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【不登校】不登校お手伝い問題

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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先日、「あさイチ」という番組に出していただいたのですが、そのディレクターさんから、不登校の子供に手伝いをさせていいのかどうか?という質問が来ていますとのメールをいただきました。

 

丁寧!と感動しつつも、とってもよくある話なのでブログで共有してもいいか尋ねてみるとOKとの快諾をいただいたので、僕の考える不登校お手伝い問題について書かせていただきます。

 

学校に行かないことの代わりとしての手伝いはNG

僕は、現在学校に行っていない子供に家の手伝いをしてもらうのはOKだと思うのですが。

 

「学校に行っていないんだから手伝いくらいやりなさい!」

・・・ってのは良くないと思います。

 

この言葉の裏側にはいくつかメッセージが隠されています。

 

学校に行っていないあなたは×というメッセージ

手伝いをしても学校に行く価値には及ばない

どれだけ頑張ってお手伝いをやっても「これだけ動けるんだから学校に行けばいいのに」と言われてしまう

 

頼んでいるお母さんも、別に本気で労働力が欲しくて言っているわけではないと思うんですよね。

学校に行っていない子供がだらだらとしている(ように見える)のがイライラして、そのイライラを解消するために「手伝いしなさい!」って言っているんだとしたら、それはやめたほうがいいかなと思います。

 

今の存在の丸ごと否定になってしまう、対話の糸が途切れてしまうので。

 

頼まれたのにできないことの苦しみ

 

もう一つは「なんでもいいから家にいて意味のある事、活動をしてほしいという願い」っていうのがありますよね。

 

でも多くの不登校になっている子は、そういう「周囲のなんとなくの思いを汲み取ってしまいすぎた」からこそ、今現在エネルギー切れを起こしたり、人との関係の中で、どうしたら自分が自分でいられるかどうか?ということについて悩んでいたりするものです。

 

なので

家族のオーダーとして当たり前のこととしてやらせるのはまだマシで、「〇〇ちゃんもそろそろ体も動かしたほうがいいだろうし、お手伝いしてくれると嬉しいんだけどなあ」みたいなのが、タイミングによっては最悪だったりします。

拒否できればまだよいですが、「本当は面倒くさいけど、僕のためを思って言ってくれているし、そもそも不登校をしている僕が悪いんだから仕方がない」と思って渋々やるのが、回復からは一番遠い道だといえます。

 

多くの親は手伝いを「自分からやるようになってほしい」と思っているはずですが、「親に気を遣って手伝いをやらせる」というのは、回復のために一番高めたい「主体性」を大きく損なうことになります。

体の動きとしてはどちらも「家事のために体を動かしている」というところについては同じでも、心の中で起こっていることは真反対なんです。

 

手伝いの頼み方やタイミングを間違えることで起こってくること

 

ボロボロになって1人のからの中に閉じこもってエネルギーを蓄えているときは、頼まないでいてください。

 

この時に、できないときに「やらなきゃいけない」と思うことを頼まれて、しかも出来ないと、人はぶっ壊れてしまいます。

 

猛烈な反抗心と怒りをぶつけられるかもしれません。

 

その場にいられれなくなり、活動範囲がまた一段階狭くなるかもしれません。

 

つまり回復が遅れる上に、対話が途切れます。

 

そして回復した後も、「手伝い」と聞いただけで怒りでいっぱいになるような大きな傷付きを再燃させることになるかもしれません。

 

もしお手伝いを頼むなら

 

〇すでに自発的に探索行動ができる状態になっていること(エネルギーがタンクに十分ある)

チャリンコに乗ってあちこち行くとか、次の進路の準備に自分で生き生きと動いているとか

 

〇対話が日常的にある関係性になっていること

何か言ってもスッといなくなるとか、簡単に言い合いになるとか、って関係性ではなく、思っていることやこれからしたいこと、苦手なことなどが語り合える関係

 

〇「学校に行かなくても全然いい、本人が選べる時まで待てる」と本気で思えていること

学校に行っていないこととの交換条件のように手伝いをやらせようとしない

 

〇お手伝いをすることが、本人の何らかの目的や希望につながるような話し合いとコーディネートができること

スキル系

「1人暮らしのために料理ができるようになりたい」と思っているとか

賃金系

「海外に行くためにお金が必要だけど、外ではまだバイトはできない」とか

 

 

まとめ

 

「生活のリズムを整える」とか「やらせているうちに習慣になってほしい」と、もし通常状態ならそういうこともあるかもしれませんが、消耗しているときにお手伝いはなかなか思ったようにはならないなと思います。

 

ただ、回復が進み、すでに何かに取り組み始めているときに、その取り組みにつながるような形で上手に提案することで、そのお手伝いも本人の役に立つ形で活かせることもあります。

 

そこまでのコーディネートの仕方については、専門的な力が必要なので、コミュニケーションについての専門性があるカウンセラー、家族療法が行なえるカウンセラーと一緒に取り組むのもアリかもしれません。

 

めっちゃ宣伝ですが、ちなみに僕の相談室でも、そういったピンポイントのコーディネートの一回こっきりの相談も受け付けておりますので、必要な方はお声掛けください。

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