かけい臨床心理相談室

【考えていること】【不登校】読んだことあることを忘れていてもなんだか残っていることに気づく幸せ

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臨床心理士  カウンセラーっぽくないカウンセラーと言われることが多い チェブラーシカに似ていると言われることがある 似ていないと言われることもある 時間空間的なおっちょこちょいである
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読んだことあるのを忘れて読む・・・

「不登校の心理臨床の基本的視点」とう田鳶誠一先生の臨床心理学という雑誌に掲載された記事を読んでいろいろ思うことがありました。

先週読んだ不登校の論文の重要な参考文献として挙げられていたのでというのが主な理由でした。

その記事では不登校対応の基本的方針として

①誰かが本人と非侵入的なつながりを持って維持すること

②本人の周囲との関係性と、活動範囲を広げること

③本人の主体的自助努力を引き出し、試行錯誤の中でその精度を上げるための支援をすること

とされており、書いてあることについて「まったくその通り!」そして「もう十数年前に掛かれていた記事なのか~!」とか思っていましたが、支援者の態度として「節度ある押し付けがまさ」というのを見てピンときました。

 

「この記事読んだことある!」と・・・。

 

(うちの父親は、映画観終わってから呆然とした顔で「これ見たことあるわ」と昔言っていたことがあって、「そんなことある?」と思っていたら、僕も終わり際に「見たことある!」と気づくことがあります。)

知らないうちに刷り込まれている

この記事が載っている雑誌は2005年に刊行されたもので、当時は精神科にいて、スクールカウンセリングはしていなかったのだけど、現場は違いつつも「なるほど!」と思うような非常に印象に残っている記事でした。

で、今現在自分のやっている基本のやり方は、すべてこの記事に書いてあったというか、全然このレベルまでは到達できていないですが、やろうとしていることや基本的な方針はぴたりとくる感じなんです。

「節度ある押し付けがまさ」っていう言葉がバーンと心に残っていて、これを常に心がけていたつもりだったんですが、これは言い方を変えれば「逃げ場を作りつつ関わり続ける」になりますよね。

これなんかは今の僕自身の言葉で言えば「やらなくていい状況を作ったうえで、何を選択するのか見守る態度」というものととても近いものと感じます。

(TEDxNagoyaU2017での「Uターン作戦」はまさにこの考えです)

僕の場合は不登校の子は「本当にやりたい」のか「やらないと」なのか、自分でもわからなくなってしまっているんですよね。

なのでやりたくなくても周りの雰囲気を読んでやってしまうし、そのことで周りの人間も分からなくなってしまう、という悪循環が起こりやすいので、それを封じて「子供自身が選ぶこと」ができるようにということなんですが、実際にやることは「逃げ場を作りつつ関わり続ける」なんです。

「〇〇をしないでも元気」は「学校に行かないでも元気を目指す」でもあるし。

学校と家庭がお互いに原因を擦り付け続けようとするので、原因探しはせずに未来志向とか。

常勤のスクールカウンセラーをやるようになってやり始めた、自分で関わるが中心ではなく、家族や担任らとのつながりを強化しながら、さらに外側からエンパワメントしていく態度も、希望を引き出す「なんとかなるものだ」という姿勢も、子どもの活動の範囲や種類を観察することで今の状態を適切にアセスメントしていく態度も、全部そこに書かれていたんです。

その時は出来なくても、学びは残っているはず

つまり、自分の不登校をめぐる活動は、一歩もこの論文の外には出ておらず、しかも十年の時を超えて、ただひたすらここに書いてある通りにやってるみたいで、ビックリしました。

全部とっくの昔に、とてもとても洗練された感じで教えてもらったことだったのかと。

もちろん実戦や経験の中で少しずつできるようになってきて、いろいろ自分で考えて、いろいろな技法を学ぶ中でこのやり方にたどり着いたつもりでいたのですが、もうすでに田鳶先生の引いてくれていた青図面が頭の中に入っていたのだなあと、しみじみと感じました。

だからやっぱり、勉強したことというのは、その時に使えなかったとしても無意識の中にちゃんと保存されていて、自分の経験や考える体験を積み上げたところで、ふと湧き出してくるものなのだなと思いました。

自分の中にあるそういったリソースが、どこから来たもので、どんな風に今自分の中で存在しているのかを探すことも、これからの自分にとって、誰かに何かを教える前には必要不可欠なことですし、ほんまやってかないとやばいことだなと思っています。

新しい論文を読みつつ、自分の今まで読んできたテキストを振り返るということを、やるしかないですね。

とにかく勉強する一年にしたいです。

 

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