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「評価に振り回されない生き方」―完璧主義とSNS時代の心の守り方

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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他者理解のために「基本方針」を考える

誰かを理解しようとするとき、その人がどんな「基本方針」を持っているのかを考えるようにしています。
たとえば「負けず嫌いな人」と「勝ち負けにこだわらない人」というようなタイプ分けです。

この区別をすると、たとえば負けず嫌いな人の場合は、そこから「完璧主義」につながっていくことがあります。
「完璧にやらなければならない」という意識が強く、なかなか物事に取り掛かれず悩んでしまう人も多いでしょう。

作品がいつまでも完成しない、人前で話すのが怖い――。社交不安の背景にも、この完璧主義が関わっている場合があります。
「人からどう思われるかわからない」「もっと完成度を上げなければ」と考えすぎてしまい、結局行動できなくなるのです。

完璧主義の裏にある「傷つきへの敏感さ」

こうした不安や完璧主義の裏には、「誰かに負けたくない」という気持ちや、傷つきに対する敏感さがあります。
そのために身なりを整えたり、勉強を頑張ったり、筋肉を鍛えたり、高収入の仕事に就こうとしたり――。
「他者に認められるための行動」に走ることもあります。

逆に、勝ち負けにこだわらない人はどうでしょうか。
彼らは周囲の評価をあまり気にしていないのかもしれません。
むしろ「自分の楽しさ」や「表現したい衝動」に従って生きているように見えます。

評価社会が生きづらさを加速させる

自分らしく生きることを考えるとき、「周りにどう思われるか」を気にしすぎると、表現することが難しくなります。
万人に認められようとすれば、自分の人生ではなくなってしまうのです。

本来なら「自分に集中して生きること」が大事ですが、現代は「評価が可視化された社会」になっています。
岡田斗司夫さんが「評価経済社会」と呼ぶように、SNSやレビューサイトによって他者の評価が日常的に目に入るようになりました。

そのため、以前なら一部の意識の高い人が気にしていたことを、今では普通の人まで気にせざるを得ない状況になっています。
評価が数値化され、誰もが互いをジャッジし合う世界。これが強い生きづらさにつながっているのです。

SNSにおける「善意」と「悪意」の偏り

SNSやレビューサイトにはバイアスがあります。
本来、人は「良かった」「満足した」という体験をしても、わざわざ書き込むことは少ないのです。満足していれば、それ以上表現する必要がないからです。

一方で、嫌な思いをしたり不満を感じたりすると、その気持ちを解消するために低評価を投稿しやすくなります。
そのため、潜在的には星4や星5の評価が多くあったとしても、実際に目に入るのは星1や星2の強い否定的な評価ばかりになりがちです。

さらに、良い体験をシェアした人がバズると、今度はそれを見た人の中に「自分と比べて苦しくなる人」も現れます。
その人たちがネガティブなコメントを返すことで、せっかくのポジティブな投稿が攻撃対象になってしまうこともあります。

結果として、人々は「よかったこと」を発信しづらくなり、悪意や不満が目立つ世界になっているのです。

「評価にさらされる社会」が生む不安

こうして悪意が可視化されやすい世界に生きていると、私たちは「人にどう思われるか」を過剰に意識してしまいます。
「世の中は厳しい」「ちょっとでも失敗したら叩かれる」と考えるようになり、生きづらさが増していきます。

昔は他人の収入や生活の詳細など、知りようがないことがたくさんありました。
しかし今では調べればすぐにわかってしまいます。
誰がどんな服を着ているか、どの店がどんな経営をしているか、減価率はいくらかさえある程度は可視化されてしまう――。

こうした「可視化されすぎる世界」で、人々はお互いを評価し合い、その中で安心して生きることが難しくなってきています。

生きやすさを求めて

評価社会の中では、少しでも有利なポジションを取ろうとする行動が加速します。
子どもの教育や学歴、わかりやすい能力の指標にお金を投じることもその一例です。
こうした需要を見越して、多くのビジネスが生まれているのも現代的な特徴です。

だからこそ、「他者の評価に振り回されずに生きる力」が必要です。
それは、自分の生き方や喜びを大事にすること。
ありのままでいられる関係をつくること。
自分だけの大切な時間や活動を、意識的に育んでいくこと。

そうした営みが、評価社会の中で生き延びる支えになっていくのです。

自分だけの大切なものを育む

評価社会の中で生きる私たちにとって大切なのは、**「自分にしかわからない、自分だけの大切なもの」**を持つことです。
それは、たとえ誰にも理解されなくても大事にしたいもの。

たとえば、歌や絵、ものづくりといった創作活動。
信頼できる人間関係や、安心できる小さなコミュニティ。
あるいは、家族を大事にする時間でもいいでしょう。

「ここだけは譲れない」「ここに自分の根っこがある」――そんな感覚を持つことが、評価にさらされやすい時代において、自分を守る力になります。

孤独とコミュニティ

インターネットやSNSは世界を広げましたが、同時に孤独も深めました。
だからこそ、「ここは安心できる」「ここでなら自分らしく生きられる」と感じられる少人数の関係がますます重要になっています。

ただし、そのような関係やコミュニティがないと、孤独感が一層強まりやすいのも事実です。
家族や所属するコミュニティの中でしっくりこないと、「自分には居場所がない」という苦しさが大きくなります。

現代社会における生きづらさの背景には、この「孤独」と「つながりの希薄さ」があるといえるでしょう。

SNSに流されずに取り組むための工夫

人間は暇になると、ついSNSや動画を見てしまいます。
短時間で手軽に楽しめるものは、取りかかりやすいからです。
しかし気がつけば何時間も経っていて、「映画を一本観たほうがよかった」と後悔することもあります。

そこで役立つのが、「暇になったらやることリスト」をあらかじめ用意しておくことです。

  1. 暇なときに取り組みたいことを3つ書き出す

  2. それを目に見えるところに置いておく

  3. 5回に1回でも、その中の一つを実行してみる

これだけで、SNSや承認欲求に流されず、自分の本当に大事なことに時間を使える可能性が広がります。

まとめ

現代社会は「評価」に覆われています。
悪意や不満が可視化されやすい世界の中で、私たちは生きづらさを感じやすくなっています。

だからこそ必要なのは、

  • 他者の目線に振り回されすぎないこと

  • 自分だけの大切なものを育むこと

  • 安心できる少人数のつながりを持つこと

  • SNSに流されず、自分の時間を守る工夫をすること

こうした小さな実践が、私たちの生活を少しずつ生きやすくしていくはずです。

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