「自分らしく」の呪縛を超える:解決志向・ブリーフセラピーの独自の価値

「自分らしく」の呪縛と時代背景
篠原慎さんのこちらのポストにもあるように、いまもなお「自分らしく」というテーマを抱え続けている人は少なくありません。
昭和や平成の時代に形成された価値観の中で「自分らしく生きること」こそが良い、と教えられた世代は特に、同時にその言葉に縛られやすい側面を持っています。
「自分らしく」と言われても、そもそも自分らしさが何なのかわからない。
わかったとしても、実現するための社会的な条件や個人的な資源が整っていない。
あるいは、周囲との関係性を壊さないためにあえて自分らしさを抑えざるを得ない――。
そのどれもが、本人にとって深い苦しみとなって積み重なっていきます。
目次
Toggle評価社会と「自分らしさ」のリスク
さらに現代は、あらゆるものが評価の対象となり、誰かの評価が可視化されやすい社会です。
人はどうしても周りの目を気にせざるを得ません。
「自分らしくいる」ことがリスクに見え、評価に合わせる方が無難だと考えてしまうのです。
しかし、それを続けていると「自分らしくいられないことのデメリット」は心の奥で圧縮され、見えないところで積み重なり、やがて爆発してしまいます。
「正解」を求めて情報を集め、互いに評価し合う構造は、ネット上の商業的な誘導に巻き込まれることにもつながりやすく、結局は「やったモン勝ち」の世界に近づいてしまうのです。
「私だけの大切なもの」に気づくために
だからこそ大切なのは、評価を気にして立ち回ることと同時に、すでに自分の中にある 「私だけの大切なもの」 に気づくことです。
そこに養分を与え、時間とエネルギーを注ぎ、ときに表現し、誰かと分かち合いながら育てていくこと。
評価と自分らしさ、その両方を行き来できることが、本当の意味での「生きやすさ」につながります。
そして、ときには思い切り「自分らしさ」に振れる時間と空間と仲間を持つことも必要です。
もっとも、それを実現するのは決して容易ではありません。
「あなたらしく生きてください」と言うのは簡単ですが、それが難しいからこそ人は困り、カウンセリングに足を運ぶのです。
解決志向アプローチの実際
ブリーフセラピーや解決志向アプローチでは、無責任なエールを送るのではなく、次のような関わりを重視します。
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「すでに自分らしくできている瞬間(例外)」を探す
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今よりちょっとマシになる小さなステップを一緒に描く
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未来像をクライアント自身の望む解決に沿って設計する
ここで基盤となるのは リソース主義 です。
問題や欠点に焦点を当てるのではなく、その人の良いところや強みに注目し、それを対話の中で丁寧に見出していきます。
解決志向・ブリーフセラピーのユニークな価値
解決志向やブリーフセラピーのユニークな価値は、「問題志向ではない」視点を持ち込むことにあります。
問題を深掘りし分析するよりも、すでに起きている小さな変化や例外を手がかりに未来をデザインする。
停滞感や「わかっているけど動けない」という状態に対して、本人の持つリソースに光を当てながら具体的にステップを描く。
この「問題にとらわれず、解決に目を向ける」姿勢は、他の支援実践にはなかなか見られない独自の発想であり、臨床における大きな可能性を秘めています。
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