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小学校でのスクールカウンセラーの動き方|環境調整と連携のポイント

 

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臨床心理士/公認心理師 かけい臨床心理相談室代表/愛知学院大学特任講師 専門領域:ブリーフセラピー
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小学校・中学校・高校では、校種ごとにSCの関わり方に結構違いがあります。

スクールカウンセリング超基礎講座の第一講で扱う内容について、ブログでも発信できたらと思います。

まずは小学校での関わり方についてお話しできればと思います。

■ この記事のポイント

  • 小学校では環境の影響が大きく、コンサルテーションと環境調整が重要
  • 保護者・教員との連携の中でアセスメントが進む
  • 子ども面接は「元気になる関わり」を中心にする
  • 発達特性そのものではなく、環境との相互作用を見ることが重要

 

小学校でのスクールカウンセリングの特徴

小学校の場合は、比較的、教員が子どもの成長に対してポジティブな発想を持っていることが多いです。相談内容としては、不登校もありますが、それだけではなく、発達の偏りに関するアセスメントや、実際の問題行動――例えば、暴力を振るってしまう、物を隠してしまう、先生に反抗的である、といったことに対してどう対応すればよいか、という相談が多いです。コンサルテーションや保護者面接が中心になります。

また、小学生はこの小中高の中で最も親や教師の影響を受けやすい時期です。環境の影響力が非常に強い。ですので、コンサルテーションや保護者面接を中心に環境調整を行っていくことが、とても重要だと考えています。

子どもと直接会ってください、という依頼もありますが、その際には「どんな目的で会うのか」をはっきりさせておいた方がよいと思います。

コンサルテーションを含めた対応

基本的な枠組みとしては、子どもの日常生活のエネルギーを上げる部分は保護者に担ってもらい、ルールづくりは学校の先生にお願いする。そして、本人の自信ややる気をエンパワメントする部分をスクールカウンセラーが担う、という形がうまく機能しやすいと感じています。

現場で起きている問題については、

どのくらいの頻度で起きているのか

どういう条件のときに起きるのか

どういうときには起きていないのか(例外)

といった点を丁寧に見ていくことが大切です。

そのために、保護者や教員から情報をいただくプロセス自体がとても重要で、そのやり取りの中で保護者や教員にも気づきが生まれます。「そういえばいつもこういうパターンだな」といった理解が進んでいきます。

その上で、「こういうこともあるんじゃないですかね」と仮説を提示し、対話の中でアセスメントを深めていきます。そして、その内容をもとに、それぞれの役割を決めていくとよいと思います。

例えば、登校しぶりがある場合、「学校で消費するエネルギー」と「家庭で回復するエネルギー」が釣り合っていないのではないか、という仮説が立つことがあります。

そうすると、家庭でのエネルギー回復を意識的に増やす必要がある。例えば、帰宅後すぐにあれこれ指示をするのではなく、10分程度はリラックスする時間を確保する、といった工夫でも構いません。

実際に話を聞いていくと、帰宅直後からいろいろ指示してしまっているケースも多いです。でも、一番疲れているのはその時間帯です。そこにさらに要求が重なると、しんどさは増してしまいます。

「風邪でしんどいときに、いろいろ仕事の話をされたら嫌ですよね」といったメタファーを使いながら、まずは帰宅後10分は様子を見る、少しゆっくりさせる、といった関わりを提案していきます。

その上で、「何時になったら次の行動に移るか」といった目安を緩やかに設定する。こうした形で、具体的なエネルギー回復の手段を一緒に考えていきます。

一方、学校側には、子どもへの関わり方として、例えば休み時間に声をかける、優しい表情で視線を合わせる、「見ていますよ」というメッセージを伝える、といったことをお願いすることがあります。

こうした関わりだけでも、子どもにとっては安心感が生まれ、「ホームのような感覚」を持てることがあります。意識化されないレベルで関係が作られていく、ということです。

そのような課題設定を行い、その後の変化を見ていきます。何らかの変化が出てくることが多いので、それを踏まえて次の提案につなげていきます。うまくいかなければ別のやり方を考える。こうした環境調整を丁寧に行っていきます。

児童生徒への関わり

スクールカウンセラーが子どもと会うときは、私は基本的に「子どもが元気になる関わり」を意識していました。好きなことについて話してもらう、一緒に楽しく過ごす、といった関わりを中心にして、あまり治療的な文脈を前面に出さないようにしていました。

学校という場に強い治療的文脈を持ち込むことは、あまりうまくいかないという実感があるためです。

場合によっては子供と目標を決めて保護者や教師を巻き込んでの課題介入をすることもあります。

その子のなりたい未来の姿を聞いた上で、そこに近づける一歩を決めて、次に来たときにその進捗を報告してもらう、保護者や教員に、行動の評価の上でシール等のトークン的役割のものを渡してもらって、その進捗をSC、教員、保護者に報告して成長をそれぞれ子供と喜び合うという形ができるとうまくいくことが多いです。

発達障害そのものを扱うのではなく環境との相互作用を扱う

また、小学校では発達に関する相談が非常に多いですが、「発達障害そのものをどうにかする」という発想ではなく、「その子がどんな困りごとを持っているのか」「環境との相互作用の中で何が起きているのか」を見ていくことが重要です。

学校との関係、先生との関係、友人関係、家庭内の関係――そういった相互作用を見ていくことで、介入すべきポイントが見えてくることが多いです。

発達特性自体は変えられない部分もありますが、そこから生じる相互作用は調整可能です。より適応的な形に変えていくことができる。

このあたりについては、「第3回 発達特性の理解と対応」で詳しく扱う予定ですし、環境調整やコンサルテーションについても、「第5回 コンサルテーション」で詳しくお話しする予定です。

また、子ども面接、親面接、親子面接についても、「第4回 子ども面接と保護者面接」それぞれの講義の中で詳しく扱っていこうと思います。
講座について詳しくはこちら スクールカウンセリング超基礎講座

■ まとめ

  • 小学校では環境調整が中心になる
  • コンサルテーションが重要な役割を持つ
  • 子どもには「元気になる関わり」を行う
  • 発達特性は相互作用として捉える

スクールカウンセリングを体系的に学びたい方へ

今回の内容は、
スクールカウンセリング超基礎講座の第1講で扱っている内容の一部です。

全体としては、

  • 見立て
  • コンサルテーション
  • 子ども面接・保護者面接

などを体系的に扱っています。

▼詳細はこちら
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