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不登校:仮想事例への対応

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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小5から不登校、いま中2。動き出せない今、何ができるか?

 

月に一度、スペース海の不登校チャンネルで新田恒夫先生と不登校についての対談をさせていただいています。

最近は、新田先生の仮想事例への対応についてあれこれ語っております。
以下の動画で話した内容を編集してブログに書かせていただきました。

見守ることの難しさと親の葛藤

小学校5年生から不登校が始まり、中学2年生になった今も学校に通えていない。そんな状況が続くと、親として「このままでいいのだろうか?」と不安になるのは当然のことです。

見守ることは簡単ではありません。特に、子どもが日中ほとんど動かず、スマホやゲームばかりしているように見えると、「このままでは社会に出られなくなるのでは?」と焦りや心配が募るものです。しかし、見守るという行為は、何もしないことではなく、子どものペースを尊重しながらも親としての愛情を注ぎ続ける、とてもエネルギーの必要な行動です。

あるお父さんは、「何か行動させようとすると、子どもが怒ってしまう」と悩んでいました。しかし、専門家から「まずは子どもの気持ちに寄り添うことが第一歩」とアドバイスを受け、子どもが好きな音楽やゲームについて話を聞く時間を増やしました。その結果、子どもは少しずつ自分の気持ちを話すようになり、親子の関係が改善されていきました。

子どもの「安心」を見つめる

長期間の不登校が続くと、まず確認したいのは、子どもが家で「安心」できているかどうかです。不登校の背景には、学校での人間関係、学業へのプレッシャー、体調不良などさまざまな要因が絡んでいます。子どもにとって、家が「安心できる場所」であることが、次の一歩を踏み出すための土台になります。

たとえば、あるお母さんは「子どもが一日中ゲームばかりしていて何も進展がない」と悩んでいました。しかし、子どもと話してみると、ゲームの中で友達とつながり、笑い合う時間があることがわかりました。外から見ると無駄に思える行動も、子どもにとっては心の回復を助ける大切な時間であることがあります。

また、別の事例では、子どもが動画視聴に夢中になっている様子に不安を抱いていた親がいました。しかし、子どもにとってその動画が新しい知識を得る手段となり、少しずつ興味のある分野が広がっていったのです。家で安心して過ごせているなら、それは親が頑張って作り上げた環境のおかげです。その安心感があってこそ、子どもは少しずつ自分のペースで未来に向き合えるようになります。

さらに、子どもが家でリラックスしている姿を見て、「何もしないことが子どもの成長を止めているのでは?」と不安になる親もいます。しかし、専門家によれば、家で安心感を得ていること自体が、子どもの心のエネルギーを回復させる重要なプロセスだと言われています。その安心感が、次の行動を起こすための土台となるのです。

半歩先を考える

「動き出してほしい」という親の願いはとても自然なことです。しかし、大きな変化を求めるよりも、「半歩先」を意識することが重要です。たとえば、以下のような小さなステップを試してみるのはいかがでしょうか?

  • 家の中での関わりを増やす
    一緒に簡単な料理を作ったり、家事を手伝ってもらったりすることで、子どもが「役に立っている」と感じられる場を作ります。たとえば、「お味噌汁の具を切るのを手伝ってほしい」と具体的に頼むと、子どもも動きやすくなります。
  • 短い外出を提案する
    近所のコンビニまでお菓子を買いに行く、家族で散歩するなど、外出のハードルを下げることがポイントです。あるご家庭では、最初は「一緒に公園まで行こう」と誘い、その後少しずつ距離を伸ばしていきました。また、子どもが興味を持つ場所に行く計画を立てるのも効果的です。「図書館で新しい本を探してみない?」や「ペットショップで動物を見に行こう」といった具体的な提案が、子どもを動かすきっかけになることがあります。
  • 好きな話題で会話を増やす
    子どもの好きなゲームやアニメの話題に耳を傾けることで、親子のコミュニケーションが深まります。「そのキャラクター、どんなところが好きなの?」と興味を示すことで、子どもが自分の世界を共有しやすくなります。

さらに、子どもが興味を持つ分野に関連するオンラインイベントやワークショップを提案するのも良いでしょう。「興味があること」を軸にすると、子どもが一歩を踏み出しやすくなります。

これらの行動は、子どもが「自分も大丈夫かもしれない」と思える小さな成功体験を積むきっかけになります。

外出のきっかけを作る工夫

外出が難しい場合でも、子どもが少しずつ外に興味を持てるような工夫が大切です。

たとえば、ある家庭では、子どもがペットを飼いたいと言い出したことをきっかけに、ペットショップや動物園に行く計画を立てました。その結果、子どもは「次はこの動物が見たい」と意欲を見せるようになり、外出の頻度が増えました。

また、親自身が楽しんでいる姿を見せることも効果的です。「近所に新しいカフェができたから行ってみたい」と親が楽しそうに話すことで、子どもも「じゃあ一緒に行ってみようかな」と思えることがあります。

小さな外出を繰り返す中で、子どもが「外の世界も悪くない」と感じられるようになることが目標です。そのためには、無理に引っ張り出すのではなく、子どものペースを尊重しながら進めることが重要です。

親自身のケアも大切に

長期間の不登校を見守る中で、親自身が疲れ切ってしまうことも少なくありません。親が元気でいることは、子どもの安心感にもつながります。以下のような方法で、自分自身をケアすることを意識してみてください。

  • 誰かに話を聞いてもらう
    信頼できる友人や、不登校支援の専門家に気持ちを話すことで、心が軽くなることがあります。
  • 自分の時間を作る
    趣味やリフレッシュできる時間を意識的に持つことで、親自身の心の余裕を取り戻せます。
  • 同じ立場の親とつながる
    不登校の子どもを持つ親同士で情報交換をすることで、「自分だけではない」と感じられることもあります。

たとえば、地域の親の会やオンラインのサポートグループを利用すると、共感や具体的なアドバイスを得られる機会が増えます。また、カウンセリングを通じて専門的な支援を受けるのも効果的です。

さらに、親が積極的に自分のケアを行うことで、子どもにも「自分を大切にする姿勢」を伝えることができます。たとえば、「今日は少し散歩してリフレッシュしてきたよ」と子どもに話すことで、子どもも自分自身のケアを考えるきっかけになるかもしれません。

おわりに

不登校は、親子にとって試練のように感じられる時間かもしれません。しかし、その時間の中には、親子が新しい形でつながりを築くチャンスもあります。焦らず、少しずつ、できることから始めていきましょう。

子どもの成長には、時間が必要です。そして、親が見守りながら自分自身を大切にすることで、その時間がより実りあるものになるはずです。

親子で新たな一歩を踏み出すために、できることを一緒に探していきましょう。

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