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【臨床心理士・公認心理師向け】身体感覚を活かしたカウンセリングとは?──援助者としてのBeingを育てるという視点<

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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臨床心理士・公認心理師として経験を積むほど、「何を言うか」「どの技法を使うか」に意識が向きがちです。しかし実際の臨床では、それ以上に「どのような身体で、どのようにそこにいるか」が、関係性を大きく左右することがあります。

この記事では、私が合気道を通して学んできた身体感覚と、カウンセリングの実践との共通点についてお伝えします。

これは「武道を取り入れたカウンセリング」の話ではありません。

援助者としてのBeing(在り方)を、身体感覚から見つめ直す一つの視点として読んでいただければ幸いです。

■ 結論

  • 援助者の関わりは、言葉だけでなく身体からも伝わっています。
  • 身体の力みは、関係性やコミュニケーションにも影響を与えることがあります。
  • 自然な身体感覚を取り戻すことは、援助者としてのBeingを育てる土台になります。
  • 「何をするか」だけでなく、「どのようにそこにいるか」が、安心できる関係づくりにつながります。

対人支援では、技法だけでなく援助者自身の在り方が関係性を育みます。その在り方は、身体感覚を通して磨いていくことができるのではないかと考えています。

なぜ身体感覚について考えるのでしょうか?

臨床の現場では、「このケースはどう理解すればいいだろう」「どのように返答するのが適切だろう」と考え続けることが少なくありません。

もちろん、その姿勢は専門家として大切です。

一方で、その「考える」という営みが強くなりすぎると、自分の身体がどうなっているかには意外と気づけなくなります。

肩に力が入る。

呼吸が浅くなる。

姿勢が固まる。

表情が少し硬くなる。

このような変化は、ご本人が気づいていなくても、クライエントには伝わっていることがあります。

私たちは「話」を聴いているだけではありません。

相手の身体も、自分の身体も、お互いに感じ取りながら関係をつくっています。

だからこそ、身体感覚は援助者にとって大切なテーマだと考えています。

「もっと頑張らなければ」が身体を固くすることがあります

臨床心理士や公認心理師は、とても責任の大きな仕事です。

「役に立ちたい」

「傷つけたくない」

「失敗したくない」

そんな思いを持つことは自然なことです。

しかし、その思いが強くなるほど、身体は少しずつ力んでいきます。

そして力んだ身体は、自分でも気づかないうちにコミュニケーションを変えてしまうことがあります。

必要以上に説明してしまう。

沈黙を待てなくなる。

相手より自分の考えが前に出てしまう。

あるいは逆に、遠慮しすぎて必要な介入が難しくなることもあります。

こうした変化は技法の問題というより、身体の状態が影響している場合も少なくありません。

援助者としてのBeingとは何でしょうか

心理療法では「Being(在り方)」という言葉が使われることがあります。

私は、このBeingは「頑張って身につけるもの」というより、「本来の自然な自分に戻っていく過程」の中で育つものではないかと考えています。

それは、特別な存在感を身につけることではありません。

カリスマ性を持つことでもありません。

もっと自然で、もっと穏やかなものです。

必要以上に構えない。

無理に演じない。

しかし、自分の軸は失わない。

そんな身体で相手の前にいることができると、不思議と関係が動き始めることがあります。

私は長年合気道を続ける中で、この感覚を何度も経験してきました。

相手を押さえ込もうとすると、かえって力がぶつかります。

一方で、自分の軸を保ちながら余計な力を抜くと、相手の動きや方向が自然と感じられるようになります。

この感覚は、カウンセリングにも通じるものがあると感じています。

身体は、もう一つの「援助技法」かもしれません

私たちは新しい技法を学び続けます。

もちろん、それはとても大切です。

しかし、その技法を使うのは援助者自身です。

だからこそ、「自分という援助者」を整えていくことも同じくらい重要ではないでしょうか。

身体感覚を磨くことは、技法を減らすことではありません。

むしろ、これまで積み重ねてきた専門性を、より自然に発揮できる土台を育てることなのだと思います。

次回の記事では、私が合気道を通して学んできた「軸」「間合い」「力を抜く」という感覚が、カウンセリングでどのように役立っているのかを、もう少し具体的にご紹介したいと思います。

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