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傾聴についての考え方 その2 家族療法の視点から

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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普通ではない反応

傾聴するということは、「普通の考えや価値、人としての反応」を乗り越えた先にしか存在しないものだと考えています。これは、あくまで僕自身の傾聴に関する理解の仕方です。

傾聴についての考え方 | スクールカウンセリング研究所

カウンセリングの経験が浅いうちは「傾聴」をしようとすると、同時になんか専門家っぽくふるまおうとしてしまい、結果としてわざとらしい雰囲気が出てしまうことがよくあります。これが「自己一致」ってとこからずれてしまって、一生懸命聞いているんだけど、なんか話している方はしっくりこない、みたいなことは起こりがちなのかなと。

傾聴が治療的に機能するために必要なこと

傾聴が治療的に機能するためには、目の前の人が困りごとを抱え、そのことが日常生活に大きな影響を与えている可能性を理解しつつも、「この人は苦しんでいることに対して非があるわけではない」「この状況を変えていくための何かを持っているはずだ」と、どれだけ深く信じられるかが大切です。

とはいえ、この視点には解決志向的な要素が含まれています。一般的に、人は問題志向で物事を捉え、困っている人を前にすると「原因探し」を始めます。そして、その原因探しは本人の近くから始まるため、「この人自身にも何か原因があるのではないか?」と考えてしまいがちです。

しかし、このような視点があると、傾聴は全く治療的に機能しません。心理的な原因を探ることは、一見するとカウンセリングの仕事をしているように見えますが、実際にはセラピストが「この人にも原因があるのではないか?」と考えてしまうことで、関係を難しくしてしまうことがあります。僕自身も、何かの拍子で原因探しモードになったときには、本当にうまくいかないことを痛感しています。

システムズアプローチと家族療法的な視点

家族療法的、あるいはシステムズアプローチ的に考えると、これは東豊先生がウェビナーで最も強調されていた「IP(Identified Patient)」の概念に通じます。つまり、目の前の人を「問題」として扱うのではなく、「問題を代表している人」として捉えるという視点です。

東豊先生のウェビナー

傾聴について考えていたはずが、解決志向やシステムズアプローチに辿り着いてしまいました。これは、臨床心理学を学ぶ上で、名称が異なっていても、実際の臨床場面で役に立つことはどこかで重なっていることを示しています。さまざまな方向から、裏から表から見ていくことで、その本質の座標が少しずつ見えてくるのかもしれません。

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