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【本を読む】ミルトン・エリクソン入門 第2章その1 患者の言葉を利用すること

 
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カケイ カズノリ
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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ミルトン・エリクソン入門を読む

WHオハンロン著「ミルトン・エリクソン入門」(金剛出版)という本があります。

この本は、ブリーフセラピーの源流になったと言われる天才的な精神科医ミルトン・H・エリクソンのアプローチについて、著者の目線からまとめられており、僕自身の臨床の中で一番大きな影響を受けている本の一つです。

自分の臨床を見直すという意味でも、ミルトン・エリクソンについて多くの方に知っていただくという意味でも、この本に書かれていることを紹介しつつ、自分なりにコメントを書いて行こうかと思います。

関心の在る方はお付き合いください。

 

患者の言葉を利用すること Utilizing the Patient’s Language

エリクソンは人々に話しかける際、その人が使う単語を用いたり、その人が理解できるレベルで話をしていたのである。

出典:ミルトン・エリクソン入門 第2章P34〜35

エリクソンが担当したある患者は、入院以降9年も経っているのに、誰も彼のいうことを理解できるものはいませんでした。精神病の症状の一つに連合弛緩によって起こる”言葉のサラダ”というものがあります。言葉と言葉が意味とまとまりをなくして羅列されると、聞いている方は何を言っているかわかりませんよね。

エリクソンは最初に患者の言葉を速記者に書き取らせ、詳細に検討したとのですが、やはり何も意味を見出すことは出来ず、結局は患者の言葉を使ってコミュニケーションをすることを試みました。エリクソンの自己紹介に、患者は言葉のサラダで返し、そレに対してエリクソンはまた心を込めた言葉のサラダで返しました。

次第に二人は長く話しこむようになり、時折意味のある言葉が交じることも出てきました。時とともに意味のあるコミュニケーションの割合が増えていき、エリクソンは彼に治療を施し、退院までに持っていくことが出来たとのことです。

まとめ

医者は医者の言葉を使うし、心理士は心理士の言葉を使うし、患者は患者の言葉を使うのであれば、まず患者の言葉に合わせることから始めてもいいのかもしれません。

エリクソンは患者のそばに医者の立場から降りていき、彼のことを理解しようとしました。

ポイントはやはり、その人の土俵に上がって、その人のルールに合わせるということからまず始めたところですよね。

「相手の言葉や文化を尊重する姿勢」といってもいいかもしれませんが、症状そのものや意味がないように見えること、に対して尊重し、合わせていくということは、一般的な「相手の言葉や文化を尊重する姿勢」という言葉でくくれないのではないかと思います。

つまり、コミュニケーションをとる時に、正しいとか間違っているとか、症状だとか病名だとかというジャッジは、あまり意味がないということです。

もう一つ、自分の言葉を「意味のないもの」として捉えている人たちに囲まれていたこの人にとって、自分の傍らに立ち、自分と同じ言葉のルールでやり取りをしようとするエリクソンの姿はどう映ったのでしょうか。

この人は身分証も所持しておらず、病歴も語れない、誰も自分のことを理解することは出来ないし、それを求めるわけでもない、というところにずっといたのではないかと思います。

彼は、エリクソンに対してだけは、何かを伝えたい、伝えても良いのかもしれない、伝えることが出来るかもしれない、と思ったのかもしれません。

 

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