かけい臨床心理相談室

【公認心理師資格試験対策講座】3「医療でも被災地支援でも不登校支援でも押さえておきたい連携の基礎」

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士  カウンセラーっぽくないカウンセラーと言われることが多い チェブラーシカに似ていると言われることがある 似ていないと言われることもある 時間空間的なおっちょこちょいである
詳しいプロフィールはこちら

公認心理師試験対策Ⅰー公認心理師の職責 ②多職種連携及び地域連携 Ⅰ|多職種連携  Ⅱ|地域連携 Ⅲ|チーム医療 Ⅳ|連携の共通言語としての心理的アセスメント

②多職種連携及び地域連携「はじめに」 Ⅰー公認心理師の職責 「抱え込み禁止と丸投げ禁止、そういうのは連携ちゃうで〜」 の続き

他職種連携から多職種連携へ

どうやら公認心理師では、他職種連携でなく、多職種連携というようです。

これも、いろんな職種で一緒にやってくんだよ!っていう主張が感じられます。

 

図を見てみると、目の前の人が困っていることが、生物学的に由来するものなのか、心理的に由来するものなのか、社会的なものに由来するかで、僕らが出来ることは変わってきますし、多くの場合はその3つが重なったところにその人の生活や困りごとがあるものなんです。

そういうこともあって、多職種が、それぞれの立場から専門性を活かして連携することが必要なのですが、それぞれの職種の共通認識がなければ、上手い連携をすることが出来ません。

公認心理師って資格は、いろんな職種や専門性を持った人が、心理的な支援を必要としている人に連携して関わるための共通言語と共通認識を作る、いわばハブ資格なのかもしれないと感じました。

発達的視座に立った生物心理社会モデル

今までは生物心理社会モデルといって上のような図をつかってきたのだけれど。

これからの連携を考えるならこんなイメージのほうがいいのではないかと

 

これは、精神症状であったり、本人の訴えを聞いた時に、まずはそのしんどさの理由が生物的な、器質的な身体的所見に今の困りごとの原因がないか?そうしないと、例えば脳の萎縮による意欲の低下や物忘れを、うつ症状としてとってしまうなんてことが起こりえます。なので、常に頭の何処かに器質的なものが関与している可能性を考えるのが、要求されていて、その次に心因、最後に環境との相互作用である環境因について考えるんだ!なんて教わっていました。

病院に居た頃に院長に「この患者さん、オーガニックの方はどう思うの?」って聞かれて「え?あの、有機野菜みたいな?」って答えて頭を抱えられたのを思い出します。

それからは、幻覚があったりうつ的な要素があっても、まずは身体的な所見を見てみるという癖がついた気がします。

 

そういったことが前提にあった上での話なのですが、人の発達、成長や、傷ついた人が回復していく過程というのは、必ず(?)上記の図のような過程を通って行くのではないでしょうか?

そして更に言えば、人が社会的な行為や関わりをしている場面でも、常にそこには心理的な動きも、生物学的な動きも同時に存在しているということです。

被災地でも生物心理社会モデルで活動していく

東北の被災地での話になりますが、僕は最初は食料などの物資を配ったり、地図を作ったり、街を歩いて仕入れた情報を、ボランティアセンターの他のチームに流して、炊き出しや医療や移送、泥かきといった専門チームが動くための血液として流し続けていました。

僕がそこに入った時に活動していた臨床心理士さんは、看護師さんとペアを組んで避難所をまわり、臨床動作法というリラックス技法を使って、被災状態で緊張した被災者の方々の身体を緩めつつ、暖めつつ、そしてそういった行動が可能になるように、避難所を運営している他府県から来た市職員との関係を築き上げることも忘れていませんでした。

僕は介護士さんや、依存症からリカバリーしたスタッフたちと一緒に最初は物資を配っていたのですが、徐々に子どものことについての相談が増え、最終的には南三陸町でコミュニティーカフェを運営することになるのですが。

まずはどんな時でも、その人の身体性、そして生活というところに気を配らなければなりません。

心理職以外の多職種の持つ、身体や生活、社会を見つめる視点

一緒にいろんな家を訪問した介護士さんは、その家に何が足りないのか、その人の生活に何が足りないのか?というところに常に目を配っていました。二人で活動することで、僕はその人の目線を借りながら、活動することができたんです。

そうやって生活を見ながら物資を配り、少しずつ関係性が出来てきたところで、やっと今の困り事やつらい気持ちや体験について話をしてくれるんです。

もちろん治療契約なんて無いし、主訴なんて確認しないし、そもそも僕がカウンセラーだなんてことはその人は知らないんです。

カウンセリングということではなく、ただただ当たり前のそこにいる隣人として、話を聞くことしか出来ないんです。

回復の過程で社会とつながっていく

でも次の月に様子を見に伺ってみたりすると、その人はボランティアに来た人たちの世話をしていたり、もともとの自分のコミュニティーに復帰していたり、もう一度社会とつながって、自分の役割を見出しているものなんです。

コミュニティーカフェをしていた時も、ダーって胸の中にあるものが言葉になって溢れ出ているのをただ聞くだけで居たんですが、そうやって話をした人が次に来るときには、誰か友達を連れて来て、その人達同士でおしゃべりをしたり、そこで昔の同級生に再会したりと、誰かとの繋がりの中で、回復したり、自分のいる場所を取り戻していく、そんな場面を何度も目にしました。

 

もっと言えば不登校支援だって、変わらないと思うんです。

 

すごく単純化してしまえば、身体の不調を訴えていた子どもが、少しずつ自分の中にある苦しさや分かってもらえなさを語れるようになり、自分自身で誰かに対しての行動の選択ができるようになり、もう一度社会とつながっていく力を取り戻していく、そういう生物心理社会への進捗的かつ同時的なプロセスへの寄り添いや、そのプロセスがちゃんと進むための環境調整が僕らの仕事であるはずです。

なーんつってちょっと熱くなってしまいましたが、こういった前提を持って多職種で連携していきましょう!ってのが公認心理師の考え方なんです。

この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士  カウンセラーっぽくないカウンセラーと言われることが多い チェブラーシカに似ていると言われることがある 似ていないと言われることもある 時間空間的なおっちょこちょいである
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© スクールカウンセリング研究所 , 2018 All Rights Reserved.