かけい臨床心理相談室

OKとNOの間に対話がある

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臨床心理士  カウンセラーっぽくないカウンセラーと言われることが多い チェブラーシカに似ていると言われることがある 似ていないと言われることもある 時間空間的なおっちょこちょいである
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 子供の行動をコントロールする方法として「禁止」を気軽に使っていませんか?

ホスピタルクラウンとして活動されている昭和大学の副島賢和先生は、「受容すれど許容せず」とお話ししてくれたことがあります。

気持ちは受け止めるけど、許可をするかどうかは別ということです。

スクールカウンセリングをしていると、保護者からのタブレットやゲームの扱いについての相談がたまにあります。

そんな時には「OKにするのかNOと言うのかの二択」になっていることが多いかと思います。

相談の中では、デジタルな良いか悪いか?の判別ではなく、どうやったらその中間点で子供が納得がいく対話ができるか?と言うところを、保護者と一緒に目指すことになります。

なぜそんなことをするかといえば、子どもが、「ダメって言われるかも」と思いつつも、それでも自分の「願い」のために踏み出した一歩を大切にしたいからです。

テレビゲームを買ってほしいとか、漫画を買いたいからお金が欲しいとか、スマホのゲームで課金アイテムが欲しいとか、そんなものを「願い」というのか?ただの欲望を大切にする必要があるのか?と思う方もいらっしゃるでしょう。

大人から見ると、子供の願いというものは「しょうもないもの」に見えてしまいがちです。

僕らの時代はやはり漫画とゲームでしたが、どちらも「時間の無駄」に見えるものですし「この時間勉強に費やしたらどんなにいいか」と思われるものかもしれません。

そこには大人の目線から見た「価値」と「評価」があって、子供の「喜び」や「悲しみ」といった感情への寄り添いがありません。

それは先を見越した「子供のため」ではあるかもしれませんが、子どもにとってはリアリティーのない話で、同時に「自分の価値をないがしろにされた体験」になっているかもしれません。

つまり「言ってもしょうがない」という体験として刻まれるんです。

そして子どもにとってはゲームを買って欲しいも、一人暮らしをしたいも、離婚して欲しくないも、旅に出たいも、塾にいきたいも、学校に行きたくないも、一緒といえば一緒なんです。

親としては、何かを買って欲しいとかくだらないことは相談してこないで欲しいが、人生の関わる大事なことは相談して欲しい、と思っているかもしれません。

大人にとって大事なことだけ相談するならば、それは子どもが本当に言いたいことを封印して、親に合わせて要求を出しているということになります。

「空気を読めていて大変よろしい」ということなのかもしれませんが、カウンセリングをしている身からすれば、ちょっと気になる子供の姿です。

「なんでそんな大事なことを言ってくれなかったの?」なんてことがあるかもしれませんが、子ども自身が「大事なことかどうか?」を判断することは難しいんです。

願いを伝えることを「どうせだめだ」と諦めてしまうんです。

子どものエネルギーや自尊感情を回復させる関わりとして、その子の持っている「関心」に対して「関心を示す」というのを大事にしています。

逆に自分の持っている「関心」を無視されることは、子どもにとってはキツイことなんです。

大事な心の柔らかいところをバッサリ斬られるような体験になってしまうことがあります。

だから僕からの提案です。

全てを許容すること、望みが叶えられるなんてことは当然のことながら無くていいと思います。

ただOKするかどうかを置いておいて、「何それ?」と「面白そうだね?どんなことができるの?」「それを使って何がしたいの?」と、そのことで得られる喜びや、それを得た後の自分の姿について考えられる問いかけをしてみてください。

これは現実検討ということです。

「なんでそれが欲しいの?」「なんでそれがしたいの?」と「なんで?」という問いかけをするとそれは詰問として子どもは感じてしまいがちです。

「それOKするかどうか考えたいから、もう少しそのことについて教えて?」という具合で話を聞いていくと、物を欲しがっているようで、実は体験が欲しかったり、眠れない夜中の時間が苦痛であることがわかったり、意外な将来への期待が聞けたり、「そもそも」ということが聞けるかもしれません。

僕は保護者の方には、「良い、だめ」と子どもを評価する立場では無く、子どもの「望み」を叶えるのを手伝うポジションでいて欲しいと思っています。

判断よりもまず、情報収集と関心を向けること、現実検討はその後で、ということにしませんか?という提案でした。

OkNoの間の対話に宝物が眠っていると思います。

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