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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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保護者面談を相互コンサルテーションに持っていくための方法

保護者面談を「相談を受ける場」ではなく、「お互いに情報を交換しながら協力して考える場(相互コンサルテーション)」にするためには、いくつかの工夫が必要です。以下に、具体的なアプローチを紹介します。


1. 面談前の準備:仮説を持って臨む

ただ単に「お話を聞かせてください」という姿勢では、保護者が何をどこまで話せばよいのか分からず、受け身のまま終わってしまうことがあります。そのため、面談前に以下の点を整理しておくことが重要です。

  • 現時点で得られている情報を整理する
    → 学校の先生からの情報、子どもの観察記録、過去の面談履歴などをもとに「今、どんな困りごとがありそうか?」という仮説を立てる。
  • 保護者の視点を想像する
    → 例えば、「学校に来ること自体に心理的・時間的負担を感じているのでは?」「これまでの対応に不安を抱えているのでは?」といった仮説を持つ。
  • 情報を整理し、質問を準備する
    → 具体的な質問を準備し、「何を確認したいのか」を明確にする。

2. 面談の導入:感謝とねぎらいを伝える

保護者との対話をスムーズに進めるためには、面談の導入が大切です。特に、保護者が学校に来ること自体に負担を感じている場合、それを理解し感謝を伝えることで、関係性がスムーズになります。

  • 「お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。」
  • 「ご家庭でも色々と考えてこられたことがあると思います。」
  • 「私たちもできる限りお子さんを支えたいと思っていますので、今日はぜひ一緒に考えられたらと思います。」

このような言葉を伝えることで、「相談される側」ではなく「共に考えるパートナー」というスタンスを示すことができます。


3. 面談中:相互コンサルテーションのスタンスを確立する

① 保護者を“専門家”として扱う
「お母さん(お父さん)が一番お子さんのことを分かっているはずです」という前提を大切にし、保護者から学ぶ姿勢を示します。

例:

  • 「学校で見えている姿と、ご家庭での様子に違いがあるかもしれませんね。どんなことに気づかれていますか?」
  • 「先生方からはこういうお話がありましたが、ご家庭ではどう感じられますか?」
  • 「今、一番ご家庭で気になっていることを教えていただけますか?」

このような問いかけをすることで、保護者が「専門家としての役割」を持てるようになります。

② 事前に立てた仮説を提示し、保護者とすり合わせる
SCとして一方的に「こうだ」と決めつけるのではなく、「こういう可能性があるのでは?」という仮説を提示し、保護者の意見を聞くことで、対等な議論が生まれます。

例:

  • 「例えばですが、お子さんが学校でこういうふうに過ごしているのは、○○という気持ちがあるのかもしれないと思ったのですが、ご家庭ではどう感じられますか?」
  • 「こういう場面でお子さんはストレスを感じているかもしれませんが、ご家庭では何か似たようなことはありますか?」

保護者が「いや、それは違うと思います」と言った場合も、それは「仮説の修正」ができる良い機会です。

③ 「一緒に考える」姿勢を強調する
相互コンサルテーションにするためには、「こちらがアドバイスをする」という雰囲気ではなく、「どうしたらいいか、一緒に考えましょう」というスタンスを取ることが大切です。

例:

  • 「先生方もサポートしたいと思っているのですが、ご家庭ではどんな関わりがうまくいっていますか?」
  • 「お子さんにとって、学校でもご家庭でも負担が少ない方法を一緒に考えられたらと思います。」

4. 面談のまとめ:次のステップを共有する

保護者との面談が「話して終わり」にならないように、次のステップを明確にすることが大切です。

  • 「今日お話ししたことをふまえて、学校ではこういうサポートができるか考えてみます。」
  • 「ご家庭で試してみたいことがあれば、お聞かせください。」
  • 「また状況を見ながら、連絡を取り合えたらと思います。」

ここで大切なのは、保護者が「この面談が役に立った」と感じられるようにすることです。単に「話しただけ」で終わると、次回の面談にもつながりにくくなります。


5. 相互コンサルテーションを継続させる

面談を単発のイベントではなく、継続的な関係の一環として位置づけることで、より良い協力関係が築けます。そのためには、以下の工夫が効果的です。

  • 面談後に簡単なお礼やフィードバックを伝える(例:「今日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。○○の点、とても参考になりました。」)
  • 学校側からのフォローアップを忘れない(例:「先生方とも共有し、改めてご報告しますね。」)
  • 「保護者の知見を借りる」スタンスを続ける(例:「また何か気づいたことがあれば、教えていただけると助かります。」)

まとめ

保護者面談を相互コンサルテーションにするためには、「専門家として一方的に説明する」のではなく、「保護者とともに考える姿勢」を持つことが大切です。そのために、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

  1. 面談前に仮説を立てて準備する
  2. 保護者の負担を理解し、感謝を伝える
  3. 保護者を“専門家”として扱い、情報を引き出す
  4. 一緒に考えるスタンスを持つ
  5. 面談の成果を明確にし、次のステップにつなげる
  6. フォローアップを大切にする

このような積み重ねによって、面談が単なる「相談の場」ではなく、「協働の場」となり、より有意義なものになっていくでしょう。

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