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不登校とゲームの関係をどう捉えるか 〜関わり方の質に注目する〜

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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はじめに

不登校の子どもが長時間ゲームに没頭している姿を前に、保護者が不安を募らせるのは自然な反応です。
「このままで将来大丈夫なのか」「依存にならないか」という懸念は、多くの家庭で共通しています。

本稿では、ゲーム行動をどのように理解し、支援的に関わるかについて整理します。

「承認」のあり方:受動と主体の違い

子どもがゲームを望んだときに、しぶしぶ許可を出すのは「受動的承認」にあたります。これは表面的な受け入れに留まり、保護者自身にフラストレーションを残すことも少なくありません。

一方「主体的承認」とは、子どもの選択に価値を認め、積極的に意味づける関わりです。

「学校に行っていなくても、自分の時間を楽しむことは大切だよね」
と声をかけることで、保護者と子ども双方が安心できる関係性を築きやすくなります。

ゲーム時間の調整:現実的な再設定

無制限にゲームを許可すると生活リズムが崩れやすい一方で、厳格な禁止は関係性の悪化を招きます。

実践的には、既存のルールを現状に合わせて緩和・再設定することが有効です。

例:

  • 「1日2時間」などの時間制限
  • 「午前中は自由にOK」などの時間帯指定
  • 「登校時間帯は控える」などの現実的ルール

重要なのは、子どもと合意形成を図りつつ、合わなければ柔軟に見直すことです。


「せっかく」と「ただでさえ」の視点

不登校期の過ごし方は、大人の framing(枠づけ)に左右されます。

  • 「せっかく学校に行っていないのだから」:新しい体験や活動を探す機会と捉える。
  • 「ただでさえ学校に行っていないのだから」:不足や欠落を補填しようと焦る視点。

前者は可能性を広げ、後者は子どもの自己評価を下げやすい傾向にあります。

ゲームの心理的機能

支援の現場で理解しておきたいのは、ゲームが単なる娯楽にとどまらず、

  • 安心感の獲得
  • 自己コントロールの実感
  • 外界との一時的遮断による回復

といった心理的役割を果たしている場合があるという点です。

保護者が「現実逃避」とみなす行動も、実際には自己調整の手段になっている可能性があります。

支援者への示唆

ゲームをめぐる支援で大切なのは、

  1. 「ゲームを許す・禁止する」という二分法を超えて、関わり方の質に焦点を当てること。
  2. 子どもが「自分の時間を自分で選べる」と感じられるような環境づくりを意識すること。
  3. 保護者の不安や葛藤を受け止めつつ、「主体的承認」へとシフトできるよう伴走すること。

声かけの中に「あなたには価値がある」
というメッセージが日常に織り込まれていくことが、次の一歩を支える力になります。

おわりに

不登校とゲームの関係を考える際、問題は「時間の多寡」ではなく、その関わりが子どもの成長にどう寄与しているかです。
支援者は「安心」「主体性」「関係性」の3つの観点から、保護者と共に調整を重ねていく必要があるでしょう。

 

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