹線を見に行く。本を買いに行く。動画を作ってみる。お菓子を作る。写真を撮る。興味のあるYouTubeを見る。
そうした時間の中で、子どもが「学校を休んでいても、生きていていいんだ」「自分には楽しい時間があっていいんだ」と感じられることが大事なのではないかと思います。
もちろん、保護者の方も忙しいですし、すべてに付き合うのは大変です。
無理のない範囲でよいと思います。
ただ、ゲーム以外にも「ちょっと楽しい」「少し集中できる」「学校以外でも何かできた」と思える時間があると、子どもの生活に少し余白が生まれるのではないでしょうか。
■ 「ただでさえ学校に行っていないんだから」で考えると苦しくなる
一方で、「ただでさえ学校に行っていないんだから」という発想になると、出てくるアイデアはどうしても「勉強」「宿題」「ドリル」「運動」「お手伝い」などになりやすいと思います。
もちろん、それらが全部悪いわけではありません。
子どもが自然にやれる状態であれば、勉強や運動や手伝いが生活の支えになることもあります。
けれど、不登校初期の子どもにとって、「学校に行っていないのだから、せめてこれくらいはやりなさい」という雰囲気は、かなり強い圧迫感として伝わることがあります。
子どもには、「あなたは学校に行っていないのだから、本当にまずい状態なんだよ」というメッセージとして届いてしまうことがあるのです。
その状態で無理に勉強をさせても、あまり身につかないことが多いのではないかと思います。
苦痛は大きいのに、成果は少ない。さらに親子関係も悪くなる。そういう形になると、子どもの自己嫌悪が強くなってしまうこともあります。
やらせようとしても子どもがやらないと、親も腹が立ちます。
「なんでやらないの!」となり、子どもは「やっぱり自分は最悪だ」と感じる。そういうループに入ると、親子ともに消耗してしまいます。
ためしに勉強をやってみること自体は、あってもよいと思います。
ただ、やってみて「これは能率が上がらないな」「今は苦しさのほうが大きいな」と感じたら、いったん撤退してもよいのではないでしょうか。
「ごめん、つらかったね。とりあえず勉強はいったん置いておこうか。やりたくなったらやればいいから、別のことを考えよう」
そのように引き返せることも、保護者にとって大事な対応だと思います。
■ ゲームと勉強を交換条件にしないほうがよいこともある
時期や子どもの性格にもよりますが、「ゲームをした時間の分だけ勉強する」という交換条件は、慎重に考えたほうがよいと思います。
子どもがそれを納得して、無理なく楽しんでできるならよいかもしれません。
けれど、多くの場合、ゲームがご褒美で、勉強が罰のようになってしまいます。
そうなると、ゲームも心から楽しみにくくなりますし、勉強への抵抗感も強くなってしまうことがあります。
まずは、ゲームをする時間を生活の中で区切ること。そして、ゲームをしていない時間にも、少しでも楽しめることがあること。
そこを目指すほうが、保護者にとっても子どもにとっても、失うものが少なく、得るものが多いのではないかと思います。
■ 不登校初期に大切なのは、ゲームの良し悪しよりも関係
大事なのは、ゲームそのものの良し悪しだけを考えることではありません。
子どもとどんな関係でいたいのかを考えながら、ルールを一緒に決めていくことだと思います。
「子どもが言うことを聞かない」と悩んでいる保護者の方の多くは、ただ単に子どもを従わせたいわけではないはずです。
本当は、子どもが元気になれるように、少しでも幸せに生活できるように、サポートできる関係でいたいのではないでしょうか。
だからこそ、まずは「学校に行っていなくても、あなたには価値がある」「あなたは自分の楽しみや時間を選んでいい」という前提に立つことが大切なのだと思います。
そのうえで、保護者が協力者の立場になれるように関わっていく。
不登校初期のゲーム対応では、この視点がとても大切なのではないかと思います。
■ チェックリスト
- ゲームを「良い・悪い」だけで判断しようとしていないか
- 親が無理して許し続けて、あとで爆発する形になっていないか
- 子どもが納得できるゲーム時間の区切りを一緒に考えられているか
- うまくいかなかったときに、責めるのではなく再設定できる余地があるか
- 「ただでさえ学校に行っていないんだから」という圧をかけすぎていないか
- ゲーム以外にも、少し楽しい時間や安心できる時間を作れそうか
- ゲームをめぐって、親子関係が悪化しすぎていないか
■ まとめ
不登校の子どもは、自由な時間がたくさんあるように見えるかもしれません。
けれど実際には、自己嫌悪や焦りや不安が頭の中をぐるぐると支配していて、精神的にはあまり自由ではないこともあります。
ゲームをしている子どもを見ると、「いつまでやっているんだろう」「早くやめて勉強でもすればいいのに」と思ってしまうのは、本当に自然なことだと思います。
ただ、本当に子どもがしんどいときには、ゲームさえ楽しめていないこともあります。
だからこそ、時間を決めたうえで、「最低でもこの時間は気楽にゲームをやろうよ」「せっかくゲームをやるなら、楽しんでやれるといいね」という目線で見守れる設定ができるとよいのではないかと思います。
それは、子どもにとっても、保護者にとっても、少し安心できる形なのではないでしょうか。
■ よくある質問(FAQ)
Q. 不登校なのにゲームばかりしているとき、やめさせるべきですか?
A. いきなりやめさせることだけを目標にすると、親子関係が悪化しやすいことがあります。まずはゲームをしたい気持ちを認めたうえで、時間の区切りを一緒に考えていくほうが現実的だと思います。
Q. 学校を休んでいるのにゲームを許していいのでしょうか?
A. 「学校を休んでいるから楽しんではいけない」となると、子どもの自己嫌悪が強くなることがあります。ゲームを無制限にする必要はありませんが、学校に行けていない時期にも安心して楽しめる時間は大切です。
Q. ゲーム依存にならないか心配です。どうしたらいいですか?
A. 心配になるのは自然なことです。ただ、ゲームを取り上げることだけで解決しようとすると、かえって対立が強くなることもあります。ゲーム時間を区切ること、ゲーム以外の楽しみを少しずつ増やすこと、親子で話し合える関係を保つことが大切です。
Q. ゲームをするなら勉強もさせたほうがいいですか?
A. 子どもが自然に取り組めるならよいと思います。ただ、不登校初期に「ゲームの分だけ勉強」と交換条件にすると、勉強が罰のようになってしまうことがあります。まずは生活の安心感を整えることを優先してもよいのではないかと思います。
Q. ゲーム時間のルールを守れないときはどうしたらいいですか?
A. ルールを守れなかったことだけを責めるより、「この設定は合っていなかったのかもしれないね」と再設定するほうが続きやすいと思います。最初から完璧なルールを作るより、試しながら調整していくことが大切です。
Q. 親がイライラしてしまうときはどうしたらいいですか?
A. イライラするのは自然なことです。だからこそ、親が無理して全部を許す形にしないほうがよいと思います。親も納得できる範囲で、子どもと話し合えるルールを作ることが大切です。
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