公認心理師・臨床心理士によるオンラインカウンセリング、スーパービジョン

カウンセリングの「イキイキとした情報整理」のコツ

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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カウンセリングの場では、相談に来られた方の「ぼんやりとした希望や願望」を丁寧に聞いていくことから始まります。それが少しずつ具体的な話となり、輪郭が見え、ギャップや課題が明確になっていく。そのポイントを押さえると、現実に起こりうることとして扱いやすくなります。

例えば、相談者が現在のストレス対処法をやめたがっていて、新しい方法を提案してほしいと言われた場合、どのように進めればよいでしょうか?まず、提案を急がず、どんなやり方なら続けられそうかを一緒に話し合うことが重要です。その人自身の文化や価値観、特性に合った方法を見つけ出し、それを試してもらう形で進めていきます。

もしその提案に対して相談者の目がキラッと輝き、「いいですね!やってみたい!」という反応があれば、その方法が上手くいく可能性は高いです。また、そこまで乗り気でなくとも、「面白そう」と感じられる提案ならば、一歩を踏み出す後押しになるかもしれません。もちろん時には「試しに一度だけ」と拝み倒して進めることもありますが、やはり最初はその人の気持ちや行動に近いところから始めるのが得策です。


情報整理のプロセス:「お団子の串刺し」のように

カウンセリングの進め方は、以下のような一連の流れで整理できます。

  1. 主訴(具体的なニーズに落とし込む)
  2. 見立て(その人の理解)
  3. 介入(共感や課題設定を共有する)
  4. 評価(取り組みの結果を振り返る)

これをイメージとして表すなら、「お団子の串刺し」のような構造です。それぞれの要素が一貫して繋がっていることで、相談者と共に協働的に進められるのです。さらに、この大きなお団子の中に、小さなお団子が入っていると考えてみてください。小さなお団子とは、各ステップの中での詳細な情報整理や理解を指します。これを重ねることで、カウンセリング全体の質が飛躍的に向上します。


「新たなアイデア」は対話から生まれる

カウンセリングの場で、目から鱗のような素晴らしい提案や魔法の言葉が簡単に生まれることはありません。しかし、「確かにそうですよね」という共感や納得を少しずつ積み重ねていくと、それが土台となり、新しいアイデアや視点がふっと浮かんでくる瞬間があります。それは相談者とカウンセラーの対話が生み出す共同作業の賜物です。

相談に来られた方と一緒に「マップ」や「ガイドライン」を眺めるような気持ちで情報を整理していくと、躓いたときに戻れる安心感が生まれます。このプロセスを通じて、相談者自身の中に眠る解決策や可能性が自然と引き出されていくのです。

カウンセリングは、一見複雑な課題をシンプルに整理し、共に前に進むための共同作業です。その過程を丁寧に重ねていくことで、お互いが思いがけないアイデアにたどり着けることを忘れないでください。

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