かけい臨床心理相談室

【不登校】子供が自分から何かを言い出した時に、応援してあげると上手くいく

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我が子が急に妙なことを言い出したら

不登校の子に限らずの話なのですが、普段何も言わずにやる気なくぐったりしている子が、急に「生き物を飼いたい」とか「キックボクシングを始めたい」とか、「Youtuberになるから録音機材を買ってくれ」とか、「京都に一人で旅行に行きたい」といったような要求というか、希望を出してくることがあります。

親としてみたら「急にどうした!」「自分で面倒を見れるのか!」「今はほかにやることがあるだろ!」とか、いろいろ言いたくなるツッコミどころ満載のことがほとんどです。

そんな時にどうするのか。

大事なのはこの三つ。

〇とりあえず「いいね!」と伝える

〇親の価値判断で評価しない

〇実現のための協力者になる

です。

〇とりあえず「いいね!」と伝える

僕が一番いいと思うのは、どんなことであれ本人の言い出したことであれば「いいね!」と伝えて、それが実現するかどうかを「実現する方向に向けて一緒に現実検討をすること」です。

 

「何言ってんの!」と言いたい気持ちをグッと抑えて「なんで?」と問いたくなるのをグッと抑えて「そんなことやる時間あったら勉強しなさい」という前に「いいね、面白そうじゃん」と興味のありそうな顔をしてみてください。

大事なのは、言ってるそばから嫌な顔をしないこと、話してる途中で「NO!」と話を切らないこと。

 

普段ものを言えない子どもが、決死の思いで交渉をしていると思って、そしてこの交渉をする時間が何よりも大事な時間と思って、出来るだけおおらかに、前向きに受け取って欲しいかと思います。

〇親の価値観で判断しない

ついつい「それに何の意味があるのか?」「子供の将来に役に立つのか?」「けがをしたりさせたり危険なことがあるんじゃ?」と親は様々な不安を感じるものです。

なかなか難しいことですが、要求の内容を親が、良いかどうかを評価するのは一旦おいておきましょう。

心配しなくても大丈夫。

その子の要求が「エアガン」だったりしても、動物を銃で撃って殺すような子にはなりませんし「ソンビ映画のDVD」であってもゾンビにはなりません。

いちばん大事なのは子供の心の中に生まれた「推進力」なんです。

本当に出来ないことは実際に実現できなくてもいいんです。

実現に向けての現実検討をするまえに「無理だよ」「意味がない」と判断をされてしまうことと、一緒に現実検討をしたうえで「やっぱ無理だったか」とは子どもにとっての体験の意味が違ってきます。

大事なのは「親に言わなきゃよかった」とだけは絶対に子供に思わせないことです。

「結局やらないなら最初から否定したほうがいい」というのは時間的な効率としてはよいのかもしれませんが、子供の心の成長や現在の問題解決、親子の成長しあえる関係づくりには、まったく資するところがありません。

〇実現のための協力者になる

多くの不登校の状態にある子ども達とお会いしてきて感じることは、彼ら彼女らがどこかで「今の現実は何をしても動きようがないし、誰に何を言っても無駄かもしれない」と無力感を感じていることです。

しかし、そんな彼ら彼女らも、ある程度元気が回復してくると、その過程で今までやらなかった新しいことを始めたり、今まで言わなかったようなことを言い出し始めます。

こんな時に

〇とりあえず「いいね!」と伝える

〇親の価値判断で評価しない

という関門をクリア出来たら、次は子供自身が言ったことを本当に実現できるのかどうなのかと考える「現実検討」の時間が始まります。

(これ親が先に「現実検討(評価)」をしてストップをかけたら始まらないんです。)

OKとNOの間に対話がある

例えば、「ライブを見に行きたい」とかならば、ライブのスケジュールをチェックしたり、そこに至るまでの交通手段を調べてみたり、グッズ売り場の状況や、ライブのお作法についても調べたりするかもしれません。

この現実検討の段階で、実は子ども自身が自分のやろうとしたことを引っ込めたり、やり方を修正したり、時期を延期したりという事が起こります。

本当に自分が出来ることなのかどうか?一人ではわからなかったり、判断に迷った時に誰かに頼れること、一緒に考える相手がいることが大切になります。

出来る範囲で、小さな出来たことを喜ぶ、それがどんなものであっても、チャレンジを誰かと行った体験になります。

協力者のポジション、とても大切です。

一見意味のないように見える回り道を成長に利用する

【不登校】昨夜は学校に行くって言ってたのに朝になるとなぜかいけなくなる問題 その2

 

多くの場合はここで述べた通り、特に学校に行くとか勉強をするといった、本人にとってやらなければと思いつつも苦しくてできないという事であれば「何とか言葉に出せるけど、実際にはまだ難しい」という段階で言葉に出されることがほとんどでしょう。

でもこの時期に、彼らにとって関心があったり、実行のハードルの低い事柄については挑戦をすることが出来るんです。

本丸が「登校」や「勉強」という本人にとってハードルの高いものであれば、そこに至る選択ができるように準備が整うまで時間がかかります。

でも、その間に今現在、本人が選択して挑戦できることには協力したっていいじゃないですかね。

直接本丸に関係ないことに思えることでも、いや関係ないことだからこそいいんです。

「何をするか??そのことで得られる利益があるのか??」が大事なのではなく、どんなものであっても「本人が自分で選んで何かを始めたいと思うこと」「それを叶えるために誰かと交渉して意見を伝えること」それ自体に価値があるんです。

そして一人で出来ないことについては、誰かが横からそっと助ける。

それはカウンセラーでもいいし、教師でもいいし保護者でもいいと思います。

でも、本人が声に出して望む、必要な分だけでいいんです。

支持をしたり命令をしたり、先回りするのではなく、一歩遅れて後ろのポジションを歩く。

落っこちるまで手出し口出しするのを我慢して、落っこちてきたのを受け止める。

立ち直るのを待つ。

そうやって、心と体が動き始めるのを待てる誰かがいることが、先の成長と変化につながっていくんです。

(下記の動画ではそういった葛藤を抱える力、曖昧さに耐える力について語っています)

おわりに

自分の発想したことや願いについて、大人がそれを大事なこととしてきちんと取り扱ってくれる。

そのこと自体が、子どもの「自分の思いや価値は口に出してもいいものかもしれない」「ちゃんと向き合ってもらっている」「やりたいことやかなえたいことは、繰り返しチャレンジすることで少しずつでも叶うかもしれない」という体験になります。

そしてそれは、自分の人生を自分で選ぶ経験になり、最終的には「子ども自身のなりたい自分になる」というところにつながっていくものです。

 

「子どもの感じている価値」を保護者が評価することなんて、本当は絶対にできないので「そんなくだらないものを」と思っても興味を持って(最初は持ったフリでもいいので)付き合ってみてください。
それまでとは違う関係性が必ず生まれると思います。

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