公認心理師・臨床心理士によるオンラインカウンセリング、スーパービジョン

不登校の「受容」ってどういうこと?

 

オンラインカウンセリングを希望する方⬇

オンラインスーパービジョン無料体験⬇

 

オンラインカウンセリングを希望する方⬇

オンラインスーパービジョン無料体験⬇

 

この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
詳しいプロフィールはこちら

【不登校の「受容」ってどういうこと?】

――新田さんとの対談を振り返って

先日、教育・福祉・心理に関心のある方々に向けて、新田さんと「不登校の受容とは?」というテーマで対談ライブを行いました。
こういう場でお話しするたびに、自分の中で考えていたことが言葉になる瞬間があって、それがとてもありがたいのです。
今回は、そのライブ配信でのやりとりをもとに、「不登校の受容」について、あらためて考えてみたいと思います。

今回はそのエッセンスを、ざっくりと、でも大事なところは丁寧にお伝えしてみます。

◆「受容=あきらめ」ではない

まず一番大切なこと。それは、「受容」という言葉が誤解されやすいという点です。

よくあるのは、

「もう学校に行かなくていいよ、って言ったほうがいいの?」
「受け入れるって、何もしないってことですか?」

という声。

でも、必要なのは、

「受容は、現実から目をそらさないということ」
「いま、目の前の子どもが苦しんでいるという事実を、そのまま見つめること」

つまり、何かを“諦める”ことでも、努力を“やめる”ことでもないんです。

むしろその逆。
いまこの子がどんな状態にあるか、どんな声を発しているかに、しっかり耳を傾ける勇気のことなんですね。

◆「どうしたら行けるようになるか?」を一旦おろしてみる

親御さんの多くが抱くのは、「どうしたらまた学校に行けるようになるか?」という問いです。
これはとても自然でまっとうな気持ちですし、もちろんそれを持っていていい。

でもその問いが強すぎると、子どもの今の姿が見えにくくなってしまう。

子どもにしてみれば、「まだ何も言えてないのに」「まだ苦しいのに」「もうちょっとそっとしておいてほしいのに」――
そんな気持ちがあるかもしれません。

だからこそ、一度問いの立て方を変えてみる。

「いま、この子が必要としているものは何か?」
「少しでも安心できる時間はあるか?」
「この子は、自分のことをどう思っているんだろう?」

そう問い直すところから、支援の始まりが見えてくるんです。


◆「回復」は、いきなり「登校再開」ではない

よくある“誤解あるある”として、回復=登校再開と考えてしまうケースがあります。

でも、もっと小さい目盛りで回復を見てみると、

「回復というのは、登校再開だけじゃなく、“気持ちが前向きになっている”“自分のことを少しだけ大事に思えてきた”というような、小さな心の変化にも現れる」

たとえば――

  • リビングに出てくることが増えた
  • 「朝少し早く起きるようになった」
  • 「YouTubeじゃなくて漫画を読んでる」
  • 「ちょっとだけイライラしなくなった」

そんな些細な変化が、本人にとってはとても大きな一歩だったりするのです。

*漫画を読むなどの楽しかったはずのことでさえもしんどい状態があるのです。

◆親の「気持ちのグラグラ」もまた自然なこと

不登校の子どもを前にして、親の側も大きく揺れます。

「このままでいいんだろうか」
「私の関わり方がいけなかったんじゃないか」
「この先、どうしたらいいの…」

「グラグラしていいんです」
「でも、そのグラグラに“意味”を与えすぎないでください」

つまり、不安や迷いは出て当然。
でもその都度、解釈を急ぎすぎないこと。
今はまだ“わからない”ままでいてもいいのだと、自分に許してあげること。

◆「関わる姿勢」が支援の土台になる

子どもが不登校になったとき、親はつい“何かをしてあげなきゃ”と思ってしまいがちです。

でも、ときに「何もしないこと」もまた、支援になります。

  • 無理に聞き出そうとしない

  • 解決策を押しつけない

  • 一緒にテレビを見る

  • 横で同じ空間にいるだけ

そういう「関係のなかにただいること」が、子どもにとっての支えになることがあります。

支援とは「できごとを起こすこと」ではなく、
**「安全基地であり続けること」**なのかもしれません。

◆まとめ:受容とは、ここからの出発点

「受容」という言葉には、いろんな誤解がついてまわります。

  • 受容とは、出発点であること

  • 受容とは、関係をつなぎ直すこと

  • 受容とは、子どもを信じること

そして同時に、「親としての自分自身をいたわること」でもあるのだと思いました。

今回のブログはスペース海の不登校チャンネルでの新田恒夫先生との対談をもとに構成しております。

詳しくはこちらの動画をご覧ください。

公式LINEはじめました

かけい臨床心理相談室では、特に不登校の保護者オンライン相談に力を入れております。
公式LINEからの相談の予約も可能です。
ぜひご登録ください。

友だち追加

オンラインスーパービジョン無料体験

カウンセリングが上手くなりたい!
ケースの見通しをちゃんと立てたい!
手詰まりを感じている!

まだまだ上達していきたいカウンセラーの皆さんに、オンラインスーパービジョン無料体験のお知らせです。
毎月3名限定でオンラインスーパービジョンの無料体験をZoomにて行っております。
気になる方は下記のスイッチをクリック!

この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© スクールカウンセリング研究所 , 2025 All Rights Reserved.