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「不登校支援の現場から考えること その2 ー 学校との協働と課題解決の視点」

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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不登校支援の現場から考えること その2 共同の鍵としてのコンサルテーション

前回の記事では、学校との協働について考えました。今回は、「当たり前だけど、なかなかできないことをどうやって実践するのか?」という視点で、コンサルテーションの工夫について掘り下げていきます。

「焦らずじっくり関わる」はわかっているが、どうすれば?

「不登校の子どもには焦らず、じっくり関わることが大切」というのは、支援に関わる人なら誰でも知っています。しかし、実際には「何をどのように実践すればいいのか分からない」という声を多く聞きます。知っていることを『できること』にするためには、具体的なアプローチが必要です。

たとえば、ある学校で「子どもに寄り添いたいが、どう接すればいいのか分からない」と悩む担任の先生がいました。そこで、スクールカウンセラーは、まず教師に観察課題を出しました。その子どもと良い関わりができているときや、その子がリラックスしているときを意識的に観察してもらいます。その観察をもとに、教師とカウンセラーが一緒に小さな介入プランを考えていきました。

たとえば、目を合わせる回数を増やすことで安心する子もいれば、休み時間に教師とのちょっとした関わりがあることで落ち着く子もいます。一方で、一人で本を読む時間を確保することで気持ちを整えられる子もいます。その子にとって何が安心につながるのか、関係づくりに役立つのか、そして教師が日常の中で実践できることは何かを一緒に整理し、具体的な小さな介入案に落とし込んでいきました。

さらに、学校全体としての対応を考えることも重要です。例えば、子どもが教室に戻るまでの「橋渡し」の役割を誰が担うのか、どのような環境調整が必要かを具体的に話し合う場を設けることで、実際の支援につながるケースもあります。

ケース会議を「やるだけ」で終わらせない

ケース会議は多くの学校で実施されていますが、単なる情報共有に終わりがちです。「話し合ったけど、具体的な行動に落とし込めなかった」ということがよくあります。実際に支援につなげるためには、次のポイントを押さえることが大切です。

  • 「この会議の目的は何か?」を明確にする。教師、カウンセラー、ソーシャルワーカーなど、参加者それぞれが異なる視点やニーズを持っていることを認識し、共通の目標を設定する。
  • 話し合いの中で「次に何をするか?」を具体化し、各自の役割を明確にする。
  • 支援の進捗を定期的に振り返る仕組みを作る。

ケース会議のファシリテーションには、解決志向アプローチやシステムズアプローチが有効です。特に、相互作用を読みながら支援の方向性を調整することで、支援がスムーズに進むことが多くなります。

例えば、ある学校では、ケース会議の最後に「今後1週間でできること」を各自が決めて共有する仕組みを導入しました。すると、先生方が意識的に支援に取り組むようになり、小さな変化が積み重なっていったのです。

また、保護者との連携を意識することも重要です。ケース会議の中で、保護者との情報共有の方法を明確にし、一貫した対応を取ることで、子どもにとって安心できる環境を作ることができます。

学校文化に合ったアプローチを考える

学校はそれぞれの文化や価値観を持っています。「こうすべき」という理想論ではなく、現場の実情に合ったアプローチを考えることが重要です。たとえば、「子どもを甘やかしたくない」と考える教師に対して、「適切な支え方とは何か?」を一緒に考えることで、より受け入れやすい支援策を作ることができます。

学校のルールを守ることを重視する教師に対しては、「ルールを尊重しながら、子どもの気持ちをどう支えるか」という視点を提案することで、実践的な支援につなげることができます。

また、学校ごとの文化や教育方針を尊重しつつ、徐々に柔軟な支援の形を広げていくことも重要です。そのためには、学校内で成功事例を共有し、小さな変化を積み重ねていくことが鍵になります。

「知っていることをできることにする」コンサルテーション

コンサルテーションでは、「分かっているけどできない」を「できる」に変えるサポートをすることが鍵になります。そのためには、次のような工夫が役立ちます。

  • 現場の状況を理解し、教師と一緒に取り組む。
  • 「確実にできる小さなステップ」を考え、子どもだけでなく支援者も小さな成功体験を積み重ねられるようにする。
  • 支援の進捗を定期的に振り返り、柔軟に対応する。

こうしたプロセスを積み重ねることで、教師や保護者と共に子どもを支える環境を作ることができます。

まとめ

不登校支援では、「知っているけれどできないこと」を、どうやって「できる」に変えていくかが重要です。スクールカウンセラーの役割は、単なる助言にとどまらず、具体的な実践に結びつくサポートを行うことにあります。現場の状況に応じた工夫を積み重ねることで、教師や保護者と共に子どもを支える環境を作っていくことができるのです。

 

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