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スクールカウンセラーが学校で孤立しないために|最初の半年は「種まき」でいい

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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■ 結論

  • SCの動きやすさは、個人の努力だけで決まるものではありません
  • 配属された学校の状況や前任SCの動きによって、最初から仕事が見えにくいこともあります
  • 焦って仕事を取りに行くより、最初は校内を観察し、関係の種をまくことが大切です
  • 孤立しないためには、無理に動くことよりも、学校の中で安心して話せる存在になっていくバランスが重要です

スクールカウンセラーの仕事は、「何をするか」だけでなく、「どう学校の中に居るか」で少しずつ開かれていく仕事です。

「学校で孤立しないようにしましょう」が苦しくなる時

スクールカウンセラー向けの研修などで、

  • 学校で孤立しないようにしましょう
  • 積極的に先生方に声をかけましょう
  • 仕事を見つけに行きましょう

と言われることがあります。

もちろん、それ自体は間違いではありません。

ただ、現場に出てみると、そう簡単に動けないことがあります。

前任のスクールカウンセラーが非常に積極的だった場合もあれば、逆に学校とうまくいかないまま交代している場合もあります。

管理職がスクールカウンセラーに何を期待しているのかが見えにくいこともありますし、担任の先生方が忙しすぎて、話しかけるタイミングがまったくつかめないこともあります。

つまり、スクールカウンセラーの動きやすさは、本人の力量や努力だけで決まるわけではありません。

学校側もSCを見ている

最初の時期は、スクールカウンセラーが学校を見ているのと同じように、学校側もスクールカウンセラーを見ています。

「この人はどんな人なんだろう」
「どこまで話していいんだろう」
「このケースを相談して大丈夫だろうか」
「前の先生とはどう違うんだろう」

そんなふうに、学校側も少しずつ距離を測っていることがあります。

だから、「この先生なら、このケースを相談してみようかな」と思ってもらえるまでには、案外時間がかかります。

ここを急ぎすぎると、空回りしてしまうことがあります。

初任者ほど焦る

でも、初任者は焦るわけです。

まともな臨床家ほど、学校や児童生徒の役に立ちたいと思っています。

また、「自分の時給と、仕事の質や量が釣り合っているのか」と考えることもあります。

相談が入らない。
先生から声がかからない。
職員室にいても何をしていいかわからない。

そうなると、職員室にいる時間そのものがつらくなってきます。

「何かやらなきゃ」
「仕事を見つけなきゃ」
「このままだと何もしていない人になってしまう」

そんな焦りが出てきます。

けれども、その焦りのまま仕事を取りに行こうとすると、かえって学校との距離ができてしまうことがあります。

最初の半年は「種まき」でいい

最初は、まず校内を観察することが大切です。こうしたことを、少しずつ見ていく。

そして、無理に大きな仕事を作ろうとするのではなく、挨拶をする、短く雑談する、会議の空気を感じる、先生方の困り方を観察する。

何が大変なのか、どんな時に余裕があるのか、どんな切り替えの仕方をしているのか、子供や保護者にどんな発想で関わっているのか?いくらでも学べることがありますし、まずは学校理解がなければ仕事を振られてもうまく行くはずがありません。

ただ観察するのではなく、それを理解に繋げていく「問い」の持ち方が重要とも言えます。

また、先ほども書きましたが、学校だってSCを観察してアセスメントしているのです。

話がちゃんと聞ける人かな、保護者と話す場合など気遣いはどの程度できるかな、児童生徒のことちゃんとみてくれる人かな?と。

なのでちょっとした雑談でも、飲みの席での会話でも「あーこのSCなんか話し易いな、ホッとするな」と思ってもらえたら、それは重要な種蒔きになるわけです。

そういう小さな関わりを積み重ねていく。

最初の半年くらいは、「種まき」の時期だと思ってもいいのかもしれません。

アンパンでも食べて落ち着く

仕事がないように感じる日もあると思います。

相談室に誰も来ない日もあります。

職員室に座っているだけで、自分だけ浮いているように感じることもあるかもしれません。

でも、無理に存在価値を証明しようとしなくて大丈夫です。

アンパンでも食べて、まずは落ち着きましょう。

スクールカウンセラーは、「何をするか」だけではなく、「どう居るか」「どう学校に馴染んでいくか」で、後々かなり変わる仕事です。

焦って動くより、まずは学校の中で安心して話せる人として認識されていく。

そこから、少しずつ仕事が生まれてくることがあります。

■ チェックリスト

  • 仕事が少ないことを、自分の力量不足だけで考えていないか
  • 前任SCの動きや学校文化を観察しているか
  • 焦って仕事を取りに行こうとしていないか
  • 話しかけやすい先生やキーパーソンを探しているか
  • 最初の数ヶ月を「種まき」の時期として見られているか

まとめ

スクールカウンセラーが学校で孤立しないためには、ただ「積極的に動く」だけではうまくいかないことがあります。

学校には学校の歴史があり、前任SCとの関係があり、管理職や先生方の期待や警戒もあります。

その中で、最初から無理に仕事を作ろうとすると、かえって空回りすることがあります。

最初の半年は、種まきでいい。

校内を観察し、関係を作り、学校の空気を感じながら、少しずつ「この人に相談してみよう」と思ってもらえる土台を作っていく。

それも、スクールカウンセラーの大切な仕事です。

■ よくある質問(FAQ)

Q. スクールカウンセラーなのに相談が入らない時はどうしたらいい?

A. まずは「相談が入らない=失敗」と考えすぎないことが大切です。学校側がまだSCの使い方をつかめていなかったり、前任者との違いを見ていたりすることもあります。最初は校内観察や先生方との短い接点づくりを意識するとよいと思います。

Q. 職員室で何もしていないように見えるのがつらい時は?

A. その感覚はとても自然です。ただ、SCの仕事は目に見える相談件数だけでは測れません。先生方の動き、校内の関係、ケースが上がってくる流れを観察することも大切な仕事です。

Q. 積極的に先生に声をかけるべきですか?

A. 声をかけること自体は大切ですが、タイミングや相手との距離感も重要です。忙しい時間に無理に入り込むより、短い挨拶や自然な雑談から少しずつ関係を作る方がうまくいくことがあります。どこか空いている時間がありますか?とご都合を聞く、2分で終わることが大事です。

Q. 最初の半年、本当に種まきだけでいいのでしょうか?

A. 何もしなくていいという意味ではありません。校内を観察し、関係の糸口を探し、安心して話せる存在として少しずつ認識されていく時期ということです。焦って大きく動くより、後で仕事が生まれる土台を作ることが大切です。

 

スクールカウンセラー向け基礎講座の紹介

スクールカウンセリング超基礎講座では、こうした「学校での動き方」についても扱っています。

「では、その種まきは具体的にどうやるのか」
「学校の中でどう関係を作っていくのか」
「SCとしてどこから動き始めるのか」

といったテーマに関心のある方は、以下のページをご覧ください。

スクールカウンセリング超基礎講座
https://pro.form-mailer.jp/lp/f065d020348409

ダイジェスト動画はこちらです。
https://youtu.be/ivM2RY2ky98?si=rPwN1fAvJ3fiLIZX

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