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アドバイスは難しい その1「正したい反射に気をつけて!」

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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アドバイスは難しい

誰かに相談をして「そんなことわかってるけどできないよ」と言うようなつまらないアドバイスを受けてがっかりした事は無いでしょうか?

また逆に、誰かの相談を聞いているうちに、なんだか胸がモヤモヤしたり、イライラしてきて、 しょーもないアドバイスをしてしまい、相手をがっかりさせたり、不機嫌にさせてしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

カウンセリングでは「傾聴」が基本であるとされますが、そのためには「安易なアドバイスはしない」でいられることが必要です。

しかし、ある程度訓練を受けた方でも、 アドバイスをしないでいることは、 なかなか難しい場合もあります。

 

傾聴について詳しく知りたい方は以下のリンクへ。

傾聴についての考え方

 

正したい反射

なぜアドバイスをしないでいるのか難しいかというと、人間には「正したい反射」と言うものがあります。 誰かと一緒に仕事をしていて、誰かのちょっとした間違いについて「それ違ってるよ」「こうしたらいいよ」といちいちあれこれ口出ししたくなることはありませんか?

また、誰かとお話をしていて、相手の言い間違いや知識の間違いを発見して「それ違ってますよ」 訂正したくなりますよね。

言っている方は、善意で言っているつもりの場合が多いですし、間違いを正しい方向に直してあげた、という満足感があるものです。

しかし、言われた人にとっては「いちいちうるさいなぁ」 と感じるのが普通ですし、 逆に、訂正してきた相手の落ち度や悪いところを必死に探して「あなただってこんな間違いをしているじゃないか」とやり返そうとするかもしれません。

こういった光景を、SNS リプライやコメントの画面で目にする機会も多いのではないでしょうか。

例えば楽しい気持ちであげた着物写真に「やれあれが間違ってるこれが間違ってる」と指摘したりというのは無粋の極みですし、 相手を怒らせて当然なのですが、指摘した方にしても「どうしてもこの間違いが許せない」という気持ちになって繰り返し指摘される、ということも起こったりします。こういうのを「○○警察」と言われることもありますよね。

通常の人間関係では「こいつうざいなぁ」と思いつつも、業務上の訂正の必要があったり、それ以外の付き合いもあるので「指摘してくれてありがとう」という態度で流すのが普通のことかもしれませんが、 SNS上では、 指摘するされる以外の人間関係が存在しないので、即感情のぶつけ合い、然るのち炎上という形になりやすいのでしょう。

正したい反射と動機づけ面接について

https://www.ncc.go.jp/jp/icc/cancer-info/project/kinen-nurse/behavsci3.html

 

自分の中に起こった葛藤を誰が解消するのか?

正したい反射について、この反射が強い人と弱い人が存在するようにと思っております。

これは、自分の葛藤を、誰に解消させるのか?と言う話で考えると、わかりやすいような気がします。

人の心の中に、葛藤が生まれた時、それを解消しようとするのが、人間の行動の元となる動機なのですが、これが内側に向いて自分をコントロールしようとする人と、外側に向いて他者や環境をコントロールしようとする人に分かれるのではないかと思っています。

何か嫌なことが起こったり、嫌な気持ちになったときに、自分をコントロールしようとする人は、自分の中に起こった気持ちを押し殺し、その気持ちが無かったように振る舞ったり、起こったことを良いほうに考えようとしたり、執着しないように手放せるように努力をしたり、そんな風に自分の心をコントロールして、なんとか気持ちの置き所を探そうと努力します。

逆に、何か嫌ことが起こったり、嫌な気持ちになったときに、他者や環境をコントロールしようとする人は、自分の中に起こった気持ちを他人に承認してもらおうとしたり、 自分が嫌な気持ちにならないように状況をコントロールしようとしたり、 何らかの形の働きかけを 自分の外側に行います。

先ほど説明したように、誰かが間違っているように見えたとき、 自分が相手の間違いに気づいたとき、多くの人のには正したい反射が起こります。

誰かが、自分からしたら間違っていることを言っているときに、モヤモヤした気持ちになることがありますよね。これは正したい反射が起こっているのに、それを正せないときに起こってくる葛藤です。

つまり、相手のミスを指摘したり、直させようとする事は、相手をコントロールして、自分の心の中に沸いた、モヤモヤ、葛藤を解消しようと試みていると考えても良いのではないでしょうか。

葛藤の解消の仕方が、自分の内側でコントロールしようとする人は、この反射に乗って、相手を正そうとはせずに、相手が自分で間違いに気づいたり、気づくのも待ったり、相手に嫌な思いをせずに、気づかせる方法を考えてから、注意深く提言したり、重要度の低いものであればスルーする、という対応をするのではないでしょうか。

逆に、葛藤の解消の仕方が、外側に向いており、他者をコントロールしようとする人は、ノータイムで訂正したり、指示したり、何らかの介入を行うことが多いでしょう。

そしてその訂正が受け入れられなかったり、言い返された時には、自分の中の葛藤がより大きくなってしまいまので、さらに強く相手をコントロールしようと、声を大きくしたり理詰めで責めたり、場合によっては手を上げるなんてこともあるかもしれません。

これはどちらが良いのかという話ではなく、 無理して気持ちを押し殺し続けたり、自分の気持ちをなかったようにして扱うと、心が疲弊して、自信がなくなり、自分のことよりも他者を優先するという悪循環がひどくなったり、自分自身が自由に振る舞うことができなくなってしまうこともあります。

逆に周りをコントロールして解消しようとしすぎれば、 対人関係上のトラブルが起こったり、身近な大事な人の心を押し殺させてしまったり、自分では正しいことを言ってるはずなのに、なぜか周りから承認されず、余計に自分の考えに固執する、周りをコントロールしようとして、どんどん孤独になっていく ということも起こり得るかと思います。

人は、関係のあり方によって、自分の行動や相互関係の持ち方が変化します。

例えば、会社では、優しい上司が、家庭では、家族に対して強いコントロールをしようとすることもありますし、SNS上だけあちこちで相手をコントロールしようと奮闘していることもあるかもしれません。

当たり前と思って訂正していることが、なんだか家族の雰囲気を悪くしたり、人から阻害されたりということにつながることもあります。

理屈を理解していれば、やらなくて済んだはずの大して重要ではない訂正が、身近な誰かを傷つけたり、あるいは対人関係のもつれの原因になったりすることに気づけるのではないでしょうか。

相談の場面において

相談を受けている時も、当然のこのとながら、この正したい反射が起こります。

「お酒をやめたいんだけど、止められないです」と言っている人に「辞めたいんだったらやめればいいじゃないですか」と普通に答えてしまう。

「 子供に厳しく言い聞かせようとしているのだけど、全く言うことを聞かない」という相談に対して「愛情不足なんじゃないですか?」と一言で切り捨てる。

こんなやりとりは、相談としては下の下なのですが、もう少し複雑な状況でも正したい反射は起こってきます。

相談に来た方の言っていることに、矛盾を発見した時、相談に来た方のやっていることが、自分の価値観に反している時、「こうすればいいのに、なぜこの人はやらないんだ」と言うように、自分の方が相談に来た方よりも、相手のことをわかっている、と勘違いした時。いろんな場面でこういった正したい反射は起こってきます。

つまり、相談を受けているときに、アドバイスをしたくなってしまっているときは、この正したい反射に乗っかってしまっている時がほとんどと考えれば良いかと思います。

一旦葛藤を受け止めて自分を理解する

大切なのは、自分の心に何か強い衝動や感情が起こった時、衝動に乗っからずに一旦動きを止めてその気持ちを持ち帰り、自分がどんな葛藤を抱えているのかを意識すること、自分が繰り返しはまってしまっている 自分の落ち込み方のパターンや、対人関係上の悪循環を認識することです。

もちろんそんな事はなかなか1人ではできないので、自分の信頼する誰かと相談したり、例えばカウンセリングを受けることも重要かと思います。

もちろん、上記のように相談した相手がいきなり「正したい反射」で対応してきた場合には「相談する相手を間違えた」ということですので、早めに話を切り上げてその場を立ち去るのが良いかと思います。(相談のし損だと感じた時には、早めの損切りが必要です)

僕自身がカウンセリングで話を聞く時には、そういった葛藤であったり悪循環を整理することで、少しずついつもと違った行動を選べるように、目的を決めて取り組むということをやっております。

関心のある方は以下のリンクをご覧ください。

オンラインカウンセリング

そうは言っても、専門職としては助言を明確に求められているときに、それを無視して話だけ聞いている訳にはいきません。

特にスクールカウンセリングでは、教師に対するコンサルテーションや保護者への子ども対応についての助言は必須の業務となります。

次回は、助言が役に立つ条件と、具体的な助言の仕方についてご説明できたらと思います。

 

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