「はじめてまなぶ行動療法」を読む 第1章その1
三田村仰著「はじめてまなぶ行動療法」という本を知っていますか?金剛出版のHP
僕自身は認知行動療法って、どうも小難しくて生真面目なイメージがあって、遠くから見ているようなイメージだったのですが、最近、立て続けに認知行動療法を実践されている先生方のワークショップや研修に参加させていただいて、これまで抱いていた認知行動療法の硬そうなイメージが解けたというか。
「これ応用無限大だし、どんな心理療法使ってたとしても知ってるだけでめちゃ得じゃん!」
と感じ、勉強してみることにしました。
どこから勉強したらいいのかわからんな~と思っていたのですが・・・
今年の本できっと誰もが紹介するだろうと思ってしなかった「はじめてまなぶ行動療法」だけど,これはCBT系の介入に興味がある人すべてに読んでもらいたい本で,対人援助職全般にもぜひ読んでもらいたい。https://t.co/hF6BxYf8KN
— モエゾウ(もえぞう) (@moe_zou) December 29, 2017
『はじめてまなぶ行動療法』読了、原理から技法までやさしく説かれていて良書でした。 中立的な科学から、人生における価値を重視する流れ、愛や勇気を説くところなど、アドラー心理学に近づいているというのが率直な印象でした。 https://t.co/7oPVqyaA4G
— 深沢孝之 (@adosennin) August 19, 2019
これは本当にスゴイ本だ!「はじめて学ぶ・・」というタイトルと可愛い表紙にダマされてはいけない。臨床行動分析(機能的文脈主義)が包括的に理解できるスケールの大きさと痒いところに手が届くような丁寧で親しみやすい説明を兼ね備えた稀有な名著。用語集もありがたい。来年授業受けたい。 pic.twitter.com/bPQKogME05
— 斎藤清二 (@SaitoSeiji) December 2, 2017
といったTwitter上の情報と、かわいい表紙を見て、さらに楽しかったCBTキャンプという研修会でもお勧めされ、著者の三田村先生の若く賢く優しげな雰囲気に触れ「これやな!」と思い、即購入しようと思っていたら仲のいい先生の部屋の本棚で発見、読んでたら「僕なぜか二冊持ってるし貸してあげるよ」という言葉を聞き借りてしまいました。(きっとkindol版を買います!)
途中まで付箋を貼りながら読んだところで、「これは僕と同じように認知行動療法にとっつきづらさを感じている人や、専門出ない人向けに、ちゃんと紹介しながら勉強したい」と思って記事を書いてみようかと思いました。
というわけで関心のある方、お勉強に付き合っていただけたらと思います。
第1章行動療法の全体像をつかもう!
どうやらこの本に書かれているのは、行動療法の中でも応用臨床行動分析というもののようです。
認知行動療法は、実証データを重視する心理療法の流れを作り出したのはご存じのとおりですが、この本によると、どうやら認知行動的アプローチの中には「要素的実在主義の系譜」と「文脈主義の系譜」という二つの流れがあるようです。
一般的にイメージされる行動療法、つまり僕がなんとなく硬い感じがしていた行動療法は、「要素的実在主義」における第1世代の行動療法であって、この本に書かれている臨床行動分析は「文脈主義」で、しかも第3世代の行動療法のようです。
要素的実在主義
要素的実在主義の系譜の第1世代はアイゼンクやウオルピといった方々の、レスポンデント条件付けやオペラント条件付けの原理が含まれた学習理論を利用した神経症のクライエントに対する行動療法でした。
じゃあ第2世代は何かっていうと、ベックさんの認知療法やエリスさんの論理療法といった、人々の認知を扱う認知療法と行動療法を合体させた認知行動療法ということになるようです。
実証データーを大事にして、介入をパッケージ化したこの認知行動療法は、エビデンスのある(つまり効果があることが確認されている、ってことは逆に言えばほかの心理療法は効果が確認されてないよ、という話に取られがち?)心理療法として、幅を利かしてきたんだけど、認知療法を使わなくてもうつが良くなるといったデーターみたいのも出てきて、また、良くないものを取り除いたり心のコントロールを目指すっていう発想にも限界が見えてきたところで、第3世代、つまりしんどいことや苦しみを、なんとあるがままに受け入れるという新しい発想を持った「マインドフルネス認知療法」が効果を上げてくるという歴史があったようです。
ここまでがこの本に書いてないもう一方の行動療法の流れの説明。
文脈主義
もう一つの文脈主義と呼ばれる方は、ちょっと毛色が違っていて、まずはアメリカで発展したというところかもしれない
スキナーの行動分析学がそのもとになっているようだけど、そこから応用行動分析(ABA)が出てきて、ちょっと違うかもしれないけど、つまり人が治療によって変わることを目指すんじゃなくて「結局は人は環境との相互作用の中で生きているわけだから、重度の障害自体が無くならなくても環境を調整していくことでもっと生活しやすくなるよね!」というバリアフリー的発想があったみたい。
で、どちらかといえば会話が難しい重度の障害児や障害者を対象に介入を行ってきたのだけど、10章で扱う「関係フレーム理論」の登場で、応用臨床行動分析として会話するセラピーとして確立されてきたということでした。
応用臨床行動分析
応用臨床行動分析には、第11章で扱われるACT、第12章で語られる弁証法的行動療法、第8章の行動活性化、第13章、14章の機能分析心理療法などが含まれているようです。
聞いたことあるようなないような名前ばかりです。聞いたことがないものに触れるときはちょっと身構えてしまうものですが、知らないという事は、きっと新しい何かをもたらしてくれる、という風に考えて期待しましょう。
こういった新しい世代の行動療法は、第3の行動療法や第3の波、文脈的認知行動療法などとも呼ばれているようです。
新しい世代の特徴としては
1)文脈と機能を重視
2)症状の治療だけではなくクライエントの人として生きる機能を高める
3)理論や技法をセラピスト側にも向ける
4)これまでの行動療法や認知行動療法の延長に位置づけられる
5)人間の抱える価値や自己といったテーマも積極的に扱う
ということでしたが、これは文脈主義時代の系譜の特徴でもあるようです。
4)は置いといて、僕の持っていた認知行動療法への偏見というのは、こういった特徴がないかのようにとらえていたこと。
つまり木や森の生態系全体ではなく、悪い木や枝を見つけてヘリコプターから人がダイブして、とりあえず悪い木を切り倒して、新しい木を植えていくみたいなイメージが(変なたとえ??)あったのですが、全然ちゃうんやと。
森がそこにある価値や森にすむ獣や鳥たちのことをちゃんと考えて、徒歩で森を歩き回って適切な種々のスケールを持って、森の声に耳を傾けて状況を把握していこうとする感じなのかな?(また変なたとえ!?)とか思いました。
少しずつ学んでいけたらと思います。
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