スクールカウンセラーのためのコンサルテーション実践|ねぎらいから始める支援の進め方
目次
Toggleコンサルテーションの具体的なやり方
― スクールカウンセリングで実際にやっていること ―
スクールカウンセラー(SC)として、学校の先生や保護者の方にコンサルテーションをしているとき、気がつくとこの流れでやっているな、というものがあるのでメモしておきます。
基本的には、Solution-Focused Brief Therapy(解決志向アプローチ)に基づいたやり方です。
基本の流れ(①〜⑤)
コンサルテーションでは、だいたい次の流れで進めています。
① とにかくねぎらう(これは絶対)
② 本当はどうしたかったのか、どんな関係を望んでいるのかを尋ねる
③ 解決に近づくヒントや例外に気づくための「観察課題」を出す
④ 観察課題で見つかったリソースや例外を一緒に検討する
⑤ やってみてどうだったかを振り返る(評価)
この①〜⑤を繰り返していくことで、
・子どもについての理解
・関わり方の精度
が少しずつ上がっていきます。
一番大事なのは「ねぎらい」
この中で、一番大事なのは①の「ねぎらい」です。
よくある場面として、
「子どもが学校で無理をしていて、それが問題行動につながっているのではないか」
という仮説が立つことがあります。
このとき、子どもをどう支援するかを考えるのはもちろん大事ですが、実際には
関わっている大人が疲弊していることが多い
です。
その状態で、
「子どもの気持ちを大事にしましょう」
「こう関わるといいですよ」
といった、理屈としては正しいけれど役に立たない言葉を伝えてしまうと、どうなるか。
コンサルティ(保護者や先生)は内心
「分かっとるわい!」
と思いながら、「そうですね」と相槌を打つことになります。
そして、さらに疲れます。
エンパワメントされなければ失敗
コンサルテーションで重要なのは、
コンサルティがエンパワメントされること
です。
これが起きていなければ、どんなに正しいことを言っていても「大失敗」です。
むしろ、
まず大人をエンパワメントする
ことが必要になります。
観察課題の使い方
仮に「元気がない状態をどうにかしたい」という方向で進む場合、
・リラックスしている時間
・楽しそうにしている場面
・少し元気がある瞬間
を観察してもらいます。
保護者なら家庭で、担任なら学校で。
実際には、厳密に観察しなくても、「考えるだけ」でも効果があります。
それだけで、子どもとの関わりに小さな違いが生まれます。
小さな例外から介入を考える
例えば、
・テレビを見ているときはいい表情をしている
・掃除は頑張っている
・マンガを読んでいるときは集中している
といったことが見えてきたとします。
そうしたときに、
「どうすればこの状態が1割増しになるか」
を一緒に考えます。
例えば、
・テレビをやめさせるのではなく、一緒に見る
・「掃除頑張ってるね」とさりげなく伝える
・マンガの話を聞いてみる
といった、小さな関わりで十分です。
評価で見るべきもの
その後、「やってみてどうだったか」を振り返ります。
ただしここで大事なのは、
・劇的な変化があったかどうかではなく
・小さな変化があったかどうか
です。
例えば、
・ちょっと表情が緩んだ
・少し会話が増えた
・いつもと違うやり取りができた
こうした変化があれば、それで十分です。
むしろ重要なのは、
関わっている大人の気づき
です。
今回のブログの内容、特に労いについて動画でお話しさせていただきました。
うまくいかないとき
もし⑤の評価で全然うまくいかない場合は、
目標設定がズレている可能性
が高いです。
このときは、
「そもそも何を目指していたのか」
「何が大事なのか」
をもう一度問い直します。
このプロセス自体が、協働を強めていきます。
コンサルテーションで起こる変化
この①〜⑤のプロセスを繰り返していくと、
・コンサルティの主体性が上がる
・関係が変わる
・子どもへの関わりが自然に変わる
といった変化が起きてきます。
結局のところ、人は、自分のことを理解してくれる相手となら力を発揮できる
という、ごくシンプルなことが土台にあります。
もし⑤の評価で全然うまくいかないのだったら、目標設定が間違ってる可能性が大きいです。
以下の記事をご覧ください。
目標を小さく具体的にもそうですが、そもそも何のため?何が大事かとメンバーで問い直す、話し合うことでまた協働の体制が強まっていきます。
上記のブログもぜひご覧ください。
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