相談には小相談と大相談→ルート・マップとサーヴェイ・マップ

相談には小相談と大相談があるという話。

９Bのブログより

https://www.9broom.com/%e3%80%8c%e5%b0%8f%e7%9b%b8%e8%ab%87%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%80%8c%e3%82%b0%e3%83%81%e3%80%8d%e3%82%92%e3%81%97%e3%82%88%e3%81%86%ef%bc%81/

カウンセラーの大事な仕事の一つは、大相談を複雑に絡まりあった小相談の集まりと認識して、小相談同士の関連性を明確にしながら整理していくこと。相談に来た方と一緒に、見やすい地図を書くことと言ってもいいかもしれません。

小さな物語→大きな物語

今日ダンジョン飯というマンガで例えてみます。

【マンガ】ダンジョン飯

物語の大筋は洞窟の中で竜に妹を食べられてしまった兄が、妹を助け出すためにもう一度洞窟に潜るという話です。命からがら竜から逃げ延びてお金も装備もなく、新しい装備を買うと食料が買えないと。ならば洞窟内の怪物を食べようという洞窟グルメ漫画です。

一話の構成として、モンスターが出る⇒戦って倒す⇒それを調理する⇒嫌がる仲間に食べさせる、というのが一連の流れです。基本的にはこの繰り返しをしながら、洞窟の深部にパーティーは進み、大筋の物語も進んでいきます。
物語が進む中で、主要な登場人物の過去や目的が明らかになっていきます。

わかったところを一つずつ語り手と共有していく

カウンセリングも似た構造を持っていると思います。主訴がこの大筋の物語の目的であり大相談なのですが、いきなり大相談にコミット出来るわけではないから、一話ずつ小相談を重ねていくことで、その物語の世界はどんな世界で、誰が住んでいて、その人はどんな人なのかという理解が深まっていくと。

良い読み手というのは、語り手の語りたいスピードに合わせて、語り手の語りたいことや、大事だと思っているところに関心を向けながら、時にはまだ語りてが意識していない重要なブリッジのありそうなところに関心を向けながら、物語を小相談の関係の見えやすい連なりになるように整理していきます。

まだ語られていない筋を予想したり、大事なところにピンとくるセンスは必要だけど、あまり先回りしてネタバレみたいになってしまうと、語る方は語る気がなくなってしまいますよね。
良い聞き手は、筋を整理する中で、分かったところを一つずつ語り手と共有していく、これだけでいいかと思います。

技法をやるにしてもやらないにしても、基本はこの物語を整理しながら、筋道立てながら聞いていく、語り手の語る体験を聞く体験と合わせて共有していく、というところが根本なのではないかなって、今日はそんなことを考えています。はじめに理論有りきでいくと、ネジ曲がっちゃうこともありますよね。

母子関係に注目するのも、例外に注目するのも、解決に注目するのも、ジェノグラムに注目するのもいいのですが、できれば自分が関心を向けてることをコメントした時に、語り手が膝を叩いて「まさにそこですよ！」と言ってくれるところを、まずはちゃんと押さえないとと思います。

ルート・マップとサーヴェイ・マップ

Twitterで豆まきさんからコメントを頂きました。

継時的な「ルート・マップ」から俯瞰的な「サーヴェイ・マップ」に、そして、いつも俯瞰する主な方向性が生じ、そこを眺める小人さん（視座）が柔軟に飛び回る・・・みたいな・・

— 豆まき (@makibuberblake) March 5, 2021

 

認知行動療法そのものは継時的な作業ですが、サーヴェイマップの上でどう位置づくのか、鳥瞰的な視座が必要で、そのサーヴェイマップが柔軟に回転したり、縮小・拡大するかが人の健康さ、創造性に関わっているのではと思えたり・・このメタ認知的な機能はマインドフルネスとも接点では・・

— 豆まき (@makibuberblake) March 6, 2021

これほんとその通りですよね。

カウンセリングをやるときはまず解決像や目的についての共有をするのですが、あれ？変だな？と思ったときにいつでもそのサーヴェイ・マップ（大きな地図）に戻る、つまり「あれ、今やってることってこれで良かったんでしたっけ？」と問いかけてコンセンサスを取り直すことですよね。

また、状況に関して突っ込んだり、笑いでメタ視点につれていくみたいなことも、このルートマップとサーヴェイマップの行き来で考えるとわかりやすいと感じました。

豆まきさん、ありがとうございました。

 

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