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不登校でゲームは自由にさせるべき?|見守りと放置の違いを臨床心理士が解説

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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結論

  • 「見守り=何でも自由」は誤解
  • 不安を抱えたままの自由化は関係を悪化させやすい
  • 見守りとは「関係を保ちながら現実的に関わること」

「見守ればうまくいく」は本当か

不登校支援の中でよく聞く言葉に、「今は見守りましょう」というものがあります。

この方向性自体は間違っていないことが多いかと思います。

ただし実際は「ただ見守ればうまくいく」というほど単純ではないという点と、「見守る=何もしない」ではないというところは、注意な必要かと思います。

実際には、少なくとも今、子供にとって害の大きいやり取りがあるなら、それを減らす効果があるというくらいの現実的な意味合いで捉えた方がよいです。

ここに過剰な期待を乗せてしまうと「やっているのに良くならない」という焦りにつながります。

不登校の子どもにゲームは自由でいいのか

不登校の子どもに対して、ゲームやYouTubeをすべて自由にさせるべきか悩む保護者は少なくありません。

最近よくあるのが、

  • ゲームもYouTubeもすべて自由にさせる
  • やりたいことは全部肯定する

という助言です。

一見すると、子どもを尊重しているように見えますが、
これは見守りとは言えません。

なぜなら、現実には次のようなことが起きやすいからです。

  • ゲームやネットへの没入が強くなる
  • 生活リズムが崩れる
  • 外との接点がさらに減る

そしてそれを見て、親の不安がより強くなるというのがかなり深刻なところです。

結果として。不安や心配を前提とした声かけ、不安をもとにまたゲームや動画を控えさせようという声かけが増えて、子供からの強い反発を受ける、という流れができてしまうことが非常に多いです。

不登校の子どもへの心配の声かけが逆効果になる場合については、こちらで詳しく解説しています

不登校の子どもへの声かけ|「大丈夫?」が逆効果になる理由と見守りの考え方

なぜ関係が悪化するのか

さらに問題なのは、ここから先です。

そうやって声かけに失敗して、もう下手なことを言えないと思ってしまうこともあります。

そして

「見守らなければいけない」
「不安を言ってはいけない」

となると、親が何も言えなくなる

という状態が起きます。

すると、

  • 会話が減る
  • 関わりが減る
  • お互いに距離ができる

ということになり、親子の間に“壁”ができていくことになります。

信頼関係がなく、ただ言いたいことを言えずに心に不安と不満をためて心配して様子を見ている。

これは、子供のエネルギーを回復させる見守りとは「口を出さない」ということ以外は逆の状態です。

専門家の助言との付き合い方

こうした「全部自由に」という助言は、
とても魅力的に聞こえることがあります。

特に、

  • 親が疲れているとき
  • 何をしても変わらないと感じているとき
  • 制限をするのも大変と思っている時

には、

「全部自由にさせたらエネルギーが回復しますよ」

という言葉は強く響きますし、まるで気持ちに寄り添ってもらったように感じるかと思います。

しかし、ここで大事なのは、その助言に“その先の見通し”がどの程度あるのかというところです。

例えば、

  • どのくらいの期間を想定しているのか
  • どんな変化を期待して、注目して見守るのか
  • 変化が起こった後はどのように対処するのか
  • うまくいかなかった場合どうするのか

こうした点が考えられているかどうか。

大胆な提案(ゲームの制限を取りやめるは大胆ですよね)ほど、本来は緻密な設計が必要です。

専門家から「全部自由に」と言われた時には、ぜひこのような問いを投げかけてみてください。

面倒くさそうな顔をされたり「とにかく休ませることが大事です」とか「まずはエネルギーの回復から」とか言われてうやむやにされようとしたら、その人は専門家ではあるかもしれませんが、信用するに当たらない「場当たり的見守り主義者」と考えて良いと思います。

ルールを変えるときのリスク

特に注意が必要なのが、
ゲームやインターネットの扱いです。

前提として、子供がゲームやネットや動画で遊ぶ権利・楽しむ権利は守られるべき、だと思います。

ただし、今あるルールを大きく変えること(制限を外すこと、弱めること)は慎重に考える必要があります。

なぜなら、これもみんな知っている当たり前のことですが

  • 制限を緩めるのは簡単
  • 元に戻すのは非常に難しい

からです。

緩める時には子供は「なんで?」とは言いませんが、締め付ける時には「なんでなんだ?」「ふざけるな!」「俺を殺す気か?」と文字通り必死の抵抗をすることになります。

子供の生活の命綱になっていますからね。

これは多くの方が頭ではわかっていることですが、実際には疲れや焦りの中で、専門家の言葉を受けて、「ポン」と崩れてしまうことも多い部分です。

「それさえやればうまくいく」という誘惑

不登校の状況の中では、「これをやればうまくいく」というシンプルな解決策はとても魅力的に見えます。

  • すべて自由にする
  • 一切口出ししない
  • とにかく肯定する

こうした関わりは、一見すると希望のように見えます。

しかし実際には、親子の対話できる関係が維持できるかどうか、親が無理なく続けられるかどうか、が非常に重要です。

ちなみにその逆の「もっと厳しく制限すべき」も、本当にその必要性があるのか?ちゃんとその先の見通しが見えているのか、うまくいかなかった場合のリスクは誰が取るのか?というところをきちんと把握した上でなければ非常に危険なやり方かと思います。

もちろん何割かはそれでうまくいくケースもあるでしょうか、失敗した時の親子へのダメージは計り知れず、よほどの正確なアセスメントがなければリスクが高すぎるかと思います。

絶対制限がダメというのも制限すべきというのも、子供の姿や状況によってどちらも当てはまることがあるので、どちらか一方を強く主張していらっしゃる方には警戒が必要かと思います。

「本当にうちの子供のことや状況が理解されているのかな?」と疑ってみることが必要です。

 

ではどうすればいいのか

現実的な見守りとは、親が肯定的なまなざしを保つ、

てる範囲を守ること

です。

そのためには、

  • 無理なルール変更をしない
  • 不安を押し殺さない
  • 会話が続く関係を保つ
  • 子どもの楽しみは守る

といったバランスが大切になります。

見守りとは、「何もしないこと」ではなく、対話可能な関係(向こうが話したい時に話しかけられる関係)を保ちながら、子供の主体性を折らないように関わり続けることです。

それなしで放置してゲームをやらせても、子供のエネルギーの回復、主体性の回復には、なかなか繋がりにくいんじゃないかと思っています。

この辺に関しては不登校支援の中でとても重要なことなので、いくつか記事を書いています。

で気になる方は読んでいただけたらと思います。

「先回りしない」は放置ではない|ゲーム・不登校時代の“見守り”の正体

まとめ

  • 「見守り=全部自由」は誤解
  • 不安を抱えたままの自由化は逆効果になりやすい
  • 会話がなくなると関係が悪化する
  • ルール変更は慎重に行う必要がある
  • 見守りとは「関係を保つための関わり」

不登校に関するご相談について

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

不登校についてのご相談を受けていると、

– 「どこまで自由にさせていいのか分からない」
– 「このままで大丈夫なのか不安」
– 「関わろうとすると関係が悪くなってしまう」

といった声を多くお聞きします。

今回の記事でもお伝えしたように、
「自由にさせること」が有効なケースは確かにありますが、
それがすべての子どもに当てはまるわけではありません。

大切なのは、

その子が今どのような状態にあるのかを丁寧に見立てること
そして
関係と生活のバランスをどう整えていくかを一緒に考えることです。

 

かけい臨床心理相談室での支援

当相談室では、不登校に関するご相談に対して、

– 状態や背景を踏まえたアセスメント
– 保護者の方との具体的な関わり方の整理
– 必要に応じたお子さんとの面接や訪問支援
– 学校との連携に関するコンサルテーション

などを行っています。

「どう関わればいいのか分からない」という段階からでも大丈夫です。
今の状況を一緒に整理し、現実的に動ける形を見つけていきます。

 ■ このような方にご相談いただいています

– 見守りでいいのか迷っている
– ゲームやYouTubeとの関係に悩んでいる
– 声をかけると関係が悪くなる
– 学校との関わり方が分からない
– 他の支援を受けているが、方向性に不安がある

 ■ ご相談方法

現在、オンラインカウンセリングを中心にご相談をお受けしています。

ご希望の方は、以下のページよりお問い合わせください。

https://yurayura.org/contact-online-counselling/

 

 

不登校は、「こうすれば必ずうまくいく」という単純なものではありません。

だからこそ、一般論だけではなく、
そのご家庭・そのお子さんに合った関わり方を一緒に考えていけたらと思っています。

 

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