不登校の子どもとの関係がこじれないために|「ズレ」に気づき、修正する見守り方
目次
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- 親子の関係がこじれる時は、意見の違いそのものよりも「ズレを修正できないこと」が大きく影響します。
- 子どもが不満や違和感を言葉にできるとは限らないため、表情や反応の変化に気づくことが大切です。
- 「あなたはそう思うんだね」で終わらせず、もう少し理解しようとする姿勢が関係を支えます。
- 見守りとは何もしないことではなく、関係の中で起きたズレを丁寧に扱うことでもあります。
不登校やゲームをめぐる関わりでは、正しい対応を探すこと以上に、親子の間に生じた小さなズレを修正しながら、関係と見守りのバランスを保つことが大切です。
はじめに
不登校の子どもと関わっていると、親としてはどうしても迷います。「このまま見守っていていいのか」「ゲームばかりしていて大丈夫なのか」「声をかけた方がいいのか、黙っていた方がいいのか」。こうした迷いの中で、親子の会話が少しずつぎこちなくなることがあります。
親としては心配して言ったつもりでも、子どもには責められたように聞こえる。子どものためを思って提案したつもりでも、「どうせわかってくれない」と受け取られる。こうしたすれ違いは、どの家庭にも起こり得ます。
大切なのは、ズレないことではありません。ズレた時に、それに気づけるか。そして、そのズレを関係の中で修正できるか。ここが、不登校の子どもを見守るうえで、とても大事なポイントになります。
子どもが不満を言ってくれるとは限らない
親子の会話の中で、子どもがはっきりと「それは違う」「そういう意味じゃない」「今の言い方は嫌だった」と言ってくれることがあります。これは、実はとても大事なサインです。
もちろん、親としては少しショックを受けるかもしれません。「せっかく心配して言ったのに」「そんなふうに受け取られるのか」と感じることもあると思います。けれども、子どもが違和感を言葉にしてくれた時は、関係を修正するチャンスでもあります。
ここで大人が反論してしまうと、子どもは次から言わなくなります。「いや、そんなつもりじゃない」「でも、あなたのために言ってるんだよ」「それは考えすぎじゃない?」。こう返したくなる気持ちは自然です。
けれども、その前に一度立ち止まって、「どのあたりが違う感じだった?」「どう聞こえた?」「もう少し教えてくれる?」と聞けるかどうか。ここに、関係を修正できるかどうかの分かれ目があります。
多くの子どもは「違う」と言わずに黙る
ただし、実際には子どもがはっきり言ってくれるとは限りません。むしろ、多くの場合は言わないかもしれません。不登校の子どもは、自分の気持ちを出すことに慎重になっていることがあります。
親を心配させたくない。揉めたくない。どうせ言ってもわかってもらえない。自分でも何が嫌だったのか、はっきり言葉にできない。そういう状態の中で、違和感があっても流してしまうことがあります。
親から見ると「普通に返事をしている」ように見えても、内側では少し距離ができていることもあります。たとえば、「ふーん」「別に」「大丈夫」「わかった」という返事の奥に、実は小さなズレがあることもあります。
もちろん、すべてを深読みする必要はありません。けれども、いつもより反応が少し遅い。表情が固まった。急に話題を変えた。返事はしているけれど、どこか閉じた感じがする。こうした小さな変化に気づくことは、見守りの中でとても大切です。
「あなたはそう思うんだね」で終わらない
子どもが何かを言った時に、「あなたはそう思うんだね」と返すことがあります。一見、受け止めているように見える言葉です。もちろん、言い方や文脈によっては役に立つこともあります。
ただ、この言葉だけで終わると、子どもには少し距離を感じさせることがあります。「あなたはそう思うんだね」という言葉の裏に、「私はそうは思わないけどね」というニュアンスが入ってしまうことがあるからです。
子どもは、こういう微妙な空気を感じ取ります。特に、不登校やゲームの話題では、子ども自身も責められることに敏感になっている場合があります。
だからこそ、「あなたはそう思うんだね」で安心して終わるのではなく、「その感じ、もう少し知りたい」「どんなところがそう感じた?」「僕・私は少し違って受け取っていたかもしれない」というふうに、もう一歩理解しようとする姿勢が大切になります。
見守りとは、何もしないことではない
不登校支援では「見守る」という言葉がよく使われます。ただ、この見守りは、単に放っておくことではありません。
子どもに任せる。でも、関係は切らない。口を出しすぎない。でも、子どもの変化には気づこうとする。この微妙なバランスが必要になります。
ゲームについても同じです。「ゲームばかりしているからダメ」と決めつけると、子どもは責められたように感じます。一方で、親が不安を押し殺して何も言わないまま我慢し続けると、どこかで限界が来ます。
大事なのは、親の心配をぶつけることではなく、関係の中で扱える形にすることです。たとえば、「ゲームをやめさせたいわけではないんだけど、最近少し心配になっている」「責めたいというより、今の過ごし方を一緒に考えたい」「今の言い方、もしかしたら嫌な感じに聞こえたかもしれない」。このように、親自身も修正しながら関わることが大切です。
ズレに気づけると、関係は少し強くなる
親子の関係でズレが起こること自体は、悪いことではありません。むしろ、ズレが起こった時に、それを丁寧に扱えると、関係は少し強くなることがあります。
「この人は、違うと言っても怒らない」「わかろうとしてくれる」「一方的に決めつけない」。子どもがそう感じられると、少しずつ話せることが増えていきます。
不登校の子どもにとって、安心して違和感を出せる関係はとても大切です。学校に行くかどうか。ゲームをどうするか。生活リズムをどう整えるか。そうした具体的な問題の前に、まずは「話しても大丈夫な関係」が必要になります。
その関係は、一度作ったら終わりではありません。日々の小さなやり取りの中で、ズレて、気づいて、修正していく。その積み重ねの中で作られていくものです。
親が気をつけたいチェックリスト
次のような場面が増えている時は、親子の間に小さなズレが起きているかもしれません。
- 子どもの返事が「別に」「大丈夫」ばかりになっている
- 親が話すと、子どもが急に黙ることがある
- 心配して言ったことが、責めたように受け取られやすい
- ゲームや生活リズムの話になると空気が固くなる
- 親自身が「また言いすぎたかもしれない」と感じることがある
- 子どもが本音を言う前に、親が説明や説得を始めてしまう
当てはまるものがあっても、親が悪いということではありません。ただ、少し立ち止まって、「今、どこかズレたかもしれない」「この子にはどう聞こえたんだろう」「もう少し教えてもらえないかな」と考えるきっかけにしてもらえたらと思います。
まとめ
不登校の子どもとの関わりでは、正解を探したくなります。ゲームを許していいのか。生活リズムを整えた方がいいのか。見守るべきなのか。声をかけるべきなのか。もちろん、それらも大切です。
けれども、それ以上に大切なのは、親子の間に起きている小さなズレに気づき、それを修正できる関係を保つことです。子どもが不満を言ってくれた時は、反論する前に聞いてみる。子どもが言わない時は、表情や反応の変化に少し注意を向けてみる。そして、親自身も「少し違ったかもしれない」と開かれた態度で関わってみる。
見守りとは、何もしないことではありません。子どもを支配せず、放置もせず、関係の中で起きるズレを丁寧に扱っていくこと。その積み重ねが、不登校の子どもを支える土台になっていくのだと思います。
■ よくある質問(FAQ)
Q. 不登校の子どもにゲームのことを言うべきですか?
A. 言うこと自体が悪いわけではありません。ただし、いきなり制限や注意から入ると、子どもには責められたように聞こえることがあります。「やめさせたい」ではなく、「少し心配している」「今の過ごし方を一緒に考えたい」という形で伝える方が、関係は保ちやすくなります。
Q. 子どもが「大丈夫」としか言わない時はどうしたらいいですか?
A. すぐに本音を聞き出そうとしなくても大丈夫です。「大丈夫なんだね」と受け止めつつ、表情や声の調子、会話の間などを少し見てみてください。違和感がある時は、「今の言い方、少し嫌な感じに聞こえたかな」と、親の側から小さく確認してみるのも一つです。
Q. 見守っているつもりなのに関係が悪くなるのはなぜですか?
A. 見守りが「何も言わずに我慢すること」になっていると、親の不安がたまり、どこかで強い言い方になってしまうことがあります。見守りには、子どもの状態を見ることと、親自身の不安を扱うことの両方が必要です。関係を切らずに、少しずつ修正しながら関わることが大切です。
Q. 子どもに「わかってくれない」と言われたらどうしたらいいですか?
A. まずは反論せずに、「どのあたりがそう感じた?」と聞いてみることが大切です。「そんなつもりじゃない」と言いたくなる場面ですが、子どもにとっては実際にそう感じたということです。その感じ方を丁寧に聞くことが、関係を修正する入り口になります。
Q. 親の考えと子どもの考えが違う時は、合わせた方がいいですか?
A. 必ず合わせる必要はありません。大事なのは、違いをなかったことにしないことです。「私は少し違う見方をしていたけれど、あなたにはそう感じられたんだね」と、違いを関係の中で扱えると、子どもは自分の考えを出しやすくなります。
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不登校の子どもへの見守り方や、ゲームとの付き合い方については、関連記事でも詳しく整理しています。
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