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【不登校】人と会うのは量より質 ひきこもりから自分で選ぶチャレンジへ

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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人と会うのは量より質

不登校であったり現在ひきこもっている状態にあるお子さんを持つ保護者の方が不安に感じていることの一つに「もっと人と会わなくても大丈夫なのか?」というものがあります。

間違いなく言えるのは「今すぐに多くの人に会わなければいけないわけではない」ということと。

もう一つは「回復の程度にしたがって、本人が誰と会うのか選べるのが重要」ということです。

 

人と会うのはエネルギーがいること

人は誰でも元気でない時に人と会うのには普段以上のエネルギーがいります。

風邪を引いている時や落ち込んでいる時、なんだか元気の無い時などは、新しい場に出ていく気持ちになれないでしょう。

もし誰かと会うとしても、家族であったり、昔からよく自分のことを知っていてくれる人、理解してくれそうな人を無意識に選んでしまいませんか?

 

それは心が疲弊しているときエネルギーがないときは、心が敏感になっていて、ものの捉え方がマイナスに捉えがちになっているからです。

だから、ちょっとした言葉の行き違いでも傷つきますし、相手に気を遣うだけでも、相当にしんどくなってしまうのです。

 

これは不登校の子どもでも同じことで、普段なら笑って流せるようなことでも、真剣に受け取って傷ついてしまったり、腹が立ったりするようになっているはずです。

ちょっとしたズレや言葉のアヤでも、一旦気になってしまったらいつまでも考え続けてしまったり、カーっと頭にきてしまったり。

要するに心の膜が薄くなり、環境からの影響をうけやすい状態になっているのです。

 

その状態で多くの人に会っても、気を遣って疲弊して傷だらけになって、結局その後は部屋に閉じこもってエネルギー回復に時間を費やす、なんてことになりがちです。

 

動き出しは突然に

回復期には急に外に自転車で出て行ったり、趣味に関するイベントに遠出したり、一人旅をしようとしたり、ということが起こってきます。

でも本人が思っているほど回復していないので、力を使い果たして二〜三日部屋から出られなくなって。

でも、しばらくするとまた部屋から出てきて、またどこかに出かけるという、ちょっと行動範囲を広げるような外出を繰り返すようになります。

一旦狭めた活動範囲や人間関係を、こうやって少しずつまた、広げていくのです。

広げる過程で、現実検討をしたり、人との関わり方の新しいチャレンジをしたり、ということが繰り返されていきます。

決して言葉には出されませんし、本人には意識されていないのかも知れませんが

「俺まだやれるかな」

「くそーちょっと無理しすぎたな」

「意外とこれ大丈夫なんだ」

「やろうかやらまいか、、、えーいやったる!」

というように、その行動を後ろからじっと見ていると、迷いや決断の声が聞こえてくるかもしれません。

これが親や先生に連れて行かれたり、人に呼ばれて無理やり知らない誰かと会わされるのとは、全く意味が違うことじゃないかなと思います。

誰といつ会うかは本人が決める大事なこと

 

人と会うことは大切です。

 

月に一度でも、本人が心を開ける、安心できる人が家の外から中に入ってきていて、顔を見なくてもそこに居る、というのはありだと思います。

たまに外の風が入ってくるのは本当は大事なことです。

しかし、その風が痛くて出血するようなものなのかどうかは、本人にしか分かりません。

なのでその人に会うかどうかは、本人が決められるのが良いかと思います。

 

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