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〜不登校・引きこもり支援における臨床の視点〜葛藤のプロセスは行ったり来たり

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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葛藤のプロセスは行ったり来たり

不登校や引きこもりの子どもたちと関わっていると、心の中での「葛藤の行ったり来たり」をよく目にします。

最初は「自分はダメだ」「死ぬしかない」「怖くて眠れない」といった切迫した気持ちが前面に出てきます。そこから少し回復すると、

「ほんとはこうできたらいいのにな」

「でも無理だ、だってこれもできない」

「こうしなきゃいけないのに無理だ」

と、理想と現実の間を揺れ動くようになります。

やがて小さな勇気が出てチャレンジするものの、うまくいかなくて後退する。

でもまた挑戦して、また後退する――。

この繰り返しの中で、少しずつ「リアリティ」が増していきます。

エビデンスが積み上がるプロセス

行ったり来たりの中で、「4週間は続けられなかったけど4時間ならできた」「1日は無理だけど午前中なら大丈夫だった」といった小さな証拠=エビデンスが積み重なっていきます。

それは夢物語のような願望から、徐々に「現実にできること」へと変わっていくプロセスです。

聞き手がいることの大きな意味

こうした葛藤は、一人で抱えていると前に進みにくいものです。

しかし、誰かがその話を聞いてくれることで、心の中の現実感が少しずつ変わっていきます。

大切なのは、子どもの「不毛に見える言葉」も切り捨てないことです。

「結局は働きたくないだけだろう」と短絡的にまとめるのではなく、葛藤そのものに構造や複雑さがあることを理解する姿勢が臨床家には求められます。

小さなステップを認めていく

支援の基本は「今の状態をそのまま受け止める」ことです。

「しっかりしろ」と叱るのでもなく、「君はここが成長したよ」とアドバイスするのでもなく、ただ「今ここでやれていること」をOKする。

その姿勢があることで、0から1へといきなり飛ぶのではなく、

0.01 0.02 ときには -0.5 に後退 でもまた 0.03 へ前進

といった小さな変化を積み重ねていけます。

セラピストの役割

こうした過程を支えるには、セラピストが「この人らしい社会との向き合い方」を探る視点を持つことが不可欠です。

回避する傾向があるなら、それも含めてどんな折り合い方が可能か この人の強みはどこにあるのか どんな一歩なら無理なく踏み出せるのか

それを理解したうえで話を聞き、必要に応じてフィードバックを返していくことが、次の一歩を支える積み上げになります。

まとめ

不登校や引きこもりの子どもの支援は、「できる・できない」を二分法で判断するものではありません。

大事なのは、葛藤の行ったり来たりを「プロセス」として捉え、その中にある小さなエビデンスを一緒に拾い上げていくこと。

その繰り返しが、やがて子どもの現実を広げ、次のチャレンジへとつながっていきます。



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