かけい臨床心理相談室

スクールカウンセラーに今もっとも必要なのは「わかりやすさ」なんじゃないのかな?

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臨床心理士  カウンセラーっぽくないカウンセラーと言われることが多い チェブラーシカに似ていると言われることがある 似ていないと言われることもある 時間空間的なおっちょこちょいである
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見立てを伝える

スクールカウンセラーを始めて直面したことは、専門用語を使わずに心理的な見立てを誰かに伝えなきゃならないことでした。

今思えば、そんなことで困ってたんだと自分でも驚きますが、病院や心理の文化で通じる言葉はやっぱり特殊なものだったんだなって。

その後にコンサルテーションを大事にするようになったり、心理教育の大切さが実感できたり、ケース会議での短い発言時間の中で、参加者それぞれが役割を持って解決に取り掛かれるような提案をしなければならなかったり、会議で仕事について説明する機会が増えたり。

少しずつですが、ややこしい心のことや、取り掛からねばならない仕事のことを、分かりやすく説明できるようになって来た気がします。

 

スクールカウンセラー(SC)の常勤化や、常識的で社会性のあるスクールソーシャルワーカー(SSW)の進出や、そもそも他職種との協働が前提となったチーム学校という考え方のもと、より「わかりやすさ」が求められるのは間違いないでしょう。

小難しいわかりにくいことを言っても許されて(諦められて)きた

そもそも心理は難しいことを言っても許されるような感覚があったと思うんです。

なんか難しいことを言っていると賢いように見えたり、解らない自分が知識がないとか思われるのではないか?と思ってわかるふりをしたくなったり。

 

心理職が学校に入った時に、教師の側からすれば「解らないからこそ許される」みたいなところがあったと思うんです。

だから不登校や、困った子がいたりすると説明聞いてもよくわからないし、明確な助言もしてくれないから丸投げにするしかない。

気づかぬうちに構築される仕事の構造

しかし、例えば不登校の子にSCだけが関わっていくことで「本人が回復しても教室が遠ざかってしまう」ということが起こりうるんですよね。

でもSCとしては学校で信頼を得るためには「積極的に先生方の依頼の応えねば」と思って一生懸命に対応を頑張る。

上手く行けば行くほど「不登校の子がいたらSCに任せればいいんだ」というマインドが、自然とその学校の中に生まれてきてしまうことがあります。

SCが関わることで、先生との絆が薄くなってしまっては、教室復帰について考えても、たとえ教室復帰しなかったとしても、その子の人との関わり環境という意味で、マイナスのことが多いかと思います。

 

学校で働いていて気づいたことは、先生方は「本当は自分でなんとかしたい」と思っていることが多いんです。

でもどうしても対処が上手く行かなかったり、その子のことを理解が出来ないために、きっと自分の中の抵抗を乗り越えてSCに相談してきていると思うんです。

だから最初はきっと「どうしたら良いですかね?」って具体的な助言を求めてくることが多いと思うんです。

でもその時にSCの方で、(もちろん専門用語を使わず)その先生にとって分かりやすく児童生徒の心理的な状況についてだったり、具体的な対応方法を伝えることが出来れば「じゃあやってみます」となることもあるんです。

必要なのは「それならできる」と思わせる具体的な取り組み方

多くの先生方は、今何が効果的なのかがわからないので困っているわけで、何も出来ないというわけではないんです。

「その先生の出来る、相手の児童生徒に合った具体的な取り組み方」

が分かったら(納得がいったら)、やる気を出して積極的に取り組んでくれるものです。

それでもうまくいかない場合だったり、心理的な支えがどうしても必要な場合にカウンセリングにつなげていくわけで、最初から「では面談をしましょう」とすると、その次からは面談をする前提で先生が依頼してくることになってしまいます。

 

これまでは依頼を受けた時に「まる抱え」するSCがいいSCという評価を受けていたと思うんですよね。

そして、それを良くないと思う先生は依頼をしてこないということが起こっていました。

 

今後、学校側にSC運用の蓄積が増え、SSWという比較対象がいて、協働というキーワードで働こうとした時に「説明が分かりにくいこと」「コンサルテーションが出来ないこと」が、SCの能力を発揮する足かせになることが、今よりもハッキリと分かることでしょう。

わかりやすさはスクールカウンセラーには絶対に必要なスキル

とはいえ、物事をわかりやすく説明するトレーニングを受ける機会もなく、独自にそういった「わかりやすさ力」を上げていっていることだと思います。

でも、考えてみれば臨床の基本は「聞く」→「深める」→「わかる」→「伝える」みたいなことだと思うんですよね。

だから、これはやっぱり臨床をやる上で本質的なことなんです。

相談に来た方と話をするときに、出来るだけ相手に分かりやすい伝え方をすると思うんです。

それはただ自分の中で「正しい」と思うことを伝えるのではなく、相手にとって「飲み込みやすい」「ピンときやすい」言葉で、再構成した上で伝えるということなんです。

 

そのためには、自分が伝えたい事をより深く理解する必要があるし、相手がどんな人でどんな考え方をして、どんなふうな物事の捉え方をしているのかも理解している必要があります。

つまり、対話しながら目の前の相手の理解と、やり取りの中で伝えたいことの理解を同時に深めていく、ということが大事になります。

これに焦点を当てて日々の業務をやっていくことで、普段の臨床の質や、それこそ研修や講演の質も相互的なものに変わってくるかと思います。

今後は、コンサルテーションについての具体的なやり方についてもこのブログで書いていきたいと思います。

とかいってこのブログが分かりづらかったりして・・・;

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