基本的自尊感情と社会的自尊感情 その1
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子どもが学校に行き渋るようになったり、何かの変調をきたしたときに、受け止めたほうがいいのか、それとも厳しく接したほうがいいのか迷ったことはありませんか?
自尊感情について理解することで、受け止めるべきか厳しくするべきかの判断ができるようになります。
自尊感情の種類について
自己肯定感や自尊感情が大事とよく言われていますが、とにかく褒めればいい、とか、あんまり甘えさせるとダメになる、とかあんまり本質的な話ができていないのではないかなと思います。 そんなわけで、自尊感情を社会的自尊感情と基本的自尊感情の2種類に分けて説明していきたいと思います。今回は近藤卓先生の基本的自尊感情と社会的自尊感情の話をしたいと思います。
社会的自尊感情
社会的自尊感情は、他者との比較や、目標の達成、何かを成し遂げたことによって得られる評価、によって積み上げられる自尊感情のことです。 つまり自分と他者を比べたり、他者に褒めてもらうことや、否定されることで、上がったり下がったりする、他者を評価にした相対的な自尊感情です。
なので、失敗したり、今まで上手くいっていたことがうまくいかなくなった途端に、ドーンと落ち込んでしまうことがあったりします。 例えば学力の高さを自尊感情の支えにしていた子が、進学校に入って、自分が学力でその学校内で相対的に優位でなくなった瞬間時にショックを受けるみたいなことです。
基本的自尊感情
基本的自尊感情は、自分の存在自体を無条件に肯定できるような、そんな自尊感情のことを指します。 他人と比べなくても自分を自分のままで肯定できる、失敗したとしても、簡単には揺らぐことがありません。
自分は自分だし、と思っているところがあるので、マイペースに見ることもあるでしょう。 この自尊感情は結果や優劣ではなく、そこに至るプロセスに周りの人が関心を払うことで伸びていきます。何かうまくいかなかった時でも、そのあり方を肯定していく、と言う関わり方で積み上げられる自尊感情です。
自信と安心
これまで説明した社会的子孫感情が自信となり、基本的自尊感情の積み上げが安心になると僕は考えています。 子供の成長には、自信と安心のどちらも必要ですが、学校現場、つまり勉強にしろ運動にしろ芸術にしろ、評価がある活動の中では、社会的自尊感情に焦点が当てられることになります。
学校の先生は、目標を定め、問題解決能力を促進し、評価をするというところは職能です。ただ、評価中心の教育が行きすぎたり、安心の場づくりや関係作りがおろそかにされた場合に、自信と安心のバランスが悪くなり、様々な心の問題が現れることもあるのかもしれません。
この子供の心の状態を見るときに、この子の中の自信と安心のバランスはどうなっているんだろう?という視点があることで、では子供にどんな関わりをすれば良いのだろう、ということが少しだけ具体的になるはずです。
安心⇒自信
子供が落ち込んでいるときに、まず自信をつけさせようとする方もいらっしゃいますが、自信の土台となるのは安心です。 子供のケアが必要なときは、環境からでも関わりからでもいいので、まず安心から積み上げることです。 自信を土台しにようとしても、安心の足場がないのでひっくり返ります。
安心を、基本的自尊感情を積み上げるために。 まずは、その子が安心しているのは誰と居る時か、何をしているときにいい顔しているのか、安心の回復に資するお気に入りの場所や時間や関係はあるのか、じっくり観察すること、すでにある安心を探すところから始めましょう。
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