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【本を読む】ミルトン・エリクソン入門 第2章その7 現行パターンへのマッチング

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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ミルトン・エリクソン入門を読む

WHオハンロン著「ミルトン・エリクソン入門」(金剛出版)という本があります。

この本は、ブリーフセラピーの源流になったと言われる天才的な精神科医ミルトン・H・エリクソンのアプローチについて、著者の目線からまとめられており、僕自身の臨床の中で一番大きな影響を受けている本の一つです。

自分の臨床を見直すという意味でも、ミルトン・エリクソンについて多くの方に知っていただくという意味でも、この本に書かれていることを紹介しつつ、自分なりにコメントを書いて行こうかと思います。

関心の在る方はお付き合いください。

現行パターンへのマッチングMutching Current Ptterns

エリクソンは、患者の行動や経験や理解に、彼の行動や言葉や考えを合わせていたのである。マッチングは、患者の身体の動きや言葉を、治療者が鏡になったように真似をすることによって行われる。

ミルトン・エリクソン入門 P42

エリクソンは、通常では治療に結びつけにくい患者さんとも、このマッチングによって即座にラポールを付けてしまうことが可能だったようです。
また、エリクソンの事例を見ていると、よくこんな指示に患者さんは従ったな!と驚くことがよくあります(コンプレックスである隙っ歯から水を飛ばす練習をしろとか、眠れなかったら朝まで家の床のワックスがけをしろとか)が、それを可能にしたのもこのマッチングの力とのことでした。

ここに書いてあるマッチングについて、体の動きを相手に合わせるミラーリングが頭に浮かぶ方が多いかと思います。(あれちょっと下手くそな人がやると、めちゃ馬鹿にされている感じがするだろうなっと思ったりもします)

ここで注目すべきは、行動だけでなく、経験や理解に対してもマッチングを行い、患者に言葉や考えを合わせていった、という部分かと思います。

これはまさに家族療法やシステムズアプローチでいうジョイニングに当たることかと思いますが、同時にこれは本当になかなか難しいこと、奥の深いことだと思うんですよね。

初回のラポールのためのマッチングの難しさ

経験や理解、つまりその人の持つ信念や準拠枠にマッチングを行うためには、ある程度の見立てが必要なわけです。
初回でのラポールを作るためにこのマッチングを行うということは、情報が非常に少ない状態で、その人の持っている信念や準拠枠、大切にしていることについて仮説を立て、やり取りの中で検証しつつまた仮説を立てるというのをすごいスピードで繰り返し、マッチングが起こるようにチューニングしていく必要があります。

でもそんなことをいちいち考えると遅れてしまうわけです。
意識しなくてもなんとなく出来るようになるためにはどうしたらいいのでしょうね。

太極拳には捨己従人という言葉があります。

捨己従人は言わば、自分の主張を捨て、他人の動作に従うことです。簡単そうですが、太極拳の中では最も達成し難いことです。その原因は二人が手を交え、推手している過程の中で勝負観が強いからです。人間は互いに認め合うことが難しく、まして互いに攻めあったり、いい勝負の時だったりする時は特にそうです。人間は自分の権利を捨て、人に従うことは到底難しいです。これはまた、太極推手だけではなく、我々の人生の道においても深い意味を持っています。


https://wutaichi.jp/%E6%8E%A8%E6%89%8B%E3%81%AE%E6%9C%80%E3%82%82%E5%A4%
呉式太極拳HPより

マッチングできない、チューニングできないということは、価値、というものが引っかかっているときだと思うんです。
どうしても引っかかる、認めるのに抵抗がある、という言葉や考え方ってありますよね。
つまり自分の中の価値観や常識、物事の捉え方がブレーキになってしまうということです。

一旦自分の目的だったり、価値や考え方を、ぽんと身体から放り出して、相手の流れに飲み込まれてみる、ということが出来るかどうかということかと思います。

まとめ

マッチングは、得意な人(常にその意識があり経験値が高い)は自然にできますが、苦手な人(そもそもそれまで発想がなかった人)にとってはマッチングは難しいかと思います。

観察力を高めていくことも大事ですし、仮説検証のスピードを上げていくこと、先入観の精度を上げていくことも必要ですよね。
でも、一番いいのは慌てずに、その人が一番大事にしていることは何なのか、いつも想像しながら相手の話を聞くことかと思います。

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