【公認心理師資格試験講座】第一回資格試験過去問題 問2.児童虐待と緊急一時保護について
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まずはこちらmaenoshinさんのブログを御覧ください。
ちなみに問1についての解説はコチラ。
問2は子どもの虐待と緊急一時保護についての問題でした。
前回は書きすぎたので今回はサラッと。。。行かないか??
問2 児童虐待について、緊急一時保護を最も検討すべき事例を一つ選べ。
- 重大な結果の可能性があり、繰り返す可能性がある。
- 子どもは保護を求めていないが、すでに重大な結果がある。
- 重大な結果は出ていないが、子どもに明確な影響が出ている。
- 子どもは保護を求めていないが、保護者が虐待を行うリスクがある。
- 子どもが保護を求めているが、子どもが訴える状況が差し迫ってはいない。
ちなみにmaenoshinさんのところに載っていた回答では・・・
正解は・・・・2、子どもは保護を求めていないが、すでに重大な結果がある。
児童虐待の防止等に関する法律第6条(児童虐待に係る通告) 1 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。「重大な結果」が出ていることは、通告義務の対象となる。
とのことでした。
「子どもは保護を求めてない」というのは、保護を求めたくても求められない心理的、環境的な状況にあることが多いので、「重大な結果」が出ている状況では全く意味をなさないことしょう。
重大な結果とは?
重大な結果とは何か?ということですが厚生労働省のHPには『一時保護』についてのPDFがあり、そこでの一時保護チェックシートには、
性的虐待(性交、性的行為の強要、妊娠、性感染症罹患)外傷ネグレクト(栄養失調、衰弱、脱水症状、医療放棄、治療拒否)
とありました。
あくまでチェックシートでの記載ですが、この他にもこれに類したことが「重大な結果」となることが伺えます。
一時保護に向けてのフローチャート
そしてこのシートには一時保護に向けてのフローチャートが記載されていました。
これを見ると、重大が結果がなかったとしても、①当事者が保護を求めており⇒②当事者の訴える状況が差し迫っている という状況ならば緊急一時保護が検討されるということが分かります。
他の選択肢も見ていきましょう。
1、重大な結果の可能性があり、繰り返す可能性がある場合は、緊急一時保護ではなく【発生前の一時保護を検討】
3、子どもは保護を求めていないが、保護者が虐待を行うリスクがある⇒【集中的な援助、または一時保護を検討】
4、子どもが保護を求めているが、子どもが訴える状況が差し迫ってはいない・・・これはチャートに載っていないですが、解説のAを読むと
①当事者が保護を求めている、②当事者の訴える状況が差し迫っている、③重大な結果、のいずれかで「はい」がある時は、緊急一時保護の必要性を検討
と書いてありますね。
4、子どもが保護を求めているが、子どもが訴える状況が差し迫ってはいない⇒【緊急保護の必要性を検討】
となります。
子どもの虐待の定義
ちなみに、こちらは厚生労働省のHPにあったPDF『子ども虐待の援助に関する基本事項』です。
子どもの虐待の定義について具体的には、児童虐待防止法第2条において、「この法律において、『児童虐待』とは、保護 (親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がそ の監護する児童(18 歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。」一、児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。二、児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。三、児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居 人による前2号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著 しく怠ること。四、児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に 対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を 含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ず る心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える。厚生労働省のHPより
勉強すればするほど、知識不足を感じますし、今までよくやってこれたなと思います。
身近にいつもワーカーさんや、詳しい仲間が居たからなんとかなってきたんですよね。
試験以上に、これからの仕事のためにしっかりと理解しておきたいところです。
このPDFは印刷して、気になるところをアンダーラインを引いて持ち歩いて、ソーシャルワーカーさんや児相経験者、法律関係者に質問をバシバシぶつけても良いかもしれませんね。
簡単な解説書を読むよりも、こういった公文書を何度も読むほうが大切なんじゃないかなって思うようになってきました。
公文書は、あらゆる 事態を想定しながら最短の文章で的確に必用なことを網羅して書かれています。
固くて読みにくいのは当然で、基本的には、例えば今回では「児童虐待」という事象について「国としてはどんな対応をしていくか?」という非常に幅の広くて深いことを、階層の違う相互の文章の、つながりや順序付けを使って、出来るだけ短い文章にしているんです。
つまりここに書いてあることは、文章ではなく情報のネットワークなんです。
だから読みにくい。
でもこれを読んでいると、文章の前提となっている「直接は書いてない大切な何か(行間に潜む価値観)」を読み解くトレーニングになりますし、分かりみが深くなります。
余裕があったらチャレンジしてみましょう!(一人より二人、二人より三人以上で分担しながらやるのがオススメ)
問3はこちら。
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